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過疎地域に貢献する「自動運転技術」とは?金沢大学&インクリメントP・実証実験プロジェクト・インタビュー【第1回】

5月に開催された京都スマートシティエキスポ2015で、自動運転のデモ走行が金沢大学・同志社大学・名古屋大学とインクリメントP株式会社の共同で行われました。

日本では人口減少と高齢化が進行する中、安全・安心に移動できるモビリティ環境の構築が求められています。金沢大学は今年2月、「地域高齢者の移動支援」を目的とした、市街地における自律型自動運転自動車の実証実験を国内で初めて行いました。

また、インクリメントPは8月10日、同大学と共同で自動運転支援地図フォーマットの検討を行い、自動運転システムで利用可能な自律型自動運転支援地図を開発、提供すると発表しました。目的地までのルート探索、車線変更等において、自動運転システムと高度な地図情報との協調制御を行います。

今回は、その中から金沢大学の菅沼直樹准教授とインクリメントPの大石淳也氏に、自動運転の技術と今後についてお話を伺いました。

京都スマートシティエキスポ2015での公道実験の車両
京都スマートシティエキスポ2015での公道実験の車両
金沢大学・菅沼直樹准教授(左)とインクリメントP大石淳也氏(右)
金沢大学・菅沼直樹准教授(左)とインクリメントP・大石淳也氏(右)

――石川県の珠洲市で自動運転の実証実験をされていますがその目的は何ですか?

菅沼直樹氏(以下、菅沼氏):目的は2つあります。1つは自動運転のクルマの知能を賢くすることです。公道で実証実験をすると、いろいろな場面や想定外の道路環境があります。例えば、珠洲市はクルマの交通量もそれなりにありますが、道幅は狭いです(参考資料1-1)。このように、地方は都市部とは異なる問題を抱えています。したがって、この実証実験は自動運転のクルマの知能を高める意義があります。

石川県珠洲市における公道実証実験(金沢大学提供)
参考資料1-1:石川県珠洲市における公道実証実験(金沢大学提供)

もう1つは、誰がモビリティの革命を必要としているのかということです。高齢過疎地域にふさわしいものを作る必要があります。実際に、われわれは技術開発だけでなく、自動運転ユニットという分野横断のチームを組み、自動運転のクルマを社会実装する上での具体的な方法も考えています。そのため、実際に社会実装をする場所として石川県の珠洲市を選びました。珠洲市は本州で人口が最も少ない市とされており、モデル地区としてベストな場所だと考えています。

 ――実証実験や自動運転の今後の課題は何だと思いますか?

菅沼氏:簡単なところで言えば、モノは避けたら良いと思っていたら、避けてはいけないシチュエーションがあったり、避け方を変える必要があったりします。それを人間がどう処理して、何を基準にして避けているのか、公道を走って初めてわかりました(参考資料1-2)。

金沢大学の自動運転システム(金沢大学提供)
参考資料1-2:金沢大学の自動運転システム(金沢大学提供)

今の技術レベルでは無人化というのは難しく、前提条件をつけなければまともに動く自動運転のクルマは世界に存在しません。時々刻々として状況は変わるので、ドライバーが監視をしていないとクルマを動かせない状況です。

 ――京都での自動運転のデモ走行について教えてください。

菅沼氏:2つの目的があります。1つは自動運転の技術を見てもらうことです。交通問題や地域の問題があり自動運転をなじませたいという思いや、自動運転がどの段階まで進んでいるのかを示す意図があります。

もう1つは、センシングして取得したモノなどの座標を地図上におき、障害物なのかをクラウドサーバーにあげ、それを見ると誰が見ても地図の上に何かがある状態が見えるというのを表現するダイナミックマップをデモしていました。
 
今は自動運転のクルマから情報を提供するためのツールをデモしているというイメージです。われわれのシステムは単独で動いていて、地図の作成や自動運転のシステムも完結していて、外部との通信はしていません。逆に測った位置情報をダイナミックマップに情報として提供しています。デモでは地図上のどこにいるかもきちんと表示され、座標位置と地図上の位置が合った状態でのダイナミックマップはできたと思います。

 ――将来的にダイナミックマップをどのように活用していくのですか?

菅沼氏:今は自動運転のクルマから情報提供しています。将来的には情報を受けて、何かできるとよりよいと考えています。センサーがたくさんのクルマに搭載され、ダイナミックマップを作っていき、例えば、センサーで見えないような1キロ先の道路や陰になっているところに何があるのかを見えるようになればよいと思います。

さらに通信を積んだ車の台数に応じて、地図の精度が良くなっていくので、ローカルダイナミックマップなどの標準化が重要です。自動運転のクルマで交通事故を完全になくす切り札が通信です。そのために、ローカルダイナミックマップが重要だと思います。

大石淳也氏:将来的にはGPSだけでなく、カメラや外界センサーの情報をクラウド上で共有し、即応的に更新できる地図を作ることが目標です。実際に京都では約1秒ごとに情報が更新されました。


次回は、インクリメントPの自動運転に関する取り組みや同社の強みを中心にお話を伺います。
お楽しみに!

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