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自動運転が地図を変える!?金沢大学&インクリメントP・実証実験プロジェクト・インタビュー【第2回】

前回は、金沢大学の菅沼直樹准教授のお話を中心に伺いました。今回は、インクリメントPの新規事業について、大石淳也さんに伺いたいと思います。インクリメントPの自動運転に関する取り組みを教えてください。

大石淳也氏(以下大石氏):われわれは、デジタル地図を作っているのですが、近年スマートフォンなどの普及により、無料で地図を見られる環境ができているため、地図に対してお金を払う感覚がなくなってきているように感じています。そういった流れに対して地図自体の付加価値を高める方法を考えました。その中でクルマの制御に地図を使うという領域があり、その可能性を検討した際に、「自動運転」に地図を活用する観点で取り組みを始めた状況です。

カーナビゲーション用地図と自動運転で使われる地図との違いは、求められる精度と属性、および地図の活用方法だと思います。カーナビゲーションの地図は、運転者に伝えることができればよい地図でした。自動運転になると、自分はどこの車線を走行しているのかといったことを、クルマに搭載される機械に正確に認識させる必要があり、地図にもより高精度でより細かい情報が求められると考えています。それらの情報をどうやって整備していけばよいかについて頭をひねりながら、ナビゲーションの地図の高度化という面で、どこまで自動運転に貢献できるのかに取り組んでいます。

京都スマートシティエキスポ2015での公道実験の様子
京都スマートシティエキスポ2015での公道実験の様子

――御社の強みは何ですか?

大石氏:カーナビゲーションの地図をずっと作ってきたので、道路の規制や、道路がどう交差しているかなど、実際に走行して分かることを全国道路走行調査(参考資料2-1)で網羅的に収集して地図データに埋め込んでいるところです。それをデータに埋め込んで使ってもらっているところも強みです。

参考資料2-1 全国走行調査成果(インクリメントP提供)
参考資料2-1:全国走行調査成果(インクリメントP提供)

自動運転のクルマが出てくると、そのクルマ自体が地図を作るための計測車になるという感覚です。将来的には、そのクルマから得られた情報をサーバーにアップロードして、サーバー上の地図を自動で更新をしていくという流れ(参考資料2-2になると考えていますが、現状としては、自動更新の仕組みをいかに早く作って標準化するかが重要だと思います。クルマから得られた情報が増えて、かつリアルタイムに処理できるようになっていけば、より地図の鮮度も高くなると思っています。

参考資料2-2 高精度地図に対するインクリメントPの視点(インクリメントP提供)
参考資料2-2:高精度地図に対するインクリメントPの視点(インクリメントP提供)

――地図会社の今後についてはどう思われますか?

大石氏:その時のニーズを踏まえて、現在にない新しい地図コンテンツや地図サービスを提供する会社になっていくと思っています。

菅沼直樹氏(以下、菅沼氏):大量のデータをマイニングして、地図に落とし込む作業をする会社が必要なことには変わりありません。10年たっても重要度は変わらないと思います。ただ、わざわざ地図メーカーがプローブ車両で情報を取り、それを解析するという話なのか、それをクラウドに集めてそのデータから解析して配るというカタチになるのかが変わるだけだと思います。

金沢大学・菅沼直樹准教授(左)とインクリメントP・大石淳也氏(右)
金沢大学・菅沼直樹准教授(左)とインクリメントP・大石淳也氏(右)

――日本の将来に自動運転はどのように役立つと思いますか?

菅沼氏:近年コンパクトシティということが言われていますが、そのためのモビリティづくりのツールとして自動運転の車が使えると思っています。

われわれが考えていることは、高齢者自身が働くことです。そうすれば公共交通機関の担い手が少ないという問題を若干解決できると思います。ただ、高齢者の方はどうしても視力が落ちたり、動体視力が落ちたり、視野がせまくなる問題があります。自動運転、もしくは高度な運転支援かもしれないですが、地方で公共交通機関が不足しているところでは、監視要員としてのプロのドライバーがいて、自動運転の車が走り回ることで、現状を打開するアイディアとして価値があると思います(参考資料2-3

参考資料2-3 今後の自動運転のスケジュールイメージ(金沢大学提供)
参考資料2-3:今後の自動運転のスケジュールイメージ(金沢大学提供)

大石氏:高齢化社会、地方都市活性化などの社会的課題を解決するための一つの手段として、自動運転技術は広く社会に役立つと思います。また自動運転技術に対して、われわれが取り組んでいる地図データが貢献できれば、うれしいと思っています。


2回にわたり、金沢大学&インクリメントP・自動運転実証実験プロジェクト・インタビューをお届けしました。最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

 

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