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駆動系:ドローンの基礎知識(構造編)5

ドローンの基礎知識(構造編)

更新日:2021年5月26日(初回投稿)
著者:フリーエンジニア&ライター 高橋 隆雄

前回は、ドローンの主要部品であるロータを解説しました。今回は、ドローンを浮上させ、飛行させるための重要な部分である、駆動系について説明します。駆動系は、エンジンの出力を伝えるシステムのことで、基本的にモータと、それを制御するESCと呼ばれる部分から構成されます。ドローンでは、この2つが駆動系の主要な構成要素となります。

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1. モータ

モータとは、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置の総称です。モータは、ブラシモータと、ブラシレスモータに分類されます(図1)。一般的なドローンでは、ブラシレスモータを用います。ブラシレスモータには、駆動用の回路が必要です。

図1:ブラシモータとブラシレスモータ

図1:ブラシモータとブラシレスモータ

・ブラシモータ
ブラシモータは、線が2本出ているモータで、模型や小型のトイ・ドローンなどに使われています。モータ内部にブラシと呼ばれる電極と、コミュテータと呼ばれる整流子を設け、その2つを接触させ機械的に電流の切り替えを行って、モータを回転させます。速度変化は、PWM(Pulse Width Modulation)と呼ばれる方法で行います。

・ブラシレスモータ
ブラシレスモータは線が3本出ているモータで、専用の駆動回路を用いて回転させます。ブラシモータで必要なブラシと整流子などの機械的な接触部分を取り除いて整流回路を備えているため、エネルギー効率上優れています。信号によって回転方向を変えることも可能です。しかし、ドローンでは1方向にしか回転させないので、回転方向の制御は行いません。

ドローンあるいは飛行機用のブラシレスモータを使用する場合、ロータ、プロペラを固定する部分(図2)がモータの回転方向に応じて、右ねじか左ねじかが決まっており、指定された方向に回転させないとねじが緩んでしまいます。購入する場合には、CW(時計まわり)、CCW(反時計まわり)の表記を確認した上で、注意して選択しましょう。クワッド(4枚)ロータ式の場合にはCW×2個 + CCW×2個で、合計4個のモータが必要になります。

図2:回転方向が決まっているモータの例

図2:回転方向が決まっているモータの例

ブラシレスモータは、交流モータである三相電動機の一種です。このため、回転させるには交流(三相交流)を加える必要があります。このときに三相交流を作るのが、次項で説明するESC(Electric Speed Controller)です。当然ながら、モータが消費する電流に応じたESCを選択する必要があります。

ブラシレスモータを使用するドローンは、多くの場合モータとロータが直結されています。一部のドローンでは、ギヤを介してモータとロータを接続するものもあります。

モータの構造を見てみましょう。図3は、あるモータを分解したものです。左側のパーツは、回転する部分でロータ(注:羽のロータとは別物)といいます。右側のパーツは、ロータの内側に入っている固定部分で、ステータといいます。このタイプのモータは外側の部分が回転するため、アウターロータやアウトランナーと呼ばれ、ドローンや飛行機でよく使われています。ロータの内側には永久磁石が、ステータには巻線が設けられており、巻線に電流を流すことで回転させる仕組みになっています。

図3:ブラシレスモータの内部構造

図3:ブラシレスモータの内部構造

また、モータにはKV値と呼ばれるものがあり、これは1V当たり何回転するかを示します(ただし無負荷時)。図3のモータは1,100KVなので、1Vの電圧で1,100回転(rpm)します。ドローンの場合には、その機体の大きさや重量によって使用するKV値が決まるので、機体に応じたKV値のモータを選びます。

2. ESC

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