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構造用接着剤の種類と選び方:接着の基礎知識3

接着の基礎知識

更新日:2017年11月9日(初回投稿)
著者:株式会社原賀接着技術コンサルタント 原賀 康介

前回は、分子間力による接着の過程・表面改質・内部応力を解説しました。第3回では、構造用接着剤の種類と長所・短所、選び方について説明します。特に、接着剤の短所を知ることで、接着不良による事故を防ぐことができます。構造用接着剤は厳しい環境で用いられることが多く、事故による被害も大きくなります。構造用接着剤の特徴を学んで、接着不良を起こさないようにしましょう。

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1. 構造用接着剤とは

構造用接着剤とは、強度と耐久性が必要な箇所に用いられる接着剤のことです。JIS K 6800 接着剤・接着用語では、長期間大きな荷重に耐える信頼できる接着剤と定義されています。代表的な構造用接着剤として、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤があります。ブレーキシューなどの接着では耐熱性が要求されるため、フェノール系接着剤も使われます。

エポキシ系接着剤は、長年にわたって多くの用途に用いられています。しかし、近年では要求条件が複雑化・高度化し、アクリル系接着剤やウレタン系接着剤の使用が増えています。今回は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系接着剤について、詳しく見ていきましょう。

2. エポキシ系接着剤

エポキシ系接着剤とは、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤のことです。エポキシ系接着剤の形状、硬化機構、特徴、使用上の注意点をまとめました。

1:エポキシ系接着剤の形状

エポキシ系接着剤は一般的には液状で、固形状もあります。液状は2液型と1液型に分けられます。2液型は、主剤(エポキシ樹脂)と硬化剤(アミンなど)が別々になっており、所定配合比で計量・混合して使用します。1液型は主剤と硬化剤があらかじめ混合されており、加熱硬化タイプとプレミックスフローズンタイプ(2液型接着剤を計量・混合・脱泡してシリンジに詰め、低温にして反応を止めているタイプ)があります。固形のエポキシ系接着剤も、主剤と硬化剤があらかじめ混合されており、フィルム状やペレット状、粉末状があります。

2:エポキシ系接着剤の硬化機構

2液型エポキシ系接着剤では、2液型主剤と硬化剤を十分に混合し、決められた温度以上にすると付加重合(二重結合や三重結合を持つ不飽和化合物が付加して、重合体になる反応)が起こって硬化します。2液型は種類によって室温、中温、高温などで硬化反応を起こし、1液型や固形は一定温度以上に加熱することで、硬化剤が活性となって硬化します。

3:エポキシ系接着剤の特長

エポキシ樹脂自体は、機械的特性や電気的特性、耐薬品性などに優れていますが、一般に固くてもろいため、ナイロン、ニトリルゴム、フェノールなどで変成することで構造強度・低温特性・耐熱性・粘り強さなどが付与されています。加熱硬化型の中には油面接着性を有するものがあり、油が付着した面でも脱脂なしで接着できます。エポキシ樹脂中には、多量の銀や銅などの金属粉末を添加して導電性を付与したものもあります。また、1液型は一般に100℃以上の加熱が必要ですが、80℃程度で硬化するものもあります。1液型接着剤の硬化剤は一般的には粉末状ですが、液状の硬化剤もあります。

4:エポキシ系接着剤の注意点

エポキシ系接着剤を使用する際の注意点をまとめました。2液型と1液型で注意すべき点は異なります。

2液型エポキシ系接着剤の注意点

  • 2液の配合比の許容範囲が狭い
  • 混合開始から貼り合わせまで、ポットライフ内で行う必要がある(ポットライフ:硬化せずに接着剤としての機能が発揮できる時間)
  • 10℃以下の低温では、硬化しにくい
  • 硬化後の硬度が高いものははく離、衝撃に弱いため、カタログでせん断強度とはく離強度の両方を見る必要がある
  • 基本的に油面接着性はないため、接着面の十分な脱脂・清浄が必要である

1液型エポキシ系接着剤の注意点

  • 低温または冷蔵保管が必要である
  • プレミックスフローズンタイプは保管温度が低く、保管可能期間も短い
  • 接着剤のグレードによって、加熱温度に必要な最低温度がある
  • 接着剤中に水分や空気などの気体が混ざっていると、加熱硬化時に発泡の原因となる
  • 硬化後の硬度が高いものは、一般にはく離、衝撃に弱いため、カタログでせん断強度とはく離強度の両方を見る必要がある
  • 油面接着性の有るものと無いものがある

粉末硬化剤を用いた1液型で浸透接着を行う場合、未硬化になる可能性がある点にも注意しましょう。硬化剤は一定温度以上になるまで溶融しないため、エポキシ樹脂が昇温中に粘度が低下して接着部に浸透しても、硬化剤が接着部に浸透しないために生じます。(図1)。

図1:1液加熱硬化型エポキシ系接着剤の未硬化(赤色部だけが硬化し、水色部は未硬化)

図1:1液加熱硬化型エポキシ系接着剤の未硬化(赤色部だけが硬化し、水色部は未硬化)

3. アクリル系接着剤

アクリル系接着剤(SGA:Second Generation Acrylic Adhesive)とは、アクリル樹脂を主成分とする接着剤のことです。2液型と主剤・プライマー型がほとんどで、1液型もあります。アクリル系接着剤の硬化機構と特徴、使用上の注意点をまとめました。

1:アクリル系接着剤の硬化機構

2液型は主剤と硬化剤の接触、主剤・プライマー型は主剤とプライマーの接触によってラジカル連鎖反応が生じ、室温でも短時間で硬化します。1液型は加熱によって硬化します。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. ウレタン系接着剤

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. エポキシ系、アクリル系、ウレタン系接着剤の選び方

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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