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すきま流れ:流体力学の基礎知識(内部流れ編)3

流体力学の基礎知識

更新日:2019年3月15日(初回投稿)
著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は、流れを表すさまざまな公式を紹介しました。今回は、すきま流れを解説します。流体機器の各所には、多くのすきまが存在しています。これらのすきまは、漏れや粘性摩擦抵抗を発生させ、動力損失を引き起こします。

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1. 静止平板間の流れ

まず、静止平板間の流れを解説します。図1は、静止平行平板間の流れの模式図です。

図1:静止平行平板間の流れ

図1:静止平行平板間の流れ

粘性力と圧力による力の釣り合いを考慮し、ニュートンの粘性法則τ=μ(du/dy)を適用すると、平板間の流速は以下の式で表すことができます。

この速度分布は、同図に示すように放物線で表されます。このような流れを、2次元ポアズイユ流れといいます。また、この式を、y=0からy=hまでyに関して定積分し、流れ方向の平板の長さlに対してΔpの圧力降下があるとすれば、平板幅bを持つ流量Qの式は次式になります。

平行平板を流れる流量Q(単位:m3/s)は、平板の幅b、圧力降下Δp、平板間の距離hの3乗に比例し、流体の粘度μ、平板の長さlに反比例します。

2. 移動平板間の流れ

流体機器内の流れでは、壁面が静止せずに移動していることがあります。その場合の漏れ流量や、壁面摩擦損失を見積もることは重要です。図2は、下板が固定され、上板がx軸の正方向に速度u=+Uで移動している平行平板間の流れです。

図2:移動する平行平板間の流れ

図2:移動する平行平板間の流れ

このとき、流体の速度uは、以下の式で表されます。

右辺の第1項u1は2次元ポアズイユ流れです。また、第2項u2はクエット流れ(第1回参照)を意味しています。すなわち、この流れは、図2に破線と細線で示すように、圧力勾配によって生じる2次元ポアズイユ流れ(速度u1)と、壁面の移動によるクエット流れ(速度u2)を合成し、重ね合わせたもの(速度u=u1+u2)です。この流れによって生じるせん断応力τは、流れ方向の平板の長さlに対してΔpの圧力降下があるとすれば、上式をyで微分し、ニュートンの粘性法則 τ=μ(du/dy)を用いることで、次式が得られます。

下壁面y=0、上壁面y=hでの各壁面せん断応力τ0は、以下となります。

上式で、U=0とすると静止平板間でのせん断応力が求められます。また、壁面せん断応力τ0に対象の面積を掛けることで、粘性摩擦力による損失を算定できます。

3. 環状すきま流れ

図3は、同心環状すきま流れの模式図、および展開図です。図3の左は、半径rのピストン外面と半径Rのシリンダ内面によって構成される同心環状の狭いすきまhを示しています。このすきまhに、粘度μの流体が左から右へ流れているときの漏れ流量Qについて考えてみましょう。

図3:同心環状すきま流れ

図3:同心環状すきま流れ

図3の中央で、ピストンとシリンダが同一中心軸上にある場合、円環状の狭いすきまhは、ピストンやシリンダの半径に比べ、非常に小さい値となります(h<<r、h<<R)。そのため、円環部を平面に引き伸ばせば、幅bが2πR(≒2πr)の2次元ポアズイユ流れで近似ができます(図3の右)。よって、前述の流量の式について、平板幅b=2πRに置き換えると、同心の環状すきまを流れる漏れ流量Qは、以下のようになります。ここに、Δpはシリンダ長さlでの圧力降下、hは平均すきまで、h=R-rです。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 放射状すきまの流れ

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