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静定トラスの応力計算:建築構造力学の基礎知識6

建築構造力学の基礎知識

更新日:2021年11月24日(初回投稿)
著者:近畿大学 工学部 建築学科 教授 大田 和彦

前回は、静定梁(はり)の応力計算例を紹介しました。今回は、静定トラスの解析方法を説明します。トラスは、主にピン節点で部材(要素)を組み立てた安定構造物です。静定トラスの解析方法にはさまざまな手法があり、本稿では、代表的なリッターの切断法と、節点法を取り上げます。リッターの切断法は、モーメントの釣り合い式を立てて解く手法です。節点法には、数式解法と図式解法があり、本稿では図式解法を説明します。図式解法は、示力図が閉じるように解いていく手法です。

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1. リッターの切断法

切断法は、静定トラスの任意の部材を直接解くときに有効な方法です。切断法では、静定梁と同様に、要素を切断して2つの構造体に分解します。切断法には、カルマン法とリッター法があります。カルマン法は3つの釣り合い条件式を用いて未知軸方向力を求めます。一方、リッター法は、同一直線上にない3つの節点に関するモーメントの釣り合い式から未知軸方向力を求めます。ここではよく用いられているリッター法を解説します。

リッター法による解法手順は、以下のとおりです。

  • 1:反力を求める
  • 2:要素を切断して2つの構造体に分解する
  • 3:分解した構造体の切断点に未知軸方向力を書き込む
  • 4:モーメントの釣り合いから未知軸方向力を求める
  • 5:応力値を記述する

図1の例題を通して、詳しく説明しましょう。

1:反力を求める

最初に反力を求めます。反力を求めると、図1に示すとおりになります。

図1:静定トラスの例題

図1:静定トラスの例題

2:要素を切断して2つの構造体に分解する

次に、求めたい部材を含む要素を切断します。ただし、切断できる要素数は3以下です。この例題の場合、切断線Iの3つの軸方向力を求めます。

3:分解した構造体の切断点に未知軸方向力を書き込む

図2に示すように、分解した構造体の切断点に未知軸方向力を書き込みます。未知軸方向力は節点から離れる向きに書きます。

図2:構造体の分解と未知軸方向力の仮定

図2:構造体の分解と未知軸方向力の仮定

4:モーメントの釣り合いから未知軸方向力を求める

未知軸方向力を求めます。例えば、N1を求めたいときは、N1以外の2つの軸方向力の作用線の交点Aに関して、モーメントの釣り合い式を立てます(図3)。この点を取ると、残りの2つの軸方向力を考慮する必要はないので、直接N1を求めることができます。

図3:未知軸方向力N1の解法

図3:未知軸方向力N1の解法

N2も同様です。残りの2つの軸方向力の作用線の交点Bに関するモーメントの釣り合い式から求めることができます(図4)。

図4:未知軸方向力N2
の解法

図4:未知軸方向力N2の解法

最後にN3を求めたいとき、残りの2つの軸方向力の作用線は平行線なので、交点が求まりません。この場合は、A点やB点に近い点Cを決めて、その点に関するモーメントの釣り合い式を立てて解きます(図5)。このとき軸方向力は2つあり、そのうち1つは先に求めておきます。

図5:未知軸方向力N3
  の解法

図5:未知軸方向力N3の解法

5:応力値を記述する

最後に、表1に示すように、軸方向力を解答欄に記述します。このとき、引張材か圧縮材かを明記します。応力値が正値であれば引張材です。逆に負値であれば圧縮材です。

表1:軸方向力の解答を書く

表1:軸方向力の解答を書く

2. 示力図と連力図

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 節点法(図式解法)

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