ワイヤレスで流体を監視。既存設備に取付OK。省エネ・予知保全に

掲載開始日:2017-08-07 00:00:00.0

ワイヤレスで流体を監視。既存設備に取付OK。省エネ・予知保全に 株式会社ヨシタケ

 スチームトラップや減圧弁、ストレーナなど、工場内には様々な流体制御設備が存在します。工場を安定稼働させるためには、それらの設備のトラブルを未然に防ぐことが肝要です。そこで重要になるのが定期点検ですが、どうしても人手が必要で工数がかかり、また見落としも出てきます。中には、その手間から「定期点検を行っていない」という工場もあるのではないでしょうか?そんな課題を解決するのが、産業用自動バルブを手がけるヨシタケ(愛知県・名古屋市)が開発したワイヤレス流体監視システム『Wi-Flo』です。今回、その開発の背景や反響について話を聞きました。

今回紹介する技術と製品

ワイヤレス流体監視システム Wi-Flo

「ワイヤレス流体監視システム Wi-Flo」は、いつでもパソコンで流体・機器の稼働状態をモニタリングできるIoTに対応したシステム。スチームトラップ作動・圧力・差圧・振動・温度・流量などを常に計測することで、従来現場を巡回して確認していた工数を低減し、さらに機器・設備の一元管理・履歴管理・予知保全が可能になります。

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70年にわたって産業用の自動バルブを製造・販売。
お客様の「省エネ」への課題を解決していく中で生まれた、Wi-Flo。

取締役 エンジニアリング事業本部長 吉野 幸司 氏

 当社は70年にわたって産業用自動バルブの製造、販売を手掛ける総合メーカーです。当社が製作するバルブの多くは、スプリングの力を利用して機械的に作動する、いわゆる「自力式の調整弁」です。電気などのエネルギーを使わないことから、まさに省エネと環境に配慮した製品と言えるかと思います。ふだん、あまり目にすることのない機器ではありますが、工場やプラント、ビル、公共施設、機械装置など、様々な場面で使われています。

 当社ではバルブを製作・販売する一方で、そのバルブを使用されるお客様の課題を解決するソリューションも提供してきました。

 例えば、スチームトラップの診断です。蒸気システム内のドレンを排出する機構ですが、その不具合を放置すれば、蒸気がムダになりシステム全体の効率が落ちてしまいます。いわゆる省エネ対策です。とはいえ、スチームトラップを点検して回るには手間がかかります。もっと言えば、普段から点検自体を行わず、大きなトラブルになって初めて不具合に気づく、ということもあります。

 お客様の蒸気システムを安定して、効率的に稼働させるには?またその保守の手間をいかに抑えるか?さらには、トラップ診断をはじめとした総合的な監視がリアルタイムでできないか?

 そういった着想から開発・リリースしたのが『ワイヤレス流体監視システム Wi-Flo』です。

スチームトラップの作動・圧力・差圧・振動・温度・流量などを
ワイヤレスで監視。
点検工数を削減し、履歴管理・予知保全も可能に。

ワイヤレス流体監視システム Wi-Flo(Wireless flow monitoring system)

 Wi-Floは、スチームトラップや減圧弁、ストレーナをはじめとした工場内の流体制御機器に子機を取付け、中継器(ルーター)を介して無線ネットワークで使用します。もちろん、複雑な配線は不要です。

 そして、すべての機器の圧力や差圧、振動、温度、流量などのデータを常時監視・集計し、データベースに蓄積していきます。これにより、システム全体の機器・設備の情報を一元管理することができるようになります。

 そこからデータの履歴を分析すれば、正常時と異なる、異常な挙動に気づくことができます。いわゆる予知保全です。もちろん、従来行っていた人が巡回しての点検作業は不要なので、保守・メンテナンス工数も大幅に低減することができます。

 Wi-Floは「お客様の明確なニーズありき」で2014年に開発をスタートし、2016年に無事リリースできました。おかげさまで、多くの反響をいただいてます。

既存の設備、計測システムはそのままで導入できる。
トラップ故障による損失金額までも「見える」。

蒸気漏れによる損失金額をシミュレーションできる

 Wi-Floの活用例としては、大規模な繊維系化学工場でのトラップ監視が挙げられます。従来は作業員が巡回し監視していましたが、敷地は一辺が400m以上あり、検査個所も100カ所以上。その工数が課題でした。もちろん、それだけの規模ですので、トラップ1つの異常が大きな損失につながってしまいます。これをWi-Floの導入で効率化しました。子機は約130台、中継器は約20台を設置しました。

 さらには、「ポンプの保守」でもご活用いただいています。Wi-Floは「振動」も計測することができますので、ポンプの異常の予兆を振動から読み取る、という狙いです。これにより予知保全が可能になります。振動を測定する仕組みはWi-Flo以外にもありますが、現場によっては高スペックすぎる場合があります。その点Wi-Floはとてもシンプルで、機能としても必要十分です。流体システムの監視において、「ちょうどよい」仕様になっているかと思います。

 そして導入にあたって喜ばれるのが、既存の設備や計測システムをそのまま使えるということです。子機や中継器を設置し、各種初期設定は必要ですが、それ以外の新たな設備やシステムの変更は不要です。当社以外の装置を使用されていても問題ありません。さらに、測定結果はCSVで出力することもできますので、既存の計測・分析スキームに投入することで、導入前後で連続した分析が可能になります。

 Wi-Floの特徴的な機能として、「金額が見える」という点があります。例えば、トラップの故障による蒸気の損失量がわかれば、それを金額に換算することができます。これをグラフにすると、故障をそのままにしておいた場合に損失金額が膨らんでいくのがはっきりわかります。一度見ていただくと、『蒸気ってこんなに高いの!?』と、驚かれるケースが多いです。実際に損失金額の増加を「見る」ことで、現場のコスト意識ははっきりと向上します。これは思いがけないポジティブな効果をもたらすことになりました。

おかげさまでサンプル待ちの盛況。
サンプルを増産し、デモカーをはじめとしたプロモーションも本格化。

ヨシタケのデモカー。バルブをはじめとした各種製品が揃う

 Wi-Floはリリース当初、開発時に想定したニーズがありそうなお客様の工場に向けて、言わば限られた範囲での営業活動をしていました。そしてそこでご好評をいただけたことから、ホームページや展示会でのプロモーションもスタートしました。

 おかげさまで、蒸気システムの省エネや工数削減などの課題を抱えていらっしゃるお客様からの問い合わせが順調に増えてきています。しかし現在(2017年7月)、ご検討いただけるお客様にお貸しするサンプルが不足し、順番をお待ちいただくという状況になっています。誠に申し訳ありません。サンプルを増産して対応しておりますので、今しばらくお待ちいただければと思います。

 Wi-Floに限らず、当社ではバルブや流体制御についてのソリューションを提供しています。当社の様々な製品を搭載したデモカーでご提案に伺うこともできますので、ぜひお気軽にお問合せください。

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取扱会社

株式会社ヨシタケ 営業部

株式会社ヨシタケは確かな製品とシステムの構築、そして的確な情報サービスで、省エネルギー・高効率生産性・環境問題・安全に貢献する、流体制御の基本となる自動弁の総合メーカーです。

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