ガラス両面の高性能反射防止膜が、光の反射を極限まで抑える

掲載開始日:2013-02-15 00:00:00.0

普通、ガラスの目の前に立つと自分の姿が映り込むのが当たり前ですが、日本電気硝子の『見えないガラス』の前に立つと、まったく映り込みがなく、『本当にガラスがあるかどうか見ても分からない…』という不思議な感覚を味わえます。『見えないガラス』は同社が持つガラス製造と薄膜技術を組み合わせ、0.08%という世界最高レベルの低反射率を実現した、まさに“究極の透明度を持つガラス”。そんな最先端の技術を駆使した『見えないガラス』と同社の成膜技術について、執行役員 薄膜事業部長 金井 敏正 氏に話を聞きました。

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今回紹介する技術と製品

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『見えないガラス』は、ガラスの両面にそれぞれ何層もの反射防止膜を成膜し、光の反射を極限まで抑えたものです。ガラスへの映り込みがほとんどなく、展示ケースやディスプレイのカバーガラスなどの需要が見込まれ、すでに商品化に向けた取り組みが進んでいます。

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絶対不可能と言われていた 反射のない透明な『見えないガラス』

執行役員 金井 敏正 薄膜事業部長

執行役員 薄膜事業部長 金井 敏正 氏

よく「『見えないガラス』は特別な処理をしているのか?」と聞かれることがありますが、そんなことはありません。単に反射防止膜の技術を極限まで突きつめて完成した技術です。原理はとてもシンプルですが、反射する光の波長に合わせた薄膜を何層も作りこんだり、均一に薄膜を成膜しなければならなかったりと技術的には非常に難しく、長い間ずっと『膜の設計は可能だが、実際に作るのは非現実的』と言われていました。

当社は独自の膜厚調整システムを開発し、ナノレベルで膜厚制御をしつつ、ガラス基板にムラなく成膜することで『見えないガラス』の製造に成功しました。これはガラス素材と薄膜のどちらも研究開発してきてからこそできた成果であり、ガラスメーカーでありながら成膜技術を培ってきた当社の強みをよく表した製品です。

透過率99%超!世界最高レベルの反射防止膜技術で実現

通常のガラスとの比較例

液晶ディスプレイでの比較例
(左が見えないガラス 右が通常のガラス)

通常のガラスは、約96%以上の光を通しますが、通らなかった一部の光が反射し、映り込みとして現れ、ヒトはそれを見ることでガラスの存在を認識します。「見えないガラス」は、ガラス表面にガラスよりも小さな屈折率を持つ薄膜を均一に重ね、その厚さを調整することで一定の波長の光の反射を抑えています。屈折率と厚さの異なる膜を何層も重ね、いろんな波長の光の反射が打ち消されることで、映り込みがほとんどないというわけです。一般的な反射防止膜は5~6層で反射率は0.5~0.3%程度ですが、『見えないガラス』は片面15層以上(両面で30層以上)、反射率0.08%という非常に反射率の低いガラスとなっています。

実際に採用いただいた事例としては、損保ジャパン東郷青児美術館など美術館やGINZA TANAKA銀座本店といった宝飾店のショーケースなどがあり、映り込みや光の反射に邪魔されず、展示物や商品の美しさをダイレクトに楽しむことができると好評をいただいています。その他、秋田大学医学部の法医解剖室のCTモニター用の窓にも採用いただき、蛍光灯の反射で見づらかった画面が大変見やすくなったという声もいただきました。また、『見えないガラス』を液晶ディスプレイの前面にはめ込み、参考技術として展示会に出品したところ、映像の精細さをそのまま出すことができ、来場者にも非常に好評でした。

高い薄膜技術で反射率ほぼ100%のミラーを実現。JAXAの宇宙プロジェクトにも

薄膜で光の反射を自在に制御

このように、優れたナノメートルオーダーの膜厚制御技術によってほぼ100%光を反射するミラーの製造も可能です。
当社はこのミラーの技術を進化させ、“超薄型軽量ミラー”を開発しました。これは当社の超薄板ガラスの製造技術と薄膜技術を活かしたもので、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2030年代の実用化に向けて研究開発を進めている、「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」のミラーユニットの試作に使用いただきました。
宇宙への資材の輸送には軽量化が不可欠となっておりますが当社は100μmの超薄板ガラスに成膜し、1m2当たり250gという軽さを実現しました。いまはさらなる軽量化のため、薄さ40μmのミラーを開発中です。

ガラスと薄膜の複合技術で多様なガラス開発

見えないガラス
損保ジャパン東郷青児美術館での採用例

耐熱ガラスや放射線遮へい用ガラスなども

耐熱ガラスや放射線カットガラスなども

『見えないガラス』をはじめ、ガラス素材と薄膜を組み合わせてさまざまな特性のガラスを作ることが可能です。例えば、熱膨張係数がゼロに近く、熱衝撃に強い『ファイアライト』に熱線反射膜という特別な膜を成膜した『ファイアライト遮熱』というガラスは、火災時でも割れず、更に輻射熱を防ぎ安全な避難に寄与する特定防火設備用ガラスです。また、熱にさらされるIHクッキングヒーターの天板ガラスには薄膜を利用して深みのある色を付けたものもあります。

特定の光の波長の透過を制御することで色を制御することもできます。紫外線を通さないガラスや、放射線、赤外線、可視光線をカットするガラス、さらには光を当てると色が変わるガラスなど、ガラスと膜の組み合わせだけで、さまざまなガラスを作ることができます。ガラスは熱に強く化学的安定性が高いなど、さまざまな特長があります。その特長を活かしながら、新たなガラスの可能性を広げていきたいと思っています。

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取扱会社

日本電気硝子株式会社

特殊ガラス製品の製造・販売およびガラス製造機械の製作・販売

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