メニュー

ダイカスト金型の設計:ダイカストの基礎知識7

ダイカストの基礎知識

更新日:2018年7月27日(初回投稿)
著者:ものつくり大学 技能工芸学部 総合機械学科 教授 西 直美

前回は、ダイカストの鋳造方案設計を紹介しました。今回は、ダイカスト金型の設計を取り上げ、キャビティ部や金型分割面、金型サイズなどを解説します。ダイカスト金型の出来栄えは、製品の生産性・品質を8割決めるといわれています。金型設計では、製品の品質・生産性の確保と、金型の製作コスト・耐久性・作りやすさ・製作納期・メンテナンスのしやすさなどを考慮する必要があります。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. キャビティ配置の設定

キャビティとは金型のへこみ部のことです。金型キャビティの設計では、鋳造方案や金型分割面の設定と、製品の形状を金型内にどのような姿勢で配置するかを検討します。これを、キャビティ配置といいます。キャビティ配置では、ダイカストの湯流れ性やガス抜け性など、品質に関わる点を優先して決定します。例えば、製品を縦に配置すると、ゲートからの距離が長くなり、最終充填部に湯回り不良が発生しやすくなります(図1の左)。製品を横に配置することで、溶湯の充填距離を短くし、不良発生を抑えられます(図1の右)。

図1:キャビティ配置の例

図1:キャビティ配置の例(引用:西直美、絵ときダイカスト基礎のきそ、日刊工業新聞社、2015年、P.147)

2. 金型分割面の設計

金型分割面(パーティングライン面、PL面)は、固定型・可動型や中子が合わさる面のことです。ランナー、ゲート、オーバーフロー、エアベントなどは金型分割面に設置され、その設置位置は製品品質に大きく影響します。金型分割面は、品質(湯流れ性、ガス抜け性、寸法精度など)や経済性(生産性、仕上げ性、製作・整備コストなど)、製品の最大投影面積を考慮した、平面で単純な構造が求められます。

金型キャビティで冷却されたダイカスト製品は、熱収縮によって金型にくっ付きます(抱き付くといいます)。その場合、固定型側の形状が可動型側より深いと、固定型側に抱き付く力が大きくなり、型開きの際に固定型側に製品を取られてしまいます(図2の左)。そのため、製品の抱き付く面積が可動型側に多くなるように設計します(図2の右)。

図2:製品を可動型に抱き付かせる型分割面

図2:製品を可動型に抱き付かせる型分割面(引用:日本ダイカスト協会、新版ダイカスト技能者ハンドブック、2012年、P.83)

また、ダイカストではアンダーカット(金型開き方向では抜けない凹部や穴)を作らない設計が重要です。型分割面の角度を変更することで、製品内側に生じたアンダーカットを回避することができます(図3)。

図3:型分割面の変更によるアンダーカット対応

図3:型分割面の変更によるアンダーカット対応(引用:西直美、絵ときダイカスト基礎のきそ、日刊工業新聞社、2015年、P.150)

金型を構成する部品間(固定型と可動型、可動型と引抜中子など)のクリアランス(隙間)が大きいと、型分割面で形状が食い違い、寸法がばらつきます。また、図4に示すように、引き抜き方向と型開き方向での寸法ばらつきが生じます。引き抜き方向の寸法は、引抜中子が鋳造時の衝撃圧で後退する(図4の上方向)場合があり、その分寸法がばらつきます。引抜中子の後退止めはあっても、長年使用していると摩耗してガタつくことがあります。型開き方向の寸法は、型締力や鋳造圧力などの影響によって大きくなる傾向です。高い寸法精度が要求される部分は、同じ金型要素内に入れるといった工夫を施します。例えば、図4で精度が維持されると示した寸法は、可動型の精度のみで決まるため、寸法のばらつきを抑えることができます。

図4:寸法のばらつき

図4:寸法のばらつき(引用:日本ダイカスト協会、新版ダイカスト技能者ハンドブック、2012年、P.85)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 金型サイズの設定

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 縮み代の設定

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 押出ピンの配置

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

6. 内部冷却回路の設計

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

  • セミナー11月
  • 寄稿募集
  • 基礎知識一覧

ピックアップ記事

tags

  • 特集バナー1009_01
  • 特集バナー1009_02
  • 特集バナー1009_03
  • 特集バナー1009_04