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ダイカストの鋳造方案設計:ダイカストの基礎知識6

ダイカストの基礎知識

更新日:2018年7月17日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 総合機械学科 教授 西 直美

前回は、ダイカストの製品設計を解説しました。今回は、ダイカストの鋳造方案設計を取り上げます。鋳造方案設計では、金型の溶湯流路や空気排出通路などを設計します。鋳型の中を溶湯で十分に満たし、凝固・収縮の過程を経ても、欠陥のない優れた品質のダイカストを作ることが求められます。

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1. 鋳造方案とは

鋳造方案とは、金型に溶湯を供給するための流路や、金型キャビティ内の空気を排出する通路など、金型の各要素を設計することです。鋳造方案を適切に行うことで、溶湯が凝固・収縮しても鋳物の内部に空洞が生じず、優れた品質のダイカストを作ることができます。ダイカストの鋳造方案の対象は、金型キャビティの射出スリーブ、ランナー、ゲート部(フィード、ランド、ゲート)、オーバーフロー、エアベントです。図1に、ダイカストの模式図と金型断面の各部名称を示します。

図1:ダイカストの模式図(左)と金型断面(右)

図1:ダイカストの模式図(左)と金型断面(右)

2. 射出スリーブ

射出スリーブとは、ダイカストマシンの射出装置と押出装置をつなぐ、溶湯の流路です(参考:第3回)。射出スリーブの設計では、スリーブ径、スリーブ充填率(射出スリーブに注湯される溶湯の量とスリーブ容積との比率)、可鋳質量(鋳造可能な質量)などを考慮します。射出スリーブ径Dは、下記の式を用いて計算・選定します。

射出スリーブ径D

ここで、Fは射出力、 P1は鋳造圧力です。スリーブ充填率は40~60%が望ましく、少ないと射出スリーブ内で溶湯の冷却が進行し、破断チル層(凝固片が製品に混入してできる層)などの初期凝固層が発生しやすくなります。スリーブ充填率を高くしすぎると、射出時に給湯口から溶湯があふれる恐れがあります。可鋳質量Wは、以下の式を用いて計算します。ここで、 Apはプランジャーチップの断面積、Lpはプランジャーストローク、ρmは鋳造合金の密度です。

可鋳質量W

3. ランナー

ランナーとは、溶湯が鋳込み口から製品部まで流れるための通路です。一般的なランナーの断面形状は台形で、幅Wは厚さDの1.6~4倍です(図2)。これ以上の大きさになると、溶湯に接する表面積が大きくなり、湯温の大幅な低下を招きます。小さすぎると、凝固の遅れや、型温の上昇による焼付が発生しやすくなります。

図2:ランナーの断面形状例

図2:ランナーの断面形状例

ランナーの断面積は、ゲート断面積の1.3~3倍が必要とされています。ランナーの角度や断面積に急激な変化があると、ランナー内で溶湯の流れの乱れや、空気の巻き込みを引き起こします。

4. ゲート部

ゲート部は、ランナー部と製品部とをつなぐ部位です。フィード、ランド、ゲートで構成されます(図3)。フィードは、ランナーとランドを結ぶ傾斜状の部位で、その傾斜角θをフィード角と呼びます。ランドは、フィードからゲートまでを結ぶ部位です。ゲートは、ランドと製品部が接する断面部分のことです。

図3:ゲート部の形状と名称

図3:ゲート部の形状と名称(引用:西直美、絵ときダイカスト基礎のきそ、日刊工業新聞社、2015年、P.136)

ゲートランナーは、フィードとランドで構成されます。ゲートランナーの形状は、金型キャビティ内の流れに大きく影響します。フィード角θが大きく、ランドが短いと、断面積が急激に絞られるため、溶湯は噴霧状に広がって金型キャビティに流入します(図4の左)。また、フィード角θが大きく、ランドが長いと、溶湯は渦巻き状に広がってキャビティに流入します(図4の中)。フィード角θが小さく、ランドが長いと、溶湯は安定した湯流れでキャビティに流入します(図4の右)。

図4:ランナーの形状とゲートから流出する溶湯の形態

図4:ランナーの形状とゲートから流出する溶湯の形態(引用:西直美、絵ときダイカスト基礎のきそ、日刊工業新聞社、2015年、P.136)

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5. オーバーフロー

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6. エアベント

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