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国土交通省・自動車基準協定対策官に聞く! 自動運転の「これまで」と「これから」第1回 – なぜ自動運転が関心を集めるようになったのか?

話し手:国土交通省 自動車局技術政策課 自動車基準協定対策官 久保田 秀暢氏

いま、自動車業界最大の関心事項といえば「自動運転」でしょう。みなさんは、自動運転についてどのようなイメージをお持ちですか?日本の行政は、自動運転についてどのように取り組もうとしているのでしょうか?

今回は、日本政府の自動運転に対する考え方について、国土交通省・自動車局技術政策課 自動車基準協定対策官の久保田秀暢氏のお話をもとに解説します。今回は、なぜ自動運転が関心を集めるようになったのかということを中心に解説します。

自動運転が話題になる背景

そもそもなぜ、自動運転への関心が高まっているのでしょうか?

若者の死因うち、上位にあるのが不慮の事故です(図1-1)。その不慮の事故のうちの特に2/3は交通事故が原因です。少子高齢社会の日本において、これは無視できない事態だといえます。若年人材の社会的損失という点では、交通事故はものすごく大きい領域になっています。

WHO(世界保健機構)の中でも、病気や公衆衛生のように、重大であるのにもかかわらず、なおざりにされてきた重要生存問題として扱われています。真剣に取り組まないといけない問題として、WHOも認めているということですね。

図01-01 なぜ安全な車が必要なのか
図1-1 なぜ安全な車が必要なのか

国交省の交通事故への見方

では、交通事故を減らすために何をすればいいのか?

久保田氏によると「総合的な交通安全規制を行っている国ほど、交通事故は少ない。2009年の報告書によると、世界では交通事故で亡くなる人々の数は130万人、今はもう150万人になっている」とのことです。

毎年交通事故のためにこれだけたくさんの方々が亡くなっているとは、驚きですね。このことからも、交通事故の解決は非常に重大な話だということは分かります。また国土交通省の場合は、ちゃんと安全なクルマを作りましょうと言うことを柱にして交通安全対策をしているそうです。

国交省はクルマの安全をどのように作っているのか?

ところで、国交省はクルマの安全対策について、実際にはどのようなことを行っているのでしょうか?

久保田氏によると、クルマの安全には二つの側面があるそうです。一つには「事故を起こさないクルマ」、もう一つは「事故が起きても死なない、あるいは怪我をしない・あまり大きな障害にならないクルマ」です。(図1-2、図1-3)。

事故を起こさない車」と言うのは具体的には、良く効くブレーキであったり、雪道で滑らないようにコントロールするクルマであったり。クルマの中に人形を乗せてぶつけてみて、中の人形がどのくらいダメージを受けているのかを測定し、あまりダメージを受けないような基準を作って、そういうクルマを売れるようにするにするのが国交省の役割です。

自動運転もこの文脈上に存在します。事故が起きないようにする効果もあるでしょうし、仮にぶつかったとしても速度は低いので、怪我をしたり死んでしまったりすることはまずないでしょう。

事故が起きても死なない、あるいは怪我をしない・あまり大きな障害にならないクルマ」というのは、最近だとボンネットやバンパーを柔らかくして、人がぶつかっても怪我したり死んだりしたりしないようにする。歩行者との接触を感知するとボンネットからエアバッグが展開して、歩行者を保護します。

このように、国交省が安全規制を自動車メーカー各社に課すことで、メーカー各社も懸命に研究開発に取り組んできました。

図01-023 安全な車とは何か
図1-2 安全な車とは何か
図01-03 安全な車とは何か
図1-3 安全な車とは何か

ぶつかるのを未然に防ぐ技術と、ぶつかってからの被害を軽減する技術が時代とともに交互に発展してきました。この先はぶつかっても大丈夫なようなクルマというのが出てくるのかもしれません。

このように、自動運転に注目が集まるようになった背景と、国交省の現状の交通安全対策についてみていきました。お分かりいただけましたでしょうか?

次回は、国交省が自動運転に対してどのように考えているのかということを中心にみていきたいと思います。

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