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食品添加物の安全性:食品添加物の基礎知識5

食品添加物の基礎知識

更新日:2018年4月25日(初回投稿)
著者:武庫川女子大学 生活環境学部 教授 松浦 寿喜

前回は、食品添加物が食品衛生法で、どのように分類されているのか、その経緯から今後の展望までを解説しました。今回は、食品添加物の1日摂取許容量と使用基準とは何か、これらを定める基準となる毒性試験の方法について、説明します。

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1. 食品添加物の1日摂取許容量

食品添加物の1日摂取許容量とは、ヒトがある食品添加物を一生涯、毎日摂取しても悪影響が出ない範囲に算出された、1日当たりの摂取量のことです。基本的に全ての化学物質(ヒトや食品を構成する化学物質も含めて)には、何らかの毒性があります。砂糖や塩であっても、多量に摂取すれば毒性が確認されます。その毒性は、摂取量や摂取期間などに影響されます。一般に、化学物質が生体に与える反応は、投与量に関連しており、これを用量-反応曲線(図1)といいます。

図1:化学物質の用量‐反応曲線

図1:化学物質の用量‐反応曲線

例えば頭痛の時に、頭痛薬を1回2錠飲んだところ、すっきりと痛みが取れたとします。この2錠という投与量は、薬の効果が発動する作用量です。同じ頭痛薬を1/100錠にして飲んだ場合、頭痛は治まりませんでした。この投与量は、無作用量です。20錠飲んだ場合には、嘔吐(おうと)、全身倦怠(けんたい)感、発汗などの初期症状の後、重篤な副作用を起こします。この量は、中毒量になります。もしさらに投与量を極端に増やした場合、死に至る場合もあります。この量は、致死量となります。化学物質の投与量を増やしてゆき、生体に反応が現れない最大量をしきい値といい、これは化学物質の種類によって異なります。

食品添加物の1日摂取許容量は、実験動物を用いた毒性試験の結果を、ヒトに外挿して求められます。動物実験により得られた毒性試験の結果から、無毒性量が求められます。無毒性量は、ある食品添加物を長期にわたって実験動物に投与しても、何の影響も認められない最大投与量のことです。しかし、実験動物の値をそのままヒトに当てはめることはできません。そこで、安全係数が用いられます。安全係数とは、実験動物で行った毒性試験の結果を、ヒトに当てはめる場合に用いる経験値で、通常、実験動物とヒトとの種差を10倍、個人差を10倍と考え、これらを乗じた100倍を安全率として用います。つまり、無毒性量を安全係数(通常100)で除した値が、ヒトの1日摂取許容量となります。なお、無毒性量については、第3章の毒性試験の項目で、詳しく説明します。

2. 食品添加物の使用基準

食品添加物の安全性を確保するためには、食品添加物に有害な不純物が含まれていないことや、使用量が適切であることが絶対条件です。品質確保のため、食品添加物には食品衛生法によって成分規格が定められており、純度や副産物の上限値が設定されています。

また、食品添加物の使用量も、食品衛生法の使用基準によって制限されています。しかし品質が十分に確保され、安全性が確認されている食品添加物でも、異なった食品から同じ食品添加物を摂取した場合、総量が1日摂取許容量を超える可能性も考えられます。そこで、いろいろな食品を摂取しても、食品添加物の合計が1日摂取許容量を超えないように、使用基準が定められています。食品添加物を使用できる食品の種類、使用量、使用目的および使用方法などを制限しているのです。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 毒性試験とは

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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