2日に1台売れる金型洗浄機。大ヒットのワケは『他所にないもの』
掲載開始日:2017-04-03 00:00:00.0
例えば「金型をメンテナンス」する際、どのような方法をとられていますか?手作業やスプレー洗浄剤、有機溶剤、超音波洗浄などの方法がありますが、それぞれ金型へのダメージや腐食、安全性などの問題があります。それらの金型洗浄の問題をまとめて解決するのが、ソマックス株式会社の金型専用洗浄機『クリピカエース』。約20年でシリーズ累計3500台を販売するベストセラー商品です。今回、その開発背景や有用性について、話を聞きました。
今回紹介する技術と製品
2日に1台売れる金型専用洗浄機!
腐食性物質を完璧除去
金型に付着した微細な汚れは、成形不良に繋がります。『クリピカエース』は、そんな金型の腐食性物質を電気分解と超音波、専用洗浄液の相乗効果で完璧に洗浄。個数、形状、面積に関係なく短時間で金型メンテナンスを行えるため、生産効率アップ・コスト削減に繋がります。
この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。
「他所にない、便利なものを作る」。
2日に1台売れる大ヒット金型専用洗浄機『クリピカエース』。
代表取締役 冨田 和巨 氏
当社の創業は1991年に遡ります。『他所にない、便利なものを作りたい』という思いから会社がスタートしました。
前身の会社では自動車や家庭向けの製品を手がけていました。最近普及してきた「自動車のステアリングに合わせて照らす方向が変わるライト」や、当時は高級車にもついていなかった「自動車のルームランプ」「自動車のドアの開閉を暗闇で後続車に知らせるランプ」などアイデア商品が主力事業でした。
創業当初は、『街で見かけ、多くの人に手にしてもらえるような、いわゆる一般消費者にヒットする製品』を生み出すことに重きを置いていました。
ただ、今回お話しする金型専用洗浄機は、前身企業の主力事業とは全く異なるアプローチから誕生しています。当社では特殊な溶接機※を手がけていたのですが、その営業のためにお客様を訪問したところ、「金型を掃除しなければならないので、対応できない」と言われ、仕方なく帰る…ということがありました。「ではまた~」と帰るのが普通の対応かと思いますが、そこで『金型を合理的にすばやくきれいにする装置があれば、きっと便利!』と発想し、研究・製品開発を重ねました。
そして1994年。誕生したのが『金型専用洗浄機クリピカエース』です。「こんな装置で金型の汚れが落ちるはずがない!」と言っていたお客様の前でデモを見せると、まさに“鳩が豆鉄砲を食らった顔”をされました(笑)。手作業で金型の汚れを落とすのが当たり前だった方々にとっては、にわかには信じられなかったようです。
とはいえ、初年度の販売実績は3台。翌年も販売は奮いませんでした。しかし、地道な営業活動と、その洗浄力で着実に認知が広がり、また改良やラインナップの拡充を進めることで、クリピカエースは多くの企業で導入していただけるようになりました。
2016年までの22年間。積み重ねた販売台数は、約3500台に上ります。
ざっくりですが、2日に1台売れている計算です。「金型掃除のために訪問を断られた」ことをきっかけに生まれた『金型専用洗浄機クリピカエース』は、いまや当社のメイン事業となった「金型洗浄」の礎を築く、大ヒット商品になりました。
※抵抗熱溶接機「モルヘイ」など、溶接機のシリーズも累計5000台を超える同社の大ヒット商品。
「金型は錆びる」という常識を覆す。
金型メンテナンスの工数や成形不良を減らす。
クリピカエースの洗浄力。わかりやすいマンガでも解説しています。
金型専用洗浄機『クリピカエース』の洗浄原理は、簡単に言えば「最適組成の洗浄液」の化学的作用が、「電気分解」と「超音波」の物理的作用を際立たせる…というものです。
その利用メリットは様々ありますが、多くの方に驚かれるのが「金型が錆びなくなる」ということです。金型表面は目に見えない凹凸で覆われていますが、そこに腐食性物質が入り込み、それを放置することで錆が発生します。しかし、クリピカエースはそれらの物質を完璧に除去し、錆びる原因から取り除きます。錆びないということは、例えば長期間保管していても、すぐに使えるということです。メンテナンスの手間も減りますし、金型自体の寿命も延びます。運用面で数多くのメリットが得られます。
さらには、洗浄にあたって金型にダメージを与えないことも重要です。例えば、金型の洗浄・メンテナンスにあたっては、「こする」「磨く」という作業が当たり前のように行われていますが、これは金型にとって果たして良いことでしょうか?これらの作業は結果として表面に細かい傷をつけ、ひいては成形不良やメンテナンスの増加につながります。
一方、クリピカエースは金型にダメージをあたえません。それは、超音波洗浄機と比べても明らかです。SEM観測で3000倍に拡大すると、超音波洗浄機では表面にダメージを与えているのが目に見えてわかりますが、クリピカエースにはそれがありません。
クリピカエースの特長、メリットは他にも数多くありますが、それらをご理解いただくには、実際に目で見ていただくのが一番かと思います。正直、一言では語り切れませんので(笑)。マンガでわかりやすくまとめた資料もありますので、ぜひご覧いただければと思います。
金型冷却管を除錆。
同時に防錆被膜を形成する『ウォーターリーマ―』
ウォータ―リーマ―の洗浄力。わかりやすいマンガでも解説しています。
『クリピカエース』では金型洗浄自体を効率化しましたが、金型まわりにはまだしっかりと洗浄すべき箇所が残っています。それが「冷却管」です。
冷却管内には錆が発生することはもちろん、水に含まれる不純物が堆積しスケールになることがあります。それらは冷却管の流量を低下させ、果ては冷却効率を低下させます。冷却効率が低下すると…そうです、成形ショットサイクルが延びたり、成形不良の増加など様々なデメリットが発生します。
当社の『金型冷却管専用洗浄機ウォーターリーマ―』は、それらの錆やスケールを溶解除去し、金型の冷却効率を回復させます。除錆だけでなく、一次防錆被膜を形成することも大きな特長です。粉じんが発生しないことや、金型の分解が不要なこと、複雑な形状の冷却管にも対応できることもその使いやすさを高めていると思います。
多くの企業で、冷却管のメンテナンスはおろそかになっているのではないでしょうか?冷却効率の悪化や成形不良の増加は、もしかしたら冷却管内の錆やスケールが原因かもしれません。『ウォーターリーマー』での洗浄前、洗浄後の写真(上図)を見ていただければ一目瞭然かと思いますが、常に洗浄後の状態で運用することが、最終的な「効率」に有効なはずです。
『金型冷却管専用洗浄機ウォーターリーマ―』についても、わかりやすいマンガを用意しておりますので、ぜひお読みいただければと思います。
洗浄のための装置・洗浄液・分析。
この3つが揃ってはじめて、『他所にないもの』を生み出せる。
ご紹介した『クリピカエース』自体は“洗浄装置”ですが、そこで使用する“洗浄液”は当社で独自に研究開発したもので、クリピカエース専用で使用します。そうしてはじめて、他の洗浄とは一線を画す洗浄効果を実現できるのです。そしてその洗浄品質は、“高精度な分析”によって担保されています。
例えば、前述の3000倍のSEMについても、当社は自社で導入しています。金型表面の洗浄品質を検査するのにここまでやる企業はないのではないでしょうか?最新の検査装置やクリーンルームなども完備し、
徹底的な検査、洗浄品質を追及しています。
装置と洗浄液をそれぞれ自社で研究開発し、その最適な組み合わせを日々探り、高い精度で徹底的に分析する。この繰り返しで、当社の洗浄品質は担保されています。決して「洗浄機だけ」「洗浄液だけ」では実現できない領域だと自負しています。はっきり言って『他所にはありません』。
あくまで当社の概算ですが、工業会の「プラスチック成形・金型」カテゴリには約2万社が掲載されています。これまでに3500台が各社に導入されたとして、シェアは17%ほどです。初年度3台しか売れなかった『クリピカエース』は、今や「知ってさえいただければ」売れる商品になりました。
当社が作り上げた『他所にない、便利なもの、クリピカエース』。これを工業会に掲載の2万社すべてに導入いただき、シェアを100%にする。そして多くの企業の金型掃除を楽にしたい。
遠大ではありますが、当社は本気でそう考えています。
【インターモールド2017に出展します】
会場:東京ビッグサイト 東5・6ホール
日時:2017年4月12日(水)~15日(土) 10:00~17:00 ※最終日は16:00まで
小間番号:413
ご来場をお待ちしております!