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切削工具材料の種類:切削加工の基礎知識4

切削加工の基礎知識

更新日:2016年9月15日(初回投稿)
著者:基盤加工技術研究所代表 工学博士 海野 邦昭

前回は、切削時に排出されるリボン状切りくずの切削現象などと理論を解説しました。今回は、切削工具の材料を取り上げます。

切削工具は、切削時に刃先が工作物に食い込むため、硬いことが条件です。通常、工作物の3倍以上の硬さが要求されます。しかし硬い物質はもろく、切削時に刃こぼれが生じやすいため、硬さだけではなくじん性(タフネス)も求められます。また鋼材の切削では、切削温度が700~1,100℃になるので、工作物と反応しない化学的安定性も重要です。さらには、刃先の融点と軟化温度が高いこと、熱伝導度が大きいこと、また切削工具に加工しやすいことも条件です。このように、切削加工を適切に行うには、使用する切削工具の材料特性を十分に理解しておくことが大切です。

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1. 切削工具材料の機械的特性

主な切削工具材料には、高速度工具鋼、超硬合金、セラミックス、サーメット、CBN(Cubic Boron Nitride:立方晶窒化ホウ素)焼結体およびダイヤモンド焼結体があります(図1)。

図1:さまざまな切削工具材料の種類

図1:さまざまな切削工具材料の種類(写真提供:不二越・旭ダイヤモンド工業)

これらの切削工具材料を特徴づける機械的特性には、硬さとじん性があります。この場合のじん性とは強じんさを意味し、通常、抗折力で測定されます。硬さは耐摩耗性に対応し、一般的に硬い切削工具材料ほど高速切削が可能です。じん性は耐衝撃性(耐欠損性)に対応し、じん性の高い材料ほど、断続切削が可能です。

例えば、硬さの大きなダイヤモンドやCBN焼結体は、高速切削が可能です。しかしじん性が低く、衝撃に弱いという欠点があります。一方、硬さの小さな高速度工具鋼は、高速で切削すると刃先が軟化するため高速切削はできません。しかしじん性が高いので、断続切削に強いという特性があります(図2)。このように、作業目的に応じて切削工具材料を選択する際に、材料特性の正確な理解が欠かせません。

図2:切削工具材料の耐摩耗性とじん性の関係

図2:切削工具材料の耐摩耗性とじん性の関係(引用:切削加工基礎のきそ)
 

2. 高速度工具鋼と超硬合金

高速度工具鋼

通常、「ハイス」と呼ばれる高速度工具鋼は、1898年に米国テイラー(Tayior)により開発され、18-4-1合金とも呼ばれます。その原型は、タングステン18%、クロム4%、バナジウム1%の合金で、高速度工具鋼の2種です。

現在では、高速度工具鋼は「タングステンハイス(SKH2~SKH10)」と「モリブデンハイス(SKH40~SKH59)」に分類されます(図3)。モリブデンハイスは、タングステンハイスのタングステン含有量を減らし、代わりにモリブデンを多くしたものです。最近はモリブデンハイスが多く使用されています。

図3:タングステンハイスとモリブデンハイス

図3:タングステンハイスとモリブデンハイス

高速度工具鋼は硬さが小さく、高速切削はできません。しかしじん性に富むため、断続切削に適応できます。そのため、エンドミル、ドリル、タップ、リーマおよびホブなど、多くの切削工具に用いられます。

高速度工具鋼の製造方法には、溶解法と粉末冶金法があります。溶解法によって製造されたものを「溶解ハイス」、粉末冶金法によって製造されたものを「粉末ハイス」と呼びます。溶解ハイスと粉末ハイスを比較すると、粉末ハイスはより均一な組織を持ち、結晶粒が小さいことが分かります(図4)。そのため、粉末ハイスはじん性が高く、耐衝撃性が大きいという特徴があります。また結晶粒径が小さいため、刃先を鋭利にできます。さらに多量の合金元素を添加でき、耐摩耗性や耐衝撃性に富んだ切削工具の製造が可能です。

図4:溶解ハイスと粉末ハイスの組織

図4:溶解ハイスと粉末ハイスの組織(引用:切削加工基礎のきそ)

超硬合金

超硬合金は、1927年にドイツのクルップ社からウイディアという商品名で販売されました。これは炭化タングステンをコバルトで焼結した合金です。

続きは保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. サーメットとセラミックス

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 焼結体工具

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