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エミッションとは?:EMCの基礎知識2

EMCの基礎知識

更新日:2018年10月12日(初回投稿)
著者:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 副主任研究員 渡部 雄太

前回は、EMCの概要と、その重要性を説明しました。EMC(電磁両立性)には、エミッション(電子機器が発する電磁ノイズ)と、イミュニティ(電磁ノイズに対する電子機器の耐性)の2つの性能があります。今回はエミッションに着目し、エミッションの元となるノイズ源と、EMCを考慮した設計を行う上で重要なエミッションの3要素を解説します。

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1. エミッションの種類

EMCはエミッションとイミュニティの2つの性能に分けられます。エミッションも、2つに大別されます。放射エミッションと、伝導エミッションです(図1)。

図1:エミッションの種類

図1:エミッションの種類

放射エミッションとは、電磁ノイズが筐体(きょうたい)やケーブルから空間へと放射されることです。比較的高周波の電磁ノイズ(多くの規格では30MHz以上)が該当し、測定の際はアンテナを用いて受信します。一方、伝導エミッションは、電磁ノイズが電源ケーブルやLANケーブル経由で伝わることです。放射エミッションに比べて低周波(多くの規格では30MHz以下)の電磁ノイズが、他の無線機などにケーブル経由で直接影響を与えます。電線などの長いケーブルから放射されることもあります。測定の際は、放射エミッションのようにアンテナは使わず、疑似電源回路網(AMN:Artificial Mains Network)などを通じて、電磁ノイズのみを抽出します。このようにエミッションは、周波数の違い、電磁ノイズの伝わり方の違いにより、2つに分けられています。

2. エミッションのノイズ源

エミッションは、電子機器から発せられる電磁ノイズで、無線機の通信妨害などを引き起こす現象です。しかし、全ての電子機器が電磁ノイズを発するわけではありません。例えば、白熱電球とLED電球は、どちらも発光する製品です。このうち、電磁ノイズを発生させるのはLED電球のみで、白熱電球は電磁ノイズを全く発しません。

白熱電球は、電圧を印加することでフィラメントが赤熱し、発光します。直流、交流どちらの電源も利用可能で、通常は50Hz、または60HzのAC電源が用いられます。このように、最大でも60Hzの低周波数しか使用せず、ノイズ源を持たない白熱電球は、電磁ノイズを放射しません。

一方のLEDは、直流の順方向の電圧を印加した際に発光する半導体素子です。直流で動いているなら、電磁波を発生しないと思うかもしれません。しかし、EMC対策をしていないLED電球は、大きな電磁ノイズを発生します。では、LED電球のどの部分でノイズが発生しているのでしょうか? 図2に、LED電球の概略図を示します。LED電球は、AC電源が入力される口金部、LED部に給電する直流電圧(DC)を、交流電圧(AC)から作り出す電源部、発光するLED部の3つに分けられます。

図2:LED電球の概略図

図2:LED電球の概略図

LED部と口金部には、電磁ノイズを発生する要素はありません。電磁ノイズの発生源は、電源部です。電源部に用いられているスイッチング式のAC/DCコンバータがノイズを発するのです。このような方式の電源を、スイッチング電源といいます。交流電圧を整流し、数kHzのスイッチングにオン・オフすることで、所望する直流電圧を得られます(実際のLED電球では、さらに複雑な制御が行われています)。

かつて使われていたトランス式電源は、トランスを用いて降圧し、整流を行うことで所望の直流電圧を得ていました。スイッチングを行わないため、電磁ノイズを発生しません。しかし近年では、省エネや入力電圧の広範囲化、小型化などの理由から、一般的にスイッチング電源が使われます。特にLED電球のような小型の電源には、ほぼ全てにスイッチング電源が用いられています。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. エミッションの3要素

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

協力:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

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