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ろう付けの継手設計:ろう付けの基礎知識6

ろう付けの基礎知識

更新日:2018年12月6日(初回投稿)
著者:東海大学 工学部 材料科学科 教授 宮沢 靖幸

前回は、ろう付けの接合に使用する加熱源の種類について説明しました。ろう付けは接合技術です。そのため、接合部形状(継手形状)が接合体全体の性質に強く影響を及ぼします。そこで、今回はろう付けの継手設計の基礎を解説します。

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1. 一般的な継手形状

ろう付けの継手を作るには、綿密な継手設計が必要です。図1にろう付け継手に適用される代表的な継手形状を示しました。これは試験片を真横から見た場合を図示しており、ろう付け時は、図中下方に重力が作用しています。ろう付けでは、接合する部品間に一定の隙間を設定し、溶融ろう材を浸透させる必要があります。また、加熱前に部品を固定する必要もあります。

図1:ろう付け継手に適用される代表的な継手形状断面図

図1:ろう付け継手に適用される代表的な継手形状断面図

溶接は、突合せ継手を使用する場合が多いです。一定の隙間を設定し、継手を固定することが難しいので、突合せ継手を用いたろう付けは、あまり多く用いられていません。シングルラップ継手は、ろう付けに多く用いられています。特徴は、部品(材料)の加工が比較的容易であり、ろう材を設置する場所が確保できるということです。スカーフ継手は、シングルラップ継手と比較して、ろう付け面積が広く設定できるという利点があります。

図2は、ろう付け後の典型的なシングルラップろう付け継手の断面図です。この継手の特徴は、重ね代Aを変えられる点です。重ね代を長くすると接合面積(A×W)が増加するため、接合強度は増加します。適切な重ね代を選択すれば、母材を破断せずにろう付けができます。

図2:シングルラップろう付け継手の模式図

図2:シングルラップろう付け継手の模式図

突合せ継手の場合、接合強度を増加させるためには、母材(部品)断面積の増加や材質変更など大きな変更が必要です。これに対し、ろう付けに用いられるシングルラップ継手の場合、重ね代を大きくすることで接合強度が増加します。一方、重ね代を増やした場合、ろう付け面積(図2、A×W)の増加に伴い、溶融ろう材が浸透する面積が増加します。不適切な条件でろう付けした場合、ろう付け接合部中にボイドなどの接合欠陥が発生する可能性が高くなります。

2. ろう付けの隙間

ろう付け継手を設計し、隙間を設定する場合、昇温時の熱膨張などが起こるため、適切な温度管理が重要です。特に異種金属材料のろう付けでは、両者の熱膨張係数差に十分注意しなければなりません。継手設計の指針として、アメリカ溶接学会(American Welding Society:AWS)が発行するBrazing Handbook第4版には、表1に示す通り、ろう材の種類ごとに推奨隙間が示されています。

表1:ろう付け温度における推奨隙間(引用:American Welding Society、Brazing Handbook第4版、1991年、P.26)
ろう材の種類雰囲気など推奨隙間(mm)
Al-Si系ろう材  真空炉中ろう付け0.000~0.051
重ね代6.35mm以下0.051~0.25
重ね代6.35mm以上0.20~0.25
Cu-P系ろう材0.025~0.38
Agろう材 フラックスろう付け0.025~0.127
雰囲気ろう付け0.000~0.051
Auろう材 フラックスろう付け0.051~0.127
雰囲気ろう付け0.000~0.051
Cuろう材雰囲気ろう付け0.000~0.051
Cu-Zn系ろう材フラックスろう付け0.051~0.127
Mgろう材フラックスろう付け0.102~0.254
Niろう材0.000~0.127

一方、隙間はろう付け体接合強度に強く影響を及ぼします。隙間の減少に伴い接合強度は増加し、ピーク強度を示した後、減少します(図3)。この変化は、溶融ろう材の浸透現象と、ろう付け界面に発生する拘束力によって起こります。

図3:ろう付け継手の隙間が接合体強度に及ぼす影響

図3:ろう付け継手の隙間が接合体強度に及ぼす影響

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. ろう付け体の強度評価方法

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. ろう付け体の固定

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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