超長寿命化を実現!圧倒的な耐久性の特別なコーティング技術・溶射

掲載開始日:2014-11-10 00:00:00.0

日本を機械長寿の国に 圧倒的な耐久性を誇る表面処理技術 “超”寿命化の切り札 溶射

高温環境下で安定稼働をし続ける発電所のタービンや飛行機のジェットエンジン。あれだけの過酷環境下にありながら焼き付きも摩耗もせず、長い間激しく動いていられる理由は、それらの主要部品に施してある表面処理にあります。

その表面処理こそが「溶射」といわれる技術です。他の処理方法に比べて圧倒的な耐久性を持ち、特に機械の摺動部品における“超”長寿命化の切り札と言われています。コーティングを超えた特別なコーティング技術としての溶射について、溶射ひとすじ81年のシンコーメタリコン(滋賀県湖南市)の立石 豊社長に話を聞きました。(聞き手:イプロス編集部)

シンコーメタリコン 溶射技術の総合カタログ

今回紹介する技術と製品

シンコーメタリコン 溶射技術の総合カタログ

溶射とは、金属やセラミックス、サーメットなどをさまざまな熱源を用い溶融噴射し、基材表面に材料を噴きつけて機能皮膜を形成する表面改質技術です。
溶射技術は、工業分野の設備、装置に耐摩耗、耐熱遮熱、絶縁などの機能性を持たせるほか、防錆・防食で鉄鋼構造物の基材を保護したり、化学機器装置などに耐薬品性を付与する用途などで使われています。

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溶かした材料を高速で吹き付けて膜を形成

立石 豊 社長

――溶射とはどのような技術ですか?

溶射とは、皮膜となる材料を溶融あるいは半溶融状態にすると同時に、運動エネルギーを付与することで高速で飛行する溶滴を作り出し、これを次々に基材表面に衝突・積層させ皮膜を形成する表面処理技術です。

技術としては、1909年にスイスのM.U.Schoop博士によって実用化され、その10年後の1919年に日本に導入されました。当社は1933年に溶射法の実験研究を行う「メタリコン工作所」として創業し、それ以来81年にわたって溶射ひとすじで事業を続けてきました。

圧倒的な耐久性

溶射のメカニズム

溶射皮膜の断面図(×1000)

――他の表面処理技術と何が違うのですか?

他の表面処理技術と違い、溶射は金属やサーミット、セラミック、樹脂など多様な材料を使って、耐摩耗、耐熱、耐腐食、絶縁など基材にさまざまな特性を付与します。溶射は基材に対する熱ダメージが少ないので、金属やセラミックス、プラスチックなど幅広い基材に加工できます。

溶射はブラスト処理、溶射、研磨仕上げの一連の流れで行います。ブラスト処理で表面をザラザラにした後、溶けた材料を高速で衝突させることによって微細な隙間まで材料が入り込んで基材を噛み込んでガッチリ密着します。

火力発電所のタービンブレードや飛行機のジェットエンジンのフィン、スポーツカーのシリンダー、高速鉄道のベアリングなど、究極的に過酷な環境下で高信頼性と安全性が求められる摺動部で数多く使われています。他の表面処理では性能が足りない場面や本当に信頼性が必要なところでは溶射が選ばれています。

溶射は噴き付けなのでサイズや形状を問わず加工できます。ある特定の部分だけ溶射したいという要望にも応えられます。また皮膜の厚みをコントロールできるという利点があります。

――実際にどんなケースで使われているのですか?

さまざまな場面・用途で使われています。いま当社の取引先は2900社ありますが、本当に幅広い業界の方々とお付き合いしています。

最も多いのが機械部品への溶射で、耐久性や耐摩耗性、耐熱、耐腐食性、絶縁性などを目的とするケースが一般的です。例えば前述の発電所や飛行機、鉄道のほか、産業機械でも製鋼や製紙、印刷機械等のロールの摩耗防止や、化学プラントのスクリューやメカニカルシールの摩耗や腐食防止、耐薬品性の向上など広く使われています。

食品機械や医薬品の製造機械、理化学機器では、攪拌機のプロペラや槽内部にアルミナやタングステンカーバイドを溶射して摩耗や傷つきによる異物混入の防止などにも応用されています。

またビルやプラントの貯蔵タンクといった建築物、橋梁や水門、信号や道路標識などインフラ関係のほか、変電設備、通信設備、建物の排気ファンなどの屋外設備では、防食性を上げるために亜鉛やアルミ合金の溶射が使われています。

医療分野では骨折などにより損傷した部位の置き換えとして利用されている人工骨へ生体親和性を高めるために純チタンや骨の成分であるハイドロキシアパタイトが溶射により適用されています。

幅広い業界で採用されている溶射技術

知る人ぞ知る、長寿命化技術。日本を機械長寿の国に

コールドスプレーのメカニズム

アルミ基材にCuを50mm成膜

Cu皮膜断面の様子

――これだけすごい溶射技術ですが、世間での認知度はどうなのでしょう?

まだ知られていない、知る人ぞ知る技術だと思います。これまではインフラや大型機械といった巨大なものや、飛行機や高級車などハイエンドなものに使われていて、あまり目や耳に触れる機会がほとんどありませんでした。しかし最近になって、他の表面処理ではできないレベルの案件や、ある部品の一部だけやりたいという案件が出てきて、だいぶ広がりを感じています。特に耐久性を上げたいというニーズが多く、見ただけでは分からない長寿命化技術としてお問い合わせを多くいただいている状況です。

――これからについて教えてください。

まったく新しい溶射技術として「コールドスプレー」というものがあります。コールドスプレーは、主に金属の微粒子を溶融させることなく高速で基材に衝突させて成膜する技術です。付着効率が高く緻密な皮膜が得られるだけでなく、酸化・熱変質の抑制された皮膜が得られ、溶射の可能性を広げる新しい技術として、積極的に提案を進めていこうと思っています。

当社は「日本を、機械長寿の国に。」というスローガンを掲げています。日本は世界一の長寿国で、命を大切にする国です。モノを長く大切にする意識が高いはずですが、製造現場では高価な機械が壊れたら買い替えるしかなかったり、丁寧にメンテナンスしていても壊れてしまうことがあります。そこで当社は、最初から機械を強くたくましく加工すればそうした問題が解決できるだろうと考え、溶射の技術を多くの方に提案しています。「やっぱり日本の機械は丈夫で、長持ち、高性能」という評判を世界に広めたいというのが当社の願いです。

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取扱会社

株式会社シンコーメタリコン

○各種金属およびセラミックス、サーメットの溶射施工、並びにこれらに付帯関連する一切の業務

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