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防食設計とは?防食管理とは?:腐食の基礎知識5

腐食の基礎知識

更新日:2017年12月14日(初回投稿)
著者:化学工学会SCE・Net 装置材料研究会 鈴木 紹夫

前回は、被覆防食、電気防食、防食剤などの防食方法を紹介しました。今回は、防食設計と防食管理について解説します。環境条件に適合する優れた材料で作られた構造物でも、設計の不具合が原因で腐食損傷を起こす事例が見受けられます。また、適切な材料・構造で建設され、良好な状態で使用されている構造物でも、使用期間が長くなると弱点部から徐々に腐食します。腐食を防ぐには、適切な設計に加え、補修やメンテナンスの継続が欠かせません。

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1. 防食設計とは

化学プラントなど、厳しい環境で使用される装置や機器の設計技術には、腐食を防ぐために必要なノウハウが蓄積されています。金属の特性や使用環境を考慮しながら、腐食が発生しにくい工夫を凝らした設計を、防食設計といいます。以下に、防食設計のポイントを9つ説明します。

1:構造的すきまを減らす

設計段階では、腐食の原因となる構造的なすきまを少なくし、すきま腐食を防止することが求められます。重ね合わせによる接続(ボルト締め、ビス止めなど)を避け、溶接で一体構造にするのが効果的です(図1)。接続配管、継ぎ胴部など、構造上避けられないすきま部には、耐食性の高い材料を適用します。また、接続部のガスケット材を、多孔性の材質からはっ水性の高い四フッ化樹脂などに替えても効果があります。

図1:重ね合わせによる接合(ボルト締め)から溶接接合へ

図1:重ね合わせによる接合(ボルト締め)から溶接接合へ

2:残留応力、作動応力を低下させる

残留応力、作動応力を低下させることで、応力腐食割れや、腐食疲労割れを抑制できます。冷間加工や溶接によって生じる残留応力は、応力腐食割れの主な要因です。残留応力を除去するには、加熱して焼なまし処理を施します。

腐食疲労割れは、割れが発生しなくなる限界応力が低いため、作動応力の絶対値を下げることによる割れ防止策は有効ではありません。そのため、製品に鋭い切欠きを作らず丸みを設けるなど、形状の改善によって作動応力を分散させて割れを防ぎます(図2)。この方法は大変効果があり、設計を行う上で重要です。

図2:形状の改善により応力を分散させ、割れを防ぐ

図2:形状の改善により応力を分散させ、割れを防ぐ

3:流速を下げる

高速で流動する流体や固形物を含むスラリー流体を輸送するスラリーポンプなどでは、エロージョン・コロージョン(摩耗による腐食)、衝撃腐食、擦過腐食など、機械的な作用による磨耗腐食が起こります。これらを避けるには、設計や施工段階での対策が不可欠です。流速を下げる、配管の曲がりを緩やかにする、流れを乱す局部的な凹凸を作らないなどの対策を行います。

4:伝熱面を集中させる

腐食は表面反応です。腐食の原因となるのは、溶液の温度ではなく金属の表面温度です。また、ジャケット加熱など、装置本体の壁面を伝熱面として使うと、腐食が起こったときに装置そのものがダメージを受けます。この場合、ジャケット加熱ではなく、加熱コイルを設置して伝熱面を集中させることで、装置表面のダメージや腐食を防止できます。また、装置全体の材質を耐食性に優れたものに替える必要はなく、加熱コイル部分だけを耐食性に優れた材質にグレードアップすることで、容易に腐食対策ができます(図3)。

図3:ジャケット加熱からコイル加熱へ

図3:ジャケット加熱からコイル加熱へ

5:異種金属接触腐食の対策を施す

腐食電位に差がある金属を接触させて使用すると、電位が卑な金属は貴な金属に引っ張られ、腐食が促進されます。特に卑な金属の面積が小さいとき、腐食は著しく進行します。ただし、分極特性によっては、腐食が生じず問題にならない場合もあります。異種金属の接触は分極特性と金属の面積比を見極めて、対策を判断しましょう。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

2. 防食管理とは

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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