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4つの関門を突破するツール:FTA/FMEA再入門の基礎知識4

もったいない!FMEA/FTAの実態:FTA/FMEA再入門の基礎知識1

更新日:2016年6月15日(第2版)
著者:安信経営工学研究所 柴田 義文

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前回は、下方機能展開の方法とFTA実施のポイントを解説しました。今回は、FTAとFMEAの展開のコツを解説します。そして、温泉(FTA/FMEA)の効能を引き出すために必要な、4つの関門を突破するツールについて解説します。

1. 基本設計:FTAで構造を考える

これまでの解説をもとに、基本(構想)設計手順をまとめると図1のようになります。

図1:基本設計の手順

図1:基本設計の手順

はじめに、製品の任務・機能を明確化します(図1の手順1)。マイナーチェンジであれば、任務・機能を再確認します。新規設計と同様に上方機能展開(手順2)を行い、新しい機能や原理を考えることは、画期的な品質改善につながる可能性があるからです。上方機能展開が終了したところで、任務から引き出された要求仕様(機能)や開発原資を考慮して、開発する製品を絞り込みます。

次に、下方機能展開をして機能ブロック図を描きます(手順3)。マイナーチェンジの場合は、既存の部品・ユニットはあくまでも候補の1つとして扱います。そして機能ブロック図を見ながら、FTAを作成し、検討します(手順4)。このとき、機能ブロック図が直列のみであれば、作成されたFTAはORゲートばかりで構造的に弱いことが分かります。

そして、最後に弱点の対策を行います(手順5)。弱点の要素を並列構造にすることや、要素の信頼性を高めることを検討します。さらに安全を高めるために、並列化された部品、または機能の独立性や多様性を検討します。

多様性とは、具体的には単に同じ部品を並列に配置するのでなく、一方の部品の設計者やメーカーを変更することです。つまり並列の部品が同じ欠陥を持つことで、同じ原因で同時に発生することを故障することを防ぎます。

このようにFTAは、上方機能展開により引き出された原理や機能の弱点を顕在化させます。FTAを作成するときには、下方機能展開の機能ブロック図や部品構成図を使います。しかし、これらの図に描かれていない故障の原因も考える必要があります。

ユーザー(外部)環境ストレス(ヒューマンエラーも含む)や、製品および部品の内部環境ストレス(材料の組み合わせや加工・組み立てによるストレス)です。FTAで抽出された懸念点の検証は、実験や分析で確認します。これで、製品の対策候補が妥当なのかを判断し、見直すこともできます。

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2. 詳細設計:FMEAで管理する

詳細設計の手順は、図2のとおりです。

図2:詳細設計の手順

図2:詳細設計の手順

再度、下方機能展開をすることで、基本設計で決まっていなかった機能ブロック図の各機能を満たす部品やユニットの候補を決め、部品構成図を作成します(図2の手順1)。次に、FMEAを展開し、部品・ユニットを抽出し、故障モードや故障による影響、その原因を整理します(手順2)。その際、図3のFMEAフォーマットを使って展開し、改善・管理していきます。

図3:FMEAのフォーマット例

図3:FMEAのフォーマット例

一般的なフォーマットの項目は、機能、部品、故障モード、原因、上位への影響、致命度評価、等級、対策などです。致命度評価は、発生率(F1)と影響度(F2)および検知度(F3)の掛け算による優先数を等級として、格付けしたものです。優先数は、英語ではRPN(Risk Priority Number)といい、日本語では危険優先数と呼ばれます。(次回、優先数の詳細を解説します)

最近はExcelでFMEAを作成することが多いでしょうから、そのフォーマットに従って、左から右へと項目ごとに、想像を膨らませながら、記入していきます。ただし、注意すべきは、機能、部品を記入した後、理想では原因を想像することから始めることです。そこから故障モード、上位への影響を考えていけば、文字通りのボトムアップの展開になります。しかし、多くの市販テキストやセミナーでは、故障モードの後、逆行してトップダウンで原因を考える方法を教えています。

フォーマットも、故障モードの次が原因です。そのため、厳密にボトムアップとはいえず戸惑う人もいるでしょう。そこで、図3はボトムアップとなるように配列しました。原因から故障モードを考えていけば、ボトムアップの展開になります。ここでは故障モードから始めて、上位の影響を考えていきます。致命度評価で高いものだけ、原因を考えるということもできます。

原因は、故障メカニズムとして見ていくと、1次原因、2次原因…と深い階層まで展開されます。FMEAのフォーマットは、影響や原因の階層をどこまで考えるかにより、項目(階層)が決められています。全てをカバーするフォーマットは使われていません。

そこで、階層を図4のようにシステムレベルとユニットレベルの2つに区切って、 2段階でFMEAを行うことを推奨している人もいます。さらに、開発ステップごとにFMEAを行う方法もあるですが、実際にはそこまではできないでしょう。そこで、どの階層の原因をフォーマットに書き込むか迷った場合は、対策が思い浮かぶ原因を選びましょう。

次に、部品の故障モードが、上位の製品の故障モードへどのように影響を与えるかを考えます。さらに、製品の故障モードから発展させて、災害や人への危害に波及するかを考えると、安全解析のFMEAとなります。ここで、部品故障モードの上位への影響度により、部品管理の優先順位を考えます。部品の選択と評価がカギとなる手順4~手順6の詳細は、次回説明します。

図4:FMEAとFTAの階層との関係

図4:FMEAとFTAの階層との関係

図4はFMEAとFTAの階層との関係を示しています。FMEAは、FTAのように深い階層まで展開されていないことが理解できます。一般的に、FMEAの後にFTAを行うことが勧められています。全てのFTA展開は、時間との兼ね合いで不可能です。そこで、対策を間違わないように、致命度評価で優先順位の高い故障モードについてFTAを展開すればよいでしょう。

3. 4つの関門を突破するためのツール

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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