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加熱源の種類:ろう付けの基礎知識5

ろう付けの基礎知識

更新日:2018年11月16日(初回投稿)
著者:東海大学 工学部 材料科学科 教授 宮沢 靖幸

前回は、母材の酸化皮膜の除去法であるフラックスと雰囲気を説明しました。今回は、ろう付け時の加熱源について解説します。トーチろう付けや工業炉、高周波、電気抵抗、レーザなど、加熱方法の違いやそれぞれの特徴、注意点を学びましょう。

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1. ろう付けの加熱源とは

良好なろう付けを行うためには、溶融ろう材が固相母材の表面に対し、十分にぬれる必要があります。このために重要なのは、溶融ろう材と母材金属を同一温度に加熱することです。従って、ろう付けでは加熱源の選択がポイントです。一般的に、ろう付けの加熱源として、炎(ガスバーナー)、工業炉、高周波、電気抵抗などが使用されています(表1)。それぞれに一長一短があるものの、ろう材と母材金属を均一に加熱するという目標は共通です。

表1:加熱源の種類と特徴
加熱源の種類 加熱の方法特徴

(ガスバーナー)
作業者がトーチを手持ちし、ろう付け部に炎を当てて加熱ろう付け部を目視で確認できる。作業者の熟練が求められる
工業炉電気抵抗で発熱する発熱体が熱源。連続式とバッチ型がある炉内の雰囲気を制御できる
高周波ろう付け部の形状に合わせたコイル中心部に、ろう付けするものを設置。高周波を流して発熱させる数秒程度でろう付けが完了。誘導加熱のため、表層部が強く発熱し、不均一加熱となる恐れがある
電気抵抗接合部へ電流を直接通電し、界面抵抗によるジュール発熱を熱源として利用高電気伝導率体である銅合金などには適用が難しい

2. 炎(ガスバーナー)

ガスバーナーの炎を熱源とするろう付けを、トーチろう付けといいます(図1)。トーチとは、小型の手持ちバーナーのことです。トーチろう付けでは、低圧式のガス溶接機を使用します。燃料ガスには、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、エチレンガス、都市ガスなどが用いられます。

図1:トーチろう付け

図1:トーチろう付け

トーチろう付けの特徴は、作業者がトーチを手に持ち、直接ろう付け部に炎を当てて加熱するため、目視で確認・調整しながらろう付けできる点です。一方、ほとんどの場合、フラックスを使用するので、ろう付け後に処理が必要となります。ガス状フラックスや還元性炎を用い、母材表面の酸化皮膜を除去する場合もあります。

欠点としては、温度管理も目視で行わなくてはならず、技術者に熟練が要求されます。特にアルミニウム材は、ろう付け時の高温下でも金属の色調が変化しないので、適温が分かりにくく、作業者にはさらに高度なスキルが求められます。

トーチろう付けは、自動化も可能です。経験や予備実験などによって、ろう付け条件の事前設定は必須ですが、大量生産に適している方法といえます。この場合、ワイヤ状ろう材を用います。ろう材を足すタイミングは、母材がろう付け温度到達後に外部から挿入する方法(差しろう)と、加熱前にあらかじめ母材ろう付け部に添付する方法があります。

3. 工業炉

ろう付けで使用される工業炉は、電気抵抗により発熱する発熱体を熱源としています。基本構造は比較的単純で、炉体(筐体)、断熱材、発熱体、制御回路、炉心管、搬送装置などからなります。一方、炉内雰囲気や製品形状によって、工業炉の内部構造や使用材料は変わります。また、多くの製品を同時にろう付けすることを前提とした工業炉は、エネルギー投入量が大きくなります。

工業炉を用いる場合、ろう付け部品をあらかじめ組み立て、固定する必要があります。なお、部品を固定する道具(冶具)は、ろう付け時に一緒に加熱されるので、できるだけ小型化しておきます。炉内の温度分布を均一にすることも重要です。

主なろう付け用工業炉は、連続式とバッチ型に分類されます。連続式には、ベルトコンベヤ式の製品搬送装置が組み込まれています。ろう付けするものをコンベヤ上に置き、炉内へ搬送し、あらかじめ十分な温度に熱した加熱領域を通る間にろう付けを行い、続く冷却エリアを通る間に冷却し、炉外へと搬送されます(参考:ろう付けの基礎知識 第4回)。この時、炉内を水素ガス雰囲気や不活性ガス雰囲気にして使用することが多いです。またフラックスを使用する場合は、炉内構造物が汚染される可能性を十分に考慮し、炉内の点検・メンテナンスを行わなくてはなりません。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 高周波

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5. 電気抵抗

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6. その他の加熱源

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