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公害防止管理者法と環境アセスメント制度:環境と公害の基礎知識2

環境と公害の基礎知識

更新日:2016年7月22日(初回投稿)
著者:株式会社プリティクション郷事務所 兼 化学工学会SCE・Net 郷 茂夫

前回は、日本の公害問題と規制法令の変遷、および環境基本法について解説しました。今回は、公害防止のための組織と、環境への影響評価に関する2つの法律「公害防止管理者法」と「環境影響評価法」について解説します。そして近年における環境問題の多様化の概要を見ていきます。

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1. 公害防止管理者法

最初に取り上げる「公害防止管理者法」は、正式名称を「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」といいます。この法律の狙いは、特定工場における公害防止組織の整備と、それにより公害防止の施策を支えることにあります。

公害防止管理者法の対象業種と対象工場(特定工場)
公害防止管理者法の対象となる工場を「特定工場」といいます。特定工場に該当するのは、製造業(物品の加工業を含む)、電気供給業、ガス供給業、および熱供給業のいずれかの業種に属し、かつ政令で指定する、ばい煙発生施設、汚水等排出施設、特定粉じん発生施設、一般粉じん発生施設、ダイオキシン類発生施設などを設置している工場です。正確な対象施設名(数は非常に多い)については、法令書を参照してください。大切なことは、特定工場では、公害防止管理者などの選任が必要ということです。

なお、公害防止管理者法の対象となる工場を「特定工場」と呼ぶのに対し、水質に関わる「水質汚濁防止法」の対象となるのは「特定施設」です。用語が紛らわしく、両者の定義の違いはやや複雑ですが、多くは重複しています。正確には法令書を参照してください。

管理者の選任要件、選任期限
公害防止管理者法で定められている管理者の選任要件や、選任期限などを、表1にまとめます。

表1:公害防止管理者法で定められている管理者の選任要件、選任期限
区分選任の要件、禁止事項選任・届出期限
公害防止統括者常時の従業員が21人以上の特定工場は、公害防止統括者を選任しなければならない、複数工場の兼任が可能、ただし、小規模事業者(常時使用する従業員の数が20人以下であること)は選任不要。事由発生日から30日以内に選任し、選任した日から30日以内に都道府県知事に届出
公害防止管理者特定工場のばい煙発生施設または汚水等排出施設等の区分ごとに、公害防止管理者を選任しなければならない。ただし、2つ以上の工場について同一の公害防止管理者を選任してはならない。 なお、施設の区分の詳細については法令書を参照のこと。事由発生日から60日以内に選任し、選任した日から30日以内に都道府県知事に届出
公害防止主任管理者公害防止主任管理者 ばい煙発生施設および汚水等排出施設の両方が設置されている場合で、排出ガス量が毎時4万m3以上で、かつ排出水量が1日当たり1万m3以上の特定工場は、公害防止主任管理者を選任しなければならない。ただし、2つ以上の工場について同一の公害防止主任管理者を選任してはならない。 同上
上記の代理者上記の該当管理者が旅行、疾病、その他の事故によってその職務を行うことができない場合に、その職務を行う代理者を選任しなければならない。上記該当と同じ
従業員特定工場の従業員は、公害防止管理者などの必要な指示に従わなければならない。

管理者の職務内容、資格の要否
公害防止管理者法で定められている管理者の職務内容や、資格の要否を、表2に示します。

表2:公害防止管理者法で定められている管理者の職務内容、資格の要否
区分職務内容など国家資格の要否
公害防止統括者特定工場の公害防止に関する業務を統括・管理する。(いわば、工場の公害防止の最高責任者)公害防止管理者資格は不要
公害防止管理者例えば、燃料や原材料の点検や測定などで、公害防止に関する技術的な業務を担当する。その業務内容は、特定工場の種類に応じて具体的に定められている。(※後続の大気汚染対策、水質汚染対策の基礎知識で解説予定)公害防止管理者の有資格者に限る
公害防止主任管理者一定規模以上の特定工場(表1参照)で、公害防止統括者を補佐し、公害防止管理者を指揮・監督する。同上

改善命令、罰則
特定工場が法令の規定に違反した場合、都道府県知事は、各特定工場の公害防止管理者または代理者などの解任を命じることができます。排水基準に適合しない場合は、特定工場の対象施設の構造、使用方法、処理の方法の改善や、対象施設の使用や排出の一時停止を命じることができます。また、不選任、未届出、命令違反、虚偽報告などに対しては罰則があります。

公害防止管理者の果たす今後の役割
公害防止管理者制度検討会報告書(平成16年3月)の中で、事業者などへのアンケート調査結果がまとめられています。それによると、公害防止管理者は、本来業務に加えて、地方公共団体や住民とのコミュニケーション、企業内での環境教育に寄与していること、さらに環境マネジメントシステム(EMS)構築にも少なからぬ役割を果たしてきたことが明らかになっています。

今日、有害化学物質、廃棄物、温暖化など環境問題の範囲は広がり、法規制対応とともに自主管理を推進し、社会的責任を果たすことが企業に求められています。公害防止管理者が、環境問題全般や環境管理方策についても広く知識を持ち、それらの活動に携わることは、今後の事業所における公害防止、環境管理の推進に役立つものと期待されます。

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2. 環境影響評価法(環境アセスメント制度)

日本のさまざまな公共事業や大型建設事業に対する環境影響評価は、1970年代より個別法または行政措置で行われてきました。しかし、制度的不統一による問題を取り除くため、1984年に政府が「環境影響評価実施要項」を決定しました。ただ、要項の管轄の分散状態と環境基本法で環境影響評価の推進がうたわれていることから、1997年に「環境影響評価法」が制定され、さらに2011年に大幅改正がありました。

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3. 近年の環境問題の多様化

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