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ダイカストの製品設計:ダイカストの基礎知識5

ダイカストの基礎知識

更新日:2018年6月29日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 総合機械学科 教授 西 直美

前回はダイカスト用金型を紹介しました。今回はダイカストの製品設計を取り上げます。ダイカストの製品設計では、製品図や要求仕様を基に、合金材料の選定、鋳造法の選定、ダイカストマシンのサイズ、取り数、製品部の詳細形状、後加工・後処理への対応を検討します。

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1. ダイカスト合金材料の選定

ダイカスト合金には、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金、銅合金などの種類があり、それぞれ特性が異なるため、製品の要求仕様や用途などによって使い分けます。顧客から合金が指定されている場合、設計者は合金材料の特性を考慮して、製造過程や性能に問題がないかを検討します。表1に、ダイカスト合金材料の選定例として、主なアルミニウム合金の評価例を示します。

表1:アルミニウム合金ダイカストの選定評価の例(一般社団法人日本ダイカスト協会、ダイカストって何、2006年、P.19を基に著者作成)

表1:アルミニウム合金ダイカストの選定評価の例

2. 鋳造法・ダイカストマシンのサイズ・取り数の決定

ダイカスト合金の選定が完了したら、鋳造法・ダイカストマシン・取り数を決めます。鋳造法は製品品質、ダイカストマシンは製品サイズを考慮して選定します。取り数は、多数個取りのメリット・デメリットを考慮した上で決定します。

・鋳造法の選定

ダイカスト鋳造法には、高速・高圧で鋳造する普通ダイカスト法と、高品質な製品が得られる特殊ダイカスト法(高真空ダイカスト・層流充填ダイカストなど)があります。多くのダイカスト製品は、普通ダイカスト法で生産されます。ただし、自動車の足回り部品のように、高強度かつ延性やじん性が求められる部品には、特殊ダイカスト法を用います。

特殊ダイカスト法の選定には、顧客の要求仕様(機械的性質、内部品質、製品形状・寸法、肉厚、後加工との関係、鋳造のしやすさ、経済性など)を総合的に判断する必要があります。また、特殊ダイカスト法の合金材料には、通常のJIS規格品ではなく、特殊な合金が用いられることが多いため、適正な合金材料の選定が必要です。

・ダイカストマシンのサイズの選定

ダイカストマシンのサイズは、鋳造圧力と製品の投影面積で決まります。鋳造圧力は50~80MPaを採用することが多いため、製品の大きさ(投影面積)が決まれば、ダイカストマシンのサイズも決まります。ただし、投影面積以外にも、製品の高さや長さなどが制約となる場合もあります。余裕を持ったダイカストマシンのサイズ選定を心掛けましょう。

・取り数の決定

通常、1つの金型からは1つの製品を鋳造します。この場合、取り数は1つです。これに対し、1つの金型から同時に複数個の製品を鋳造することを、多数個取りといいます。一般的には、多数個取りにすると経済性は良くなるものの、品質が下がる傾向にあります。多数個取りのメリット・デメリットをまとめました。

多数個取りのメリット

  • 製品コスト、鋳造費を削減できる
  • 大型のダイカストマシンを活用できる
  • 1ショットで複数作れるため、大ロット製品の製造に適している

多数個取りのデメリット

  • 良品率、寸法精度が下がる
  • 溶湯(ようとう)の充填状態を均一にすることが難しく、同一ショット品で品質がばらつく
  • 異形多数個取りでは、不良率が異なることで生産効率に無駄が生じやすい

3. ダイカスト製品部の詳細形状設計

ダイカスト製品の詳細形状設計は極めて重要です。適切に行われないと、製品の要求仕様を満足できないだけでなく、生産性も損なわれます。製品部の詳細形状には、寸法公差、肉厚、抜勾配、リブ、隅・角R、アンダーカットなど、さまざまな要素があります。

・寸法公差

寸法公差とは、図面で指定された寸法から許容される誤差の範囲です。ダイカストを含む鋳物の寸法公差は、JIS B 0403 鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式に規定されています。鋳造公差にはCT1~16の等級があり、鋳放し品(鋳型から取り出し、湯口などの不要部を除去した状態の鋳造品)の基準寸法に対して、それぞれ公差が設けられています。ダイカストの場合、アルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽合金ではCT5~7等級が、亜鉛合金にはCT4~6等級が指定されています(図1)。

図1:ダイカストの寸法公差

図1:ダイカストの寸法公差(JIS B 0403 鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式を基に著者作成)

・肉厚

ダイカストの肉厚は、最終製品としての強度・剛性、合金の湯流れ性、製品の各部分の肉厚分布、製品の形状や大きさなどで決まります。肉厚で重要なことは、均肉化(肉厚を均一にすること)です。肉厚が不均一で駄肉(余計な部分)がある場合、肉厚部は薄肉部よりも凝固が遅れるため、ひけ巣や外部のひけが発生します。駄肉は、リブ(補強材)や中子を使用することで除去が可能です(図2)。

図2:リブによる均肉化

図2:リブによる均肉化

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. ダイカスト製品の後加工・後処理

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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