玉掛け作業者に最適!スマホで簡単。吊り計算アプリ
掲載開始日:2014-02-10 00:00:00.0
現場で“吊る”という作業は危険をともないます。対象物の重さや形、吊り方によって荷重は変わり、ワイヤやシャックルの選び方を間違えるとワイヤの切断や金具が外れて落下する重大事故につながりかねません。
大洋製器工業(大阪市西区)は、吊り金具のトップメーカーとして「吊り作業の安全対策をもっと啓発していかなければいけない」とさまざまな取り組みを展開中。その一つが、スマートフォン向けの多点吊り計算アプリ「D.C.吊る~ん」です。面倒な重量計算や吊り計算が簡単にできる玉掛け作業者の便利アプリについて聞きました。
今回紹介する技術と製品
スマートフォン向け多点吊り計算アプリ D.C.吊る~ん
「D.C.吊る~ん」は、建築土木の現場や各種工場などにおいて使われる吊り具(ワイヤロープ等)の選定に必要な情報(使用荷重・長さ・角度)が簡単に計算できる、玉掛け作業に必須のアプリです。吊り具(ワイヤロープスリング、チェーンスリング、繊維スリングなど)を使って多点吊り(2点、3点、4点吊り)する場合、吊り具の選定に必要な情報が計算できます。
この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。
重量物の吊りは危険と隣り合わせ。適切な吊り具選びが安全作業のポイント
岡室 俊之
情報システム部 部長 兼
営業本部 MK室 室長
「重いものを持ち上げる」という作業は、万が一、落ちて人に直撃した場合は大ケガ、最悪の場合は死にいたる危険をともないます。クレーン等を使った作業での災害は後を絶たず、その3分の1が玉掛け作業に関連すると言われています。
当社が製造している吊り金具の場合、何トンという重量物を吊り上げます。落下した際の危険や被害は格段に大きく、メーカーとして絶対の安全品質を心がけて製品づくりを行っています。
とは言え、製品の安全性だけでは事故は防げません。現場の作業者への安全作業への意識付けと習慣化、さらには初心者や慣れない人でも適切な吊り金具と吊り方ができるような技術的なハードルを下げる工夫が必要です。そこで考え出したのが「D.C.吊る~ん」です。
スマホで簡単!ゲーム感覚で必要なワイヤ径や荷重の大きさが分かる計算アプリ
スマホの操作画面
「D.C.吊る~ん」は、重さや吊り角度など必要事項を入力するだけで必要な最低ワイヤ径や荷重の大きさが表示されるスマホ向けの多点吊り計算アプリです。
ワイヤにかかる荷重の計算自体は簡単ですが、吊り上げる重量物のサイズや現場の状況によって吊り角度が変わり、それにともなって荷重も変化します。正確な数値を出すには毎回計算しなければならず、非常に面倒です。そのため現場では経験則や感覚値で吊り金具とワイヤを選んでしまうことがあり、それが原因で事故が発生したりもしています。
それに対して「D.C.吊る~ん」なら、ゲーム感覚でスマホを操作するだけで、重量物に対してどんな吊り金具とワイヤを用意すれば良いかがすぐに分かります。玉掛け作業者のノウハウをそのままアプリに詰め込み、誰でも簡単に多点吊り計算ができるようになっています。
玉掛け作業者からも評判が良く「ワイヤの径がすぐにわかるので安全で作業がスピードアップした」「新人・若手社員の安全教育に使っています」「自分のスマホに入れて活用しています。気軽に持ち運びでき、無料が嬉しいです」などの声をいただいています。
安全な作業は、実際に手間がかかるものです。「D.C.吊る~ん」でその負担を少しでも減らしていきたいと思っています。