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クラウドあれこれ:クラウドの基礎知識1

クラウドの基礎知識

更新日:2019年9月12日(初回投稿)
著者:有限会社オングス 代表取締役 後藤 大地

クラウドコンピューティング(以降、クラウド)は、今後さらに使われるシーンが増えていくことは間違いないと考えられています。本連載では、6回にわたってクラウドの基礎を解説していきます。第1回は、クラウドのあれこれと題して、クラウドの基本的な解説と、アプリケーションレイヤのサービス、インフラストラクチャレイヤのサービスについて解説します。

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1. クラウドとは

クラウドは、インターネット上のサーバが提供するサービスを、必要に応じて必要なだけ利用するというコンピュータの利用形態のことをいいます。これまで、手元のパソコンで管理していたデータや利用していたソフトウェアを、インターネット上のサーバと呼ばれるコンピュータが代わって管理や運用を行います。ユーザーはそのサーバが提供する機能を利用するだけです。

インターネット上のサーバは1台かもしれませんし、100台や1,000台かもしれません。ユーザーはインターネットの向こう側で何台のサーバが動いているのか意識することはありません。このあたりはクラウドサービスを提供しているクラウドベンダがうまく隠してくれています。ユーザーは使いたい分だけ使えば良いだけです。

クラウドは、毎年市場規模を拡大させています。現在、ソフトウェアの開発にかけられる期間はますます短くなっています。こうした短い開発期間に対応していくには、クラウドの活用は必要です。既に多くのソフトウェア開発者が、クラウドサービスを利用した開発に携わっています。しかし、クラウドサービスを使ったことがない方は、クラウドというものがどういったものなのか、イメージしにくいのではないのではないでしょうか。

クラウドの説明としては、電話の仕組みがよく説明に使われます。電話は番号を押すだけで通話のみならず、天気予報や時報などのサービスを受けることができます。ユーザーは電話機を用意して契約を結ぶだけです。サービスは電話会社側が用意し運用します。クラウドのアイディアはこの仕組みによく似ています。

2. アプリケーションレイヤのサービス

実際に利用している開発者以外にとって、クラウドという言葉は漠然としています。これは、クラウドで提供されるサービスが多種多様だからです。しかも、アプリケーションレベルのサービスからプラットフォームレベルのサービスまで、複数のレイヤにわたってサービスが提供されています。それぞれのサービスは全く異なるように見えます。このため、多くの方にとってクラウドは曖昧模糊(あいまいもこ)とした言葉として感じられがちです。

いくつか例を挙げていきますので、そこからクラウドのイメージを確かなものにしていきましょう。まずはメールです。これまでメールはパソコンにインストールされているメールアプリケーションを使って利用していました。現在では多くの方がクラウドのメールサービスを使うようになりました。最も代表的なクラウドメールサービスはGmailです。Gmailはアプリに統合されていることも多いので気が付きにくいのですが、アプリケーションレイヤのクラウドをけん引したサービスです。

図1:Gmailの動作サンプル

図1:Gmailの動作サンプル(引用:Gmai.Google LLC)

事務処理ということになってくると、Microsoft WordやMicrosoft Excelといったオフィススイートを欠かすことはできません。しかし、こうしたアプリケーションもクラウド化が進んでいます。MicrosofitはMicrosoft Officeのクラウドサービスを提供しています。GoogleもGoogle Driveと呼ばれるクラウドベースのオフィススイートを提供しています。ローカルのパソコンにオフィススイートをインストールしたり、ライセンスを管理したりする煩雑さを嫌って、こうしたクラウドベースのオフィススイートに移行する企業も珍しくありません。

図2:Google Drive - Google スプレッドシートの動作サンプル

図2:Google Drive – Google スプレッドシートの動作サンプル(引用:Google Drive.Google LLC)

こうしたクラウドベースアプリケーションの多くは、利用するにあたって特別なアプリケーションを必要としないという特徴があります。ほとんどのケースでブラウザさえ用意すれば利用できるようになっています。ブラウザにプラグインやエクステンションをインストールする必要性もありません。現在のウェブ技術は、これまでデスクトップアプリケーションでなければ実現できなかった処理を可能にしてくれます。

パソコンにアプリケーションをインストールして使う場合、そのパソコンがなければアプリケーションを利用できません。クラウドの場合、ブラウザさえあればどこからでも同じサービスが利用できるという特徴もあります。会社からも、自宅からも、同じクラウドサービスにログインすれば利用できます。パソコンの買い替え時にアプリケーションのインストールやセットアップを行う必要もありません。

iPhoneやAndroidといったスマートフォンを使っていると、クラウドとは関係がないと思うかもしれません。しかし、スマートフォンアプリも実際にはクラウドサービスを使うものがとてもたくさんあります。例えば、先ほどのGoogle Driveは、スマートフォンから利用する場合にはブラウザではなく専用のアプリを使います。しかし、それはアプリの形態を取っているだけで、中身の本質はブラウザから使っているときと同じです。

図3:スマートフォンからGoogle Driveを利用する場合のサンプル

図3:スマートフォンからGoogle Driveを利用する場合のサンプル(引用:Google Drive.Google LLC)

このようにアプリケーションをクラウドサービスとして提供することを、SaaS(Software as a Service)と呼ぶことがあります。SaaSは日本語ではサースと発音されることが多いようです。クラウドの一利用形態を指すためにSaaSという言葉が使われることもありますので覚えておきましょう。SaaSの個人向けのサービスは無償で提供されているものも多くあります。Gmailがそうです。法人向けのサービスは有償になることが多く、その分サポートサービスや管理機能などが追加されることが多い傾向にあります。

3. インフラストラクチャレイヤのサービス

今度はパソコンそのものをクラウド上で提供するサービスを見てみましょう。こうしたサービスはIaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれています。HaaS(Hardware as a Service)と呼ばれることもありますが、IaaSと呼ばれることの方が一般的です。

IaaSの提供方式はさまざまです。仮想環境ベースのプラットフォームを提供するというスタイルが多いようです。ブラウザからIaaSのサービスにログインし、数回のクリックで新しい仮想環境を作ることができます。

図4:さくらのクラウドのダッシュボードのスクリーンショット(引用:さくらのクラウド.さくらインターネット株式会社)

図4:さくらのクラウドのダッシュボードのスクリーンショット(引用:さくらのクラウド.さくらインターネット株式会社)

仮想CPUの数、仮想メモリのサイズ、仮想ストレージの種類とサイズ、さまざまな追加機能などをかなり自由に組み合わせることができ、自分の求める仮想パソコンをインターネット上に作成することができます。新しくパソコンやサーバを購入する必要が出ても、IaaSを使えば数分で新しい仮想のパソコンが手に入ります。

図5:さくらのクラウドのIaaS管理画面のスクリーンショット(引用:さくらのクラウド.さくらインターネット株式会社)

図5:さくらのクラウドのIaaS管理画面のスクリーンショット(引用:さくらのクラウド.さくらインターネット株式会社)

IaaSは使った分だけ利用料金が発生するモデルが多いようです。これは電気料金や水道料金に似ています。使った分だけ使用料金が発生するという考え方です。IaaSもサービスによっては定額で提供されています。料金は仮想CPUの数やメモリのサイズなど、選択したパソコンリソースの種類とグレードによって変わるというのが一般的です。

IaaSの最大の利点は、何といってもセットアップの手間がほとんどかからないことにあります。パソコンを買う必要もありませんし、パソコンを設置する場所を用意する必要もありません。初期費用がないか、または少なく、すぐに利用することが可能です。不要になったら停止して破棄すればよく、パソコンを破棄するときにかかる手間も費用もかかりません。

実際にはSaaSとIaaSの中間に位置するようなクラウドサービスもたくさん存在しています。APIと呼ばれるソフトウェア開発者が利用する機能がインターネットを経由して提供されるというもので、多くのソフトウェア開発者が利用しています。現在では人工知能技術や機械学習技術、ディープラーニング技術を利用するためにクラウドサービスが使われています。

いかがでしたか? 今回はクラウドのあれこれについて解説しました。次回はクラウドの利点と欠点について解説します。お楽しみに!

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