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鉄系鋳造材料の種類:鋳造加工の基礎知識3

鋳造加工の基礎知識

更新日:2017年12月6日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 製造学科 教授 西 直美

前回は、主な鋳造(ちゅうぞう)法の特徴を紹介しました。今回から2回にわたり、鋳造材料について解説します。鋳造材料は、鉄系と非鉄系に分類されます。今回紹介するのは、鉄系鋳造材料です。

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1. 鉄系鋳造材料の分類

鉄系の鋳造材料は、炭素量によって、鋳鋼(ちゅうこう)と鋳鉄(ちゅうてつ)に分類されます(図1)。鋳鋼は炭素量が少なく(2.1%以下)、強度に優れています。鋳鋼はさらに、炭素鋼鋳鋼と合金鋼鋳鋼に分けられます。一方、炭素を多く含むのが鋳鉄です(2.1%以上)。炭素の他にケイ素を主成分とし、鋳造性に優れています。鋳鉄は、炭素の状態によって、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、白鋳鉄に分けられます。

図1:鉄系鋳造材料の分類

図1:鉄系鋳造材料の分類

2. 鋳鋼の種類と性質

鋳鋼は、読んで字のごとく、鋳造に用いられる鋼です。鋼は、炭素含有量が0.04~2.1%の鉄の合金で、鋼鉄とも呼ばれます。鋳鋼は、鋳鉄に比べて炭素量が少ないため、溶解温度が高く、凝固時の体積収縮(凝固収縮)が大きいなど、鋳造は難しいといわれます。しかし、鍛造などでは作りにくい複雑な形状や、湾曲形状、中空部を持つ製品を一体で成形できるため広く使用されています。鋳鉄では強度が不足する製品にも用いられます。

鋳鋼は、炭素鋼鋳鋼と合金鋼鋳鋼に大別されます。炭素鋼鋳鋼は、炭素 C以外の元素を有効元素(有用な性能を得るために必要な元素)として扱いません。一方、合金鋼鋳鋼は、炭素 C以外にクロム Cr、マンガン Mn、モリブデン Mo、ニッケル Ni、ケイ素 Siなどの元素を添加します。添加した元素の量により、低合金鋼と高合金鋼に分類されます。

・炭素鋼鋳鋼

炭素鋼鋳鋼は、焼なまし、焼ならし処理を施して使用され、電動機部品、発電所用機械部品、鉄道車両部品などに用いられます。含有する炭素量によって、低炭素鋼(炭素量0.20%以下)、中炭素鋼(炭素量0.20~0.50%)、高炭素鋼(炭素量0.50%以上)に分類されます。また、材料の引張強さによって、SC360、SC410、SC450、SC480の4つに分類されます(表1)。

表1:炭素鋼鋳鋼の機械的性質および化学組成
JIS記号 機械的性質 化学成分(%)
降伏点
MPa
引張強さ
MPa
伸び% 絞り% C Si Mn P S Cr Mo
SC360 175以上 360以上 23以上 35以上 0.20以下 0.04以下 0.04以下
SC410 205 〃 410 〃 21 〃 35 〃 0.30 〃
SC450 225 〃 450 〃 19 〃 30 〃 0.35 〃
SC480 245 〃 480 〃 17 〃 25 〃 0.40 〃

その他にも、中炭素鋼の高張力炭素鋼にはSCC3、SCC5があります。炭素量の増加とともに強度が増し、じん性が低下するため、使用目的に応じて適当な鋼種を選ぶ必要があります。溶接構造用として使用される鋳鋼品には、SCW410、SCW450、SCW480、SCW550、SCW620があります。

・合金鋼鋳鋼

合金鋼鋳鋼は、炭素 C以外に、マンガン Mn、クロム Cr、モリブデン Moなどの元素を添加した鋳鋼です。低マンガン鋼鋳鋼 SCMn、マンガンクロム鋼鋳鋼 SCMnCr、マンガンモリブデン鋼鋳鋼 SCMnMなど、さまざまな種類があり、耐食性、耐熱性、耐摩耗性に優れています。

鋼材の強度向上にはマンガン Mn、ケイ素 Si、クロム Crを添加し、耐熱性向上にはモリブデン Moを添加します。耐摩耗性が求められる歯車などには、マンガン Mnやクロム Crを添加した合金鋼鋳鋼が使用されます。建設機械などの構造材や、キャタピラやローラなどの耐摩耗部品にも用いられます。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 鋳鉄の種類と性質

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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