メニュー

VEを使ったコスト見積もり:構想設計の基礎知識4

構想設計の基礎知識

更新日:2017年3月24日(初回投稿)
著者:庄司技術士事務所 庄司 尚史

第3回では、具体的な構想設計の手順を示しました。技術手段抽出表を用いて、その技術の開発を進めるかどうかの判断を行います。コストの視点は欠かすことができません。今回はその問題を取り上げます。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. 設計変更とコストの関係

製品開発エンジニアの皆さんは、新しい機能の開発と、品質を安定させることのジレンマに悩むことが多いのではないでしょうか? 保守的な設計で製品を作り続けると、量産品質は安定し、部品や材料費も次第に下がってきます。しかし、新たな付加価値を生み出したり、性能を向上させることは難しく、次第に価格競争に突入します。また、開発から時間が経過すると周辺技術が新しくなるため、モデルチェンジが避けられないケースも出てきます。

新製品の開発では、ユーザーに新しい価値を提供する必要があります。コストや性能を含め、満足度の高い商品にするためには、構想設計が極めて重要です。一般に、設計変更はコスト増につながるといわれています。理由としては、構造や構成要素が新しくなるため材料費が増える、トラブル要因が増え対策のための費用が必要になることなどが挙げられます。

2. VEを使ったコスト検討

コスト増になりがちな設計変更。VE(Value Engineering:価値工学)の考え方を使うことを、おすすめします。VEでは、コストと性能・品質を切り離して考えるのではなく、単位コスト当たりの機能を「価値」と定義し、その価値を向上させるための設計を行います。

構想設計段階では、多くの構成要素が具体化されておらず、コストの詳細見積もりが難しい場合がほとんどです。そのため、予測を含んだ概算的な見積もりで、VEを実施します。

プリント基板用CADをチェック!(イプロス製造業)

3. VEを使ったコスト検討の手順

実際にVEはどのように進めるのでしょうか。VEの主要手順は3ステップです。

ステップ1:機能の定義

対象は、開発する製品のシステム構成です。全体を構成要素に分解し、それぞれの働きを動詞で表現します。これを一次機能と呼びます。一次機能を目的とした場合、これを実現する具体的な方法を二次機能として展開します。さらにそれを実現するための三次機能に落とし込みます。

このような展開方法は、新QC七つ道具でおなじみの系統図法です。作成するツリーを機能系統図と呼びます。各段階の機能はできるだけ一般的な表現にします。図1に、家庭用インクジェットプリンタを想定した機能系統図の例を示します。

図1:家庭用インクジェットプリンタを想定した機能系統図の例

図1:家庭用インクジェットプリンタを想定した機能系統図の例

ステップ2:機能の価値評価

ステップ1で展開した機能について、コストと価値を評価し、コストダウンすべき対象を決めます。ここでは、さらに3つの小ステップに分けて進めます。

ステップ2-1:機能の重要度の見積もり
対象とする機能の重要度を見積もります。今回は、FD(Forced Decision)法と呼ばれる相対評価の方法を紹介します。表1に、機能の相対評価の例を示します。

表1:FD法による機能の相対評価の例
機能F1F2F3F4F5合計機能係数
F1110020.2
F2010010.1
F3000000.0
F4111030.3
F5111140.4
合計2341010 1.0

全ての機能の組み合わせを総当たりで比較し、より重要な機能に1を、そうでない方に0を記入した後、各機能の和を計算します。これを全体の総和で割ったものを、「機能係数」と呼びます。なお、機能係数が0の場合でも、相対評価による数値なので、機能がなくてよいということでありません。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

プリント基板用CADをチェック!(イプロス製造業)

  • 販促_無料出展
  • セミナー12月
  • 寄稿募集
  • 基礎知識一覧

ピックアップ記事

tags

  • 特集バナー1126_01
  • 特集バナー1126_02
  • 特集バナー1126_03
  • 特集バナー1126_04