高硬度・高耐擦傷性・防汚性。スマホ画面でも採用のハードコート剤

掲載開始日:2018-05-28 00:00:00.0


高硬度・高耐擦傷性・防汚性。スマホ画面でも採用のハードコート剤 株式会社ニデック

スマートフォンやタブレットの表面素材として使われる樹脂材料には「キズ」という課題が付きまといます。その対策として硬度の高い“ガラス”の使用が選択肢に入りますが、重量やデザイン・加工性を鑑みると、デメリットも目立ちます。求められるのは『樹脂のように軽量で加工しやすく、かつキズが付きにくいもの』。これを解決したのが株式会社ニデック(愛知県蒲郡市)のハードコート剤『Acier(アシェル)』。今回、その開発の背景や製品の特長について話を聞きました。

今回紹介する技術と製品

高硬度・高耐擦傷性・防汚性。
スマホ画面でも採用のハードコート剤『Acier(アシェル)』

ハードコート剤「Acier」は、有機・無機のハイブリッド化により、高い硬度と高い耐擦傷性、防汚性を有するUV硬化型ハードコート剤です。スピン、ディップ、スプレー、バーコーター等、各種ハードコーティング方式で使用できます。

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

光学機器メーカーが集まる愛知・豊川周辺地域。
眼科向け装置、反射防止コーティングから事業がスタート。

コート事業部 研究開発部 部長 磯貝 尚秀 氏

コート事業部 研究開発部 部長 磯貝 尚秀 氏

当社は1971年に、創業者 故小澤秀雄が薬品・医療用機器メーカーの光学部門からスピンアウトする形で誕生しました。設立当時から愛知県蒲郡市を拠点にしていますが、この地域は昔から光学メーカーが集まる地域であり、現在でも全国トップクラスの眼鏡レンズ出荷額となっています。

当社は、眼科医療機器・眼鏡店用の各種装置の開発・製造が主力事業で、特に眼鏡店向けの加工機や検眼器ではトップクラスのシェアを誇ります。

一方で「コーティング」についても会社設立当初から手掛けており、ガラスレンズの反射防止膜に始まり、樹脂シートや樹脂フィルムのコーティングなど、その時代時代のニーズに応える形で対応の幅を広げてきました。

高硬度・高耐擦傷性・防汚性。
プラスチック基材用のハードコート剤『Acier(アシェル)』

高硬度・高耐擦傷性・防汚性のハードコート剤 Acier(アシェル)

高硬度・高耐擦傷性・防汚性のハードコート剤 Acier(アシェル)

今回お話しするハードコート剤『Acier(アシェル)』は、当社が2010年に商品化したものです。開発のきっかけは、眼鏡レンズのコーティング品質向上に関する取り組みでした。

眼鏡のレンズはキズを防ぐため、両面にハードコートを行うのですが、その上に透過性を高める反射防止膜(誘電体のセラミック膜)を成膜していました。しかし、アメリカの品質試験で実施されるドロップ試験(硬球落下試験)では、そのセラミック膜が衝撃に耐えきれずに割れてしまう…という問題がありました。試験を通過するため、さらにもう一層の耐衝撃性がある膜をコーティングしていたのですが、これは当然『コーティングを2回行う』ことになります。

硬くて、耐衝撃性がある膜を「なんとか1回でできないか?」という課題感から、試行錯誤の日々が始まりました。

突破口がなかなか見つからないまま時間が過ぎていく中で、大きな転機となったのが2005年、『樹脂を硬くする』という技術を開発されていた名古屋工業大学の山田教授との出会いでした。この技術を「コーティングに応用できるのでは…?」という所で、共同研究がスタートしました。

コーティングへの応用については、当社の長年のノウハウを存分に活かす形で開発が進みました。一方で山田教授は大手化学メーカーに在籍されていたこともあり、製品化までのプロジェクト進行がスムーズで、振り返ってみれば5年という短期間で製品化まで辿り着くことができました。

こうして誕生した『Acier(アシェル)』は、「高硬度で耐擦傷性を兼ね備えたハードコート剤」として発表したのですが、程なく採用いただいたお客様から、採用理由として『Acierは高硬度、高耐擦傷性、防汚性の3つを兼ね備えていて、そういったものは他にない』という評価をいただきました。これが現在まで続くAcierの訴求価値になっています。

ちなみに、Acier(アシェル)のネーミングは、フランス語の『鋼』から来ています。

スマートフォンやスマートグラスのディスプレイ保護に採用。
割れによるクレームは“ほとんどない”。

SHARPスマートフォン AQUOS CRYSTAL のディスプレイ保護に採用

SHARPスマートフォン AQUOS CRYSTAL のディスプレイ保護に採用
(出展:SHARP スマートフォンAQUOS公式サイト)

Acier(アシェル)の採用事例として印象的だったのは、SHARP様のスマートフォン「AQUOS CRYSTAL」のディスプレイパネルです。この製品は“フレームレス(ベゼルレス)”を実現するために複雑なパネル形状が必要でした。そこで、ガラスではなく成形樹脂のパネルを採用することになりました。

その樹脂パネルの硬度を出すために使われたのが、Acierです。2014年にリリースされたこのスマートフォンは、日本国内だけでなく、アメリカの通信会社スプリント社向けもあるワールドワイドモデルで、ソフトバンクの孫社長の肝入りで開発されたものだとお聞きしています。

当社はその開発過程で声をかけていただきました。Acierのコーティングテストを行ったところ、その性能を評価いただき、すぐに採用が決まりました。まさに垂直立ち上げといった感じのスピード感で、製品のリリースまでとんとん拍子で事が進みました。

スマートフォンはどうしてもパネルの破損や割れなどのトラブルが発生するリスクを抱えていますが、本機種で採用された成型樹脂全面パネル品においては、割れ発生によるクレームはほとんどないと聞いています。『高硬度・高耐擦傷性・防汚性』というAcierの特長が存分に発揮された活用例かと思います。

Acierのコーティングは鉛筆硬度で「8H」。
樹脂の「高硬度・高耐擦傷性・防汚性」で活用範囲が広がる。
テストコーティング、試作のご相談もお気軽に

セイコーエプソンのスマートグラス MOVERIOでも採用

セイコーエプソンのスマートグラス MOVERIOでも採用
(出展:セイコーエプソン MOVERIO 公式サイト)

セイコーエプソン様のスマートグラス MOVERIO では、複雑な形状のレンズを樹脂で成形することから表面の傷付き防止が必要となり、Acierが採用されました。

Acierの硬度は鉛筆硬度で言えば「8H」です。自動車関連の各種部品をはじめ、樹脂部品で「割れにくい、傷つきにくい、汚れにくい」を追求する様々な場面で、Acierは活躍しています。

実は、Acierは当社のコート事業部として初めての「名前の付いた自社オリジナル製品」です。2010年に『Acier(アシェル)』を発売して以降、2012年にはハードコート付き樹脂シート『Geolass(ジオラス)』、2014年にはAcier塗工フィルム『Geofilm(ジオフィルム)』をリリースしました。長年にわたってコーティングの受託・OEMを手がけてきたコート事業部にとっては、ある意味エポックメイキングな製品とも言えます。

今回お話ししたAcierに限らず、当社では様々な企業が抱える技術的課題を「コーティング」というアプローチから解決するお手伝いができるかと思います。テストコーティングや試作にも対応しておりますので、ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

取扱会社

株式会社ニデック コート事業部

【事業内容】 (1)医療分野 眼科医向け手術装置/検査診断装置/眼内レンズ/医薬品/皮膚科向けレーザー手術装置の設計、開発、製造、販売、修理、賃貸及び輸出入 (2)眼鏡機器分野 眼鏡店向け自動検眼システム/測定機/加工機のの設計、開発、製造、販売、修理、賃貸及び輸出入 (3)コーティング分野 眼鏡レンズ/光学部品/フィルターのコーティング加工、販売及び輸出入 (4)研究分野 人工視覚システムの開発

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