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鋳物の設計:鋳造加工の基礎知識8

鋳造加工の基礎知識

更新日:2018年2月23日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 製造学科 教授 西 直美

前回は、鋳物の内部に空洞が発生する鋳巣(いす)と呼ばれる現象を紹介しました。最終回の今回は、鋳物の設計を解説します。

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1. 鋳物設計の工程

鋳物設計の工程には、構想設計、基本設計、詳細設計、鋳造方案設計があります(図1)。設計は、鋳物の品質やコスト、納期などを決める上で、非常に重要な工程です。それぞれを詳しく見ていきましょう。

図1:鋳物設計の工程

図1:鋳物設計の工程

2. 鋳物の構想設計

構想設計は、ユーザーからの要求仕様に基づいて、鋳物の機能や設計仕様を明確にし、全体像を企画・設計する工程です。新しい鋳物製品を作る際に、始めに行います。

構想設計では、これから作る鋳物に要求される機能、性能、形状、質量、コスト、納期などを明確にし、用いる鋳物材料や鋳造法を決定します。鋳造材料には、鋳鉄、鋳鋼、銅合金、チタン合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金などがあります。また、鋳造法には、砂型鋳造、精密鋳造、重力金型鋳造、低圧鋳造、ダイカストなど、さまざまな工法があります。それぞれ、最小肉厚、寸法公差、表面粗さ、抜勾配、仕上げ代などに差があるため、要求仕様に適した工法を選択する必要があります。また、鋳造法と材料の組み合わせには相性があるので、選定時には注意しましょう。

3. 鋳物の基本設計

基本設計では、鋳物の具体的な構造や、主要形状・寸法、材質、鋳造法などを決めます。その際、構造設計やユーザーからの要求仕様に基づき、鋳物に要求される機能、性能、コストなどが満たされるように設計します。例えば、強度部品を作る場合、選定した鋳造法で問題ないか、構造や材質が要求された負荷応力に耐えられるかなどを検討します。

基本設計では、3次元CADソフトによる鋳物形状の確認や、CAE(コンピュータを用いた技術支援:Computer Aided Engineering)ソフトによる構造解析、3Dプリンタによる製品モデルの製作、デザインや寸法、使いやすさなどの確認を行います。

4. 鋳物の製品設計

製品設計では、製品部の詳細形状(寸法公差、肉厚、抜勾配、リブ、隅・角R(丸み)など)や、寸法基準、加工基準面、機械加工への対応などを決定します。製品設計は、鋳物を作る上で極めて重要な工程です。適切な設計でないと、製品の要求仕様を満足できないだけでなく、生産性も損なわれます。特に、欠陥が発生すると、製品形状や肉厚に大きく影響します。製品設計では、CAEによる強度解析や、湯流れ・凝固シミュレーションを行い、防止策を検討しておく必要があります。

鋳物の製品設計で特に重要な点が、肉厚です。鋳物の肉厚はできる限り均一にして、どの部位も一定の冷却速度になる構造にします。部分的に厚肉部があると、ひけ巣やひけが発生します(図2の左)。均肉化によってひけ巣やひけを防ぐことができます(図2の右)。

図2:鋳物の断面図、肉厚が不均一な例(左)と均肉化した例(右)

図2:鋳物の断面図、肉厚が不均一な例(左)と均肉化した例(右)

また、急激な肉厚変化部があると、先に薄肉部が熱収縮し、次に厚肉部が熱収縮するため、割れが発生します(図3の左)。肉厚に差がある部位には、Rや勾配を設けて肉厚の急激な変化を避けます(図3の右)。

図3:急激な肉厚変化部(左)とRを付けた例(右)

図3:急激な肉厚変化部(左)とRを付けた例(右)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 鋳造方案設計

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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