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連続の式とベルヌーイの定理:流体力学の基礎知識(内部流れ編)2

流体力学の基礎知識

更新日:2019年3月1日(初回投稿)
著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は、流体と流れの概論と、流体を表す基礎式を解説しました。今回は、流れを表すさまざまな公式を取り上げます。まずは、流量と流速から見ていきましょう。

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1. 流量と流速

流体がどのような速さで、どの方向に動くかを表す物理量には、流体の速度、いわゆる流速があります。流速は、単位時間当たりの流体の移動距離で表され、単位はm/sです。流速は場所と時間によって複雑に変動します。ただし、管路のような内部流れでは、一方向の流れに近似して考えることができます。

図1:管路内の流量と速度

図1:管路内の流量と速度

例えば、図1の断面積Aを通るx軸方向の流速は、管壁からの粘性による摩擦せん断応力や、管路の曲がり形状の影響を受けるため、断面上の位置により異なります。このような微小面積dAを通る流速uを、断面積Aにわたり面積分すると以下の式で表すことができます。このQを体積流量、あるいは単に流量と呼びます。

これに対し、時間的に変動がない断面平均流速vを考えた場合、定められた時間tcの間に、断面積Aを通る流体の体積V、すなわち流量Qは以下の式で表すことができます。

2. 圧力とせん断応力

流体の挙動を記述するために不可欠な物理量として、圧力とせん断応力があります。圧力pとせん断応力τは、それぞれ、流体中の壁や仮想の面の単位面積当たりに働く力の法線方向と接線方向の成分と定義され、単位はパスカル(Pa)です(図2)。

図2:圧力とせん断応力

図2:圧力とせん断応力

圧力pとせん断応力τが、面積Aにわたり均等であるならば、以下の関係式が成り立ちます。Fnは面に垂直に作用する力Ftは面に平行に作用する力です。

圧力の大きさを表すには、基準圧の取り方によって2つの方法があります。1つは、完全真空を基準とする絶対圧力pA、もう1つは、大気圧po(1013hPa=0.1013MPa)を基準とするゲージ圧力pGで、以下の式で表すことができます。

また、両者の関係は、図3のように表すことができます。大気圧よりも低い圧力状態を真空といい、真空状態での負のゲージ圧を負圧、正のゲージ圧を正圧と呼びます。また、流体機器で用いられる圧力の国際単位系(SI)には、メガパスカル(MPa:Paの106倍)、またはキロパスカル(kPa:Paの103倍)があります。

図3:絶対圧力とゲージ圧力の関係

図3:絶対圧力とゲージ圧力の関係

静止流体中の圧力には、以下の3つの特徴があります。3番目は、パスカルの原理として知られています。

1:空間において、任意の点における圧力の大きさは、全ての方向に無関係に等しい。

2:圧力は面が平面であれ、曲面であれ、その面に対して垂直方向に作用する。

3:密閉容器内の流体の一部分に与えられた圧力は、損失なく全部分へ伝達される。

図4の連結管を例に、パスカルの原理を説明します。

図4:連結管によるパスカルの原理の説明

図4:連結管によるパスカルの原理の説明

左側の小さい面積aのピストンに力fが加わると、シリンダ内に圧力p=f/aが発生します。この圧力pは連結管を経て、右側の大きい面積Aのピストンに同じ大きさで伝達し、以下に示す式のように、壁面からの反力Fを生み出します。従って、連結管を用いることで、ピストンの面積比A/aに応じて力を増幅することが可能です。

3. レイノルズ数

流体機器内での流れを特徴付ける様相に、層流と乱流があります。これらは、レイノルズ数という無次元量により決まります。1883年にイギリスの物理学者レイノルズ(Osborne Reynolds)は、管内の流れの状態を調べるために、着色液と水が流れる透過性のガラス管装置を考案、および製作し、歴史的に重要な流れの可視化実験を行いました。

ガラス管の絞り弁を全閉から徐々に開けると、断面平均流速vが遅い状態では、着色液はガラス管内で明瞭な一条の流線を形成します(図5の上)。さらに絞りを開けても、流量が少ないときには流れの状態は変わりません。しかし、ある平均流速vcに達すると、ガラス管の途中から、着色液は急に周辺の水と混合しながら拡散し、ガラス管全体に充満します(図5の下)。前者の流体粒子が層状となる流れが層流、後者の流体粒子が不規則な運動する流れが乱流です。

図5:層流と乱流

図5:層流と乱流

また、流れが層流から乱流に移る状態を遷移といい、その流速vcを臨界流速といいます。レイノルズは、実験装置のガラス管の直径や、水温などを変えて実験を行い、層流から乱流に遷移する現象は、次式の無次元数Reに依存することを発見しました。

この無次元数Reをレイノルズ数といいます。ここに、dは管の直径、vは管内の断面平均流速、νは流体の動粘度、μは流体の粘度、ρは流体の密度です。特に、遷移が起こり始めるレイノルズ数を臨界レイノルズ数Recと呼び、臨界流速vcとの間には以下の関係があります。

実験によれば、乱流から層流に遷移する臨界レイノルズ数は、管内流れにおいて、Rec=2320以下の値を示すとされ、信頼できる実用値として用いられています。

ただし、層流から流速を上げて乱流になるときと、乱流から流速を下げて層流になるときでは、この臨界レイノルズRecは異なり、流れの形態や実験条件によっても大きく変化します。なお、レイノルズ数Reとは、流体の持つ慣性力Fiと粘性力Fvの比であり、相似則から、以下のように定義されます。

4. 連続の式

流体機器内の流れの状態が時間とともに変化せず、質量mの流体が定められた時間tcの間に断面積Aを通過するならば、Qmは、密度ρ、および流量Qを表す式により、以下のように表され、このQmを質量流量といいます。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. ベルヌーイの定理

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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