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X線を用いたキャラクタリゼーション法:触媒の基礎知識7

触媒の基礎知識

更新日:2020年8月21日(初回投稿)
著者:北海道大学 触媒科学研究所 触媒表面研究部門 教授 朝倉 清高

前回は、キャラクタリゼーションの概略を紹介しました。今回は、X線によるキャラクタリゼーションについて解説します。X線を用いることで、物質の構造や状態を、原子レベルで知ることができます。

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1. 波と粒子―量子論が教える二面性について

X線は、波長の短い電磁波です。その波長は、約0.01~100nmで、分子や原子の大きさが含まれます。一方で、X線は光子という素粒子であると考えることもできます。これが、量子論で習う光の二面性です。光は波であり、(素)粒子です。そのため、光について話をすると、波としての性質である波長(λnm)と、光子としての性質であるエネルギーE(eV)の間を行ったり来たりすることになります。以下の式は、波長とエネルギーの両方をつなぐ、とても重要な関係式です。

hとνは、それぞれプランク定数(6.626×10-34J・s=4.136eV・s)と周波数です。eVはエネルギーの単位で、1Vの電位差で電子1個がもらうエネルギーを示します。このため、X線は10eV~100keVの光子でもあります。

X線を用いたキャラクタリゼーションでは、X線を波として考えているか、光子として考えているかを意識することが大事です。中でも、ブラッグの条件(波)と、エネルギー保存則(光子)の2つの式は、キャラクタリゼーションを行う場合に知っておくべき基本の式です。これらの式がどのように使われるか、X線回折法、X線光電子分光法で、それぞれ見ていきましょう。また、最後に、この2つの性質を組み合わせたXAFS(X線吸収微細構造法)について解説します。

2. X線回折法

波の性質を利用しているときは、波長が主人公となります。回折現象を利用し、物質の周期構造を調べる手法になります。物質にX線を入射すると、波は散乱され、さまざまな方向に飛んでいきます。物質に結晶のような周期性があると、以下のブラッグの式で表される方向に強く散乱されます。この強く散乱されることを、回折と呼びます(図1)。

2dsinθ=λ

図1:結晶におけるX線の回折

図1:結晶におけるX線の回折

ここで、θとdは、それぞれ回折が起こるブラッグ角と格子定数です。回折角から格子間隔、すなわち結晶の規則性が分かります。これがX線回折法です。

さらに詳細に解析を進めると、単結晶の場合には、原子座標が求められます(単結晶X線解析法)。単結晶でなくても、粉末微結晶では、リートベルト(Riedveld)法で原子座標を求めることができます。一方で、触媒の多くは金属微粒子です。この場合、PDF(Partial Distribution Function)法により、結合距離を決めることができます。もう一つ重要な情報として、ピークの幅からシェーラの式を使い、結晶子のサイズや粒子径を推定できます。

3. X線光電子分光

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. X線吸収スペクトル(XAS)

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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