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制御系:ドローンの基礎知識(構造編)6

ドローンの基礎知識(構造編)

更新日:2021年6月10日(初回投稿)
著者:フリーエンジニア&ライター 高橋 隆雄

前回は、ドローンの駆動系について説明しました。今回は、最終回です。ドローンがドローンたる所以ともいえる制御系を解説します。制御系が発達したことにより、ドローンは登場した当初に比べ格段に飛ばしやすくなった上、自律制御で自動航行することも可能になりました。搭載されるコンピュータの性能が向上したことで、より複雑な処理が機体上で行えるようにもなりました。ドローンの安定した飛行を支える制御系、そのカギとなるフライトコントローラ、そして各種のセンサを、紹介します。

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1. フライトコントローラ

フライトコントローラ(FC)は、機上でさまざまな処理を行うコンピュータのことをいいます。ドローンの内部構造の中では、最も重要なパーツです(図1)。特に、機体の安定化や自律航行などを自動的に制御します。登場当初のフライトコントローラは、機体の安定化を主眼としたものでした。というのも、ただ飛ばすだけであれば、マルチコプターはモータの回転数制御を行うだけなので、物理的に複雑な機構を持つヘリコプターに比べて制御は簡単に行うことができます。しかし、いざ安定した飛行をさせようとすると、その制御は人力では困難でした。このため、何らかの安定機構が必要になりました。決して操縦が簡単というわけではないヘリコプターでも、練習すれば人力で何とか制御できていました。ところが、マルチコプターの制御はそれ以上に困難だったのです。

図1:ドローンの内部構造

図1:ドローンの内部構造

安定化を実現するため、当初搭載されていたのはジャイロでした。ジャイロというのは、角速度(1秒間に回転した角度)を検出するもので、機体における3軸の回転を検出することによって機体の安定化を図ります。これは、安定化の最も基本的な考え方となります。

現在のドローンでは、外界のさまざまな事象を検出することによって、単に機体の安定化だけではない、より高度な自動制御が行われています。かつて、フライトコントローラのハードウェアやソフトウェアはオープンソースのものが主流を占めていました。現在でも、ホビー分野ではオープンソースのものが多用されています。一方、メーカー製ドローンではより制御の高度化を図るため、フライトコントローラには専用のハードウェアやソフトウェアを用いており、プログラムも公開されないブラックボックス化が進んでいます。

オープンソースのフライトコントローラソフトとして、代表的なものにMulti Wii、Beta Flight、Clean Flight、ArduPilotなどがあります。市販されているフライトコントローラのハードウェアを購入する際には、どのソフトに対応しているかを確認する必要があります。

2. 使用されるセンサ

フライトコントローラには、各種のセンサが使われます。最近では、カメラを使った画像認識が多くなっています。搭載されているセンサの種類や数が多いほど、より高度な制御が可能になるといえます。以下、代表的なセンサを紹介します。

・ジャイロ、加速度センサ
ジャイロは角速度を、加速度センサは加速度を検出します。この2つは、機体の安定化を主眼に使われます。3軸ジャイロ+3軸加速度を合わせて6軸センサと呼ばれることもあります。

・距離センサ
距離センサは、離着陸時に地面からの距離を検出したり、ホバリング(空中で停止している状態)時の高さを検出したりするのに用いられます。距離センサにはいくつかの方式があり、光学式(PSD:Position Sensitive Detector)や超音波式(図2)などが代表的なものです。いずれも測定可能な距離がそれほど長くないため、地上付近での距離測定に使われます。

図2:超音波式距離センサの例(DJI Mavic Proのもの)

図2:超音波式距離センサの例(DJI Mavic Proのもの)

・高度センサ
高度センサは、機体が飛行している高さを測定するのに用いられます。一般的には、高さが上がるほど気圧が下がることを利用した気圧センサが用いられています。比較的高い高度まで利用できるので、高い位置での上下位置の安定化にも使用されます。高度の推定にはGPSも利用できるものの、あまり正確ではありません。このため、気圧センサとGPSを併用する場合もあります。

・磁石(コンパス)
ここでいう磁石は、いわゆる方位磁石のことです。半導体式の磁気センサを用いることで、地磁気を検出し方位を得ます。スマートフォンで、搭載されたコンパスによって東西南北の方位を取得するのと同じ仕組みを利用しています。

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