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ダイカストマシンの構造:ダイカストの基礎知識3

ダイカストの基礎知識

更新日:2018年6月1日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 総合機械学科 教授 西 直美

前回は、ダイカストに使われる合金を紹介しました。今回は、ダイカストマシンの構造と原理、種類を解説します。ダイカストマシンには、コールドチャンバーダイカストマシン、ホットチャンバーダイカストマシンなどの種類があります。

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1. ダイカストマシンの構造

ダイカストマシンは、金型を開閉する型締装置、溶湯(ようとう)を金型内に射出・充填するための射出装置、ダイカストを金型から押し出すための押出装置で構成されます(図1)。

図1:ダイカストマシンの構造

図1:ダイカストマシンの構造

1:型締装置

型締装置には、2つの役割があります。1つは、固定盤と可動盤に取り付けた金型を開閉する役割です。もう1つは金型を締め付ける役割です。金型には、溶湯を圧入する際、金型を開こうとする極めて大きな力(型開力)が発生します。そのため、型締装置により、型開力よりも大きな力で金型を締め付けます。金型を締め付ける力を型締力といいます。

型締装置には、油圧シリンダで直接金型を締め付ける直圧式と、油圧シリンダとトグル機構を組み合わせたトグル式があり、現在では後者が主流です。トグル機構は、AリンクとBリンク、BリンクとCリンクの2対のリンクで構成され、クロスヘッドが前進することでAリンクとBリンクが180°になる際に最大の力を得ることができます。最近では、油圧シリンダの代わりにモータとボールねじを使用する電動トグル式や、モータとボールねじで可動盤を移動させ、油圧によって型締力を発生させる複合式などがあります。

2:射出装置

射出装置は、射出スリーブ内に注湯された溶湯を金型キャビティに射出・充填するための装置です。射出スリーブ、射出プランジャー、射出シリンダ、アキュムレータなどで構成されます。アキュムレータは、溶湯を大流量・高圧で射出・充填するための畜圧装置です。ダイカストでは、金型キャビティでの凝固が速いので、短時間で溶湯を充填します。そのため、溶湯が製品部に流入する入り口(ゲート)には、瞬間的に大流量の溶湯が通過し、大きな抵抗が発生します。この抵抗に打ち勝つ大流量・高圧の充填機構がアキュムレータです。アキュムレータには、高圧の窒素ガスが封入されており、ダイカストマシンの1サイクルごとの停止時間を利用して、ポンプによってエネルギーを蓄えます。そして、大流量が必要なタイミングでエネルギーを短時間で放出し、大流量・高圧で溶湯を射出・充填します。

3:押出装置

押出装置は、金型キャビティで凝固・冷却したダイカストを、可動型から取り出す装置です。押出シリンダ、押出板、押出ロッドなどで構成されます。ダイカストは、熱収縮によって可動型にくっ付きます。このことを抱き付くといい、抱付力は、大きいものでは10~20kNにもなるため、一般的には油圧シリンダを用いて押し出します。小型のダイカストマシンでは、型開きの動作を利用して押出板を動かすバンパー押出も用いられます。

2. コールドチャンバーダイカストマシン

コールドチャンバーダイカストマシン(以下、コールドチャンバーマシン)とは、射出部(チャンバー)が溶湯中ではなく、空気中にあるダイカストマシンのことです(図2)。溶湯は1ショットごとに射出部に供給され、プランジャーを動作させて金型に射出・充填します。一般的なコールドチャンバーマシンの型締力は、300kN~40,000kNで、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金、銅合金などの鋳造に使用されます。

図2:コールドチャンバーダイカストマシンの構造例

図2:コールドチャンバーダイカストマシンの構造例(引用:一般社団法人日本ダイカスト協会、ダイカストって何、2003年、P.14)

コールドチャンバーマシンでは、鋳物を1つ作る(1ショット)ごとに溶湯を射出するため、ショットサイクルはホットチャンバーマシンより長く、1時間当たりのショット数(鋳造回数)は30~150回です。また、鋳造圧力は20~120MPaで、ホットチャンバーよりも高く設定できます。

・コールドチャンバーマシンの射出

図3に、コールドチャンバーマシンの射出系の模式図を示します。射出スリーブに注湯された溶湯は、射出プランジャーが移動することで、ランナー、ゲートを通って金型キャビティに射出・充填されます。

図3:コールドチャンバーダイカストマシンの射出系

図3:コールドチャンバーダイカストマシンの射出系

射出プランジャーから伝達される圧力は、「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当たりの圧力をそのままの強さで、流体の他の全ての部分に伝わる」とするパスカルの原理により、金型キャビティの内壁に均等にかかります(図4)。

図4:金型キャビティ内部の圧力の伝達

図4:金型キャビティ内部の圧力の伝達

金型キャビティに伝達される鋳造圧力は、P1=F0/A0=4×F0/(π×ds2)の式で示されます。P1は鋳造圧力、F0は射出力、A0は射出プランジャーチップ断面積、dは射出プランジャーチップ径です。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. ホットチャンバーダイカストマシン

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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