納期も特殊カスタムも負けない。他社に差をつける基板製造

　当社は1978年に大阪で設立、当初はプリント配線板の穴あけや外形加工をメインに事業がスタートしました。以来、40年近くに渡って“基板”の分野で市場のハイレベルな要求に応えるべく、様々な取り組みをおこなってきました。

　すでにほとんどのメーカーは決まった基板の外注先をもっています。それにもかかわらず、新しい基板屋を探すケースにおいては、「トラブルが発生した」「既存の外注先では対応できない特殊品」「通常よりも短納期が必要」などのニーズがあります。

　当社ではそういった声にも応えられるように、社内体制や設備を整備してきました。“土曜日稼働”はその最たる例です。短納期対応において、週末の1日の余裕は非常に有利です。土曜日に稼働することでトラブルを抱えたお客様はもちろんですが、同業者からも頼られるようになりました。短納期対応をきっかけに当社の技術を知っていただき、取引きが拡大するケースもあります。横ばいだった業績は、土曜稼働を境に向上しました。

　また、銅めっき・金めっきの設備も保有しております。銅めっき・金めっき両方の設備を保有している基板メーカーは珍しく、これにより通常であれば一日余計にかかってしまう金めっきの製品も他と変わらない期日で納品できるようになり、さらにお客様に喜んでいただけるようになりました。

　当社の強みは“短納期”だけではありません。例えば「フレキ基板」。一般的にフレキ基板を生産する際は、金型の製作から始まります。しかし、試作や小～中ロットでの生産の場合は金型にかかるコストが割高になりがちです。

　大量生産の案件が海外の生産拠点に移った現在の日本では、試作や小～中ロットの生産でいかにイニシャルコストを抑えられるかが重要になります。そこで当社では、フレキ基板の生産に“レーザー加工”を採用しております。レーザーによる外形加工により金型レスでの生産が可能。これにより、イニシャルコストを大幅に抑えることができます。

　また、高周波対応材料を使用した基板など、特殊基板の製造も得意としています。テフロン材、メグトロン6などの低誘電率、低伝送損失の材料を常備しており、高周波対応基板の短納期対応が可能です。インピーダンスシミュレーション、インピーダンス測定とも豊富な実績があり、精密な調整が可能です。

　現在、社員は約80名ほどですが、その9割以上が正社員です。最近ではこんな会社は珍しいといわれます。しかし、そのような体制づくりをしてきたからこそ、技術が伝承・蓄積され、「ケイツーに相談すればなんとかなる」と、お客様からの信頼獲得につながっております。

　数年前にとあるきっかけで関東のお客様と関わる機会があり、そのときに当社の短納期対応や高い技術力は全国でもニーズがあると感じ、2010年に関東営業所を設立。それ以来、関東地域で行われる展示会などにも積極的に出展し、新しい地域のお客様にも声をかけていただけるようになりました。

　基板は全てがカスタム品です。お客様や案件によって、ニーズは全く違います。当社では「断りません、負けません」をスローガンに、これからも要望にお応えしていきたいと思います。