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固体高分子型燃料電池を構成する材料:燃料電池の基礎知識4

燃料電池の基礎知識

更新日:2020年3月6日(初回投稿)
著者:敬愛(けいあい)技術士事務所 所長 森田 敬愛(もりた たかなり)

前回は、主な燃料電池の種類と発電原理について解説しました。今回は、その中でも特に一般家庭や自動車用途に導入が進む固体高分子形燃料電池(PEFC)のセル構造と、そこに使われる材料について解説します。

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1. セルの構造

図1にPEFCのセル構造の概要を示します。電池を英語でセル(cell)と呼び、負極・正極を含めさまざまな材料を組み合わせて構成された最小単位を単セルと呼びます。この単セルを数多く積層したものがスタック(stack)であり、家庭用燃料電池や燃料電池自動車に組み込まれ、発電を行っています。

図1:PEFCのセル構造の概要

図1:PEFCのセル構造の概要

単セルの構成材料は、まず中心に電解質となる固体高分子膜(厚さ数10μm程度)があり、その両面に負極層と正極層(それぞれ厚さ数10μm程度)が形成されます。ここには、各極の電気化学反応を進めるための触媒(基本的にはPt触媒)が含まれています。その外側には、炭素繊維で作られたカーボンペーパーなどの多孔質体層(厚さ数10μm~百数10μm程度)が、ガス拡散層として配置されます。そして、これらを一体化したものが膜ー電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)です。このMEAを積層してスタックを作るために、ガス流路が形成されたセパレータ(厚さ約0.5~数mm程度)が各MEAの間に配置されます。

燃料電池自動車では、限られた空間にスタックを収めるため、単セルの厚さをできるだけ薄くし、スタックの寸法をコンパクトにすることが求められます。そのため各部材の厚さを薄くする必要がありますが、それによって例えばセパレータでは機械的強度が低下してしまいます。また固体高分子膜では、薄くすることでセルの内部抵抗を低減できますが、一方で機械的強度の低下はもちろん、水素と酸素が膜を通り抜ける現象(ガスクロスオーバー)が起こり、化学的劣化が進みやすくなります。電池性能や耐久性などのさまざまな要求特性を満たすために、各材料の開発とそれらの組み合わせの検討が長年続けられ、現在の家庭用燃料電池や燃料電池自動車の一般販売に至りました。もちろん、現在も各材料のさらなる改良が続いています。

2. 電極触媒

燃料電池の性能を大きく左右するのが、負極と正極に使われている電極触媒です。いわば燃料電池の心臓部といってもよい材料です。比較的低温(80℃程度)で稼働するPEFCでは、負極の水素酸化反応と正極の酸素還元反応を速やかに進めるために、高活性な触媒としてPtが基本的に使われます。負極よりも正極の反応の活性化エネルギー(反応を進めるために超える必要のあるエネルギーの山)が大きいため、正極の触媒活性をより高める必要があります。

触媒反応は物質の表面で起こるため、触媒の活性を上げるためには、その表面積を大きくする必要があります。つまり、Pt材料をより小さな粒子にして使うことが求められます。しかし、単純にPtを小さな粒子にしようとすると粒子同士が凝集し、触媒として働く露出表面は逆に少なくなってしまいます。

そこで、小さくしたPt粒子が凝集しないように、下地材(担体と呼ばれます)となる材料の表面に分散させて固定化するという方法でPt触媒を製造します。これに加え、電極反応が速く進むためには、電子が速く移動する必要があります。従って担体には、高い電子伝導性を持ち、かつ比表面積(単位質量当たりの表面積)が大きい材料が使われます。基本的にはカーボンブラック(粉末状炭素)のような材料です。

図2に示したとおり、カーボン担体上には数nm程度の大きさのPt粒子が担持(担体の上に粒子を固体化すること)されます。担体の比表面積が単純に大きいほど良いというわけではありませんが、小さすぎるとPt粒子が凝集してしまうため、適度に大きな比表面積をもつ担体が用いられます。

図2:電極触媒の基本構成

図2:電極触媒の基本構成

図3はカーボン担持Pt触媒の透過型電子顕微鏡写真です。写真中の小さな黒い粒がPt粒子です。計算上、直径2nmのPt粒子の比表面積は約140m2/gとなります。

図3:Pt触媒の透過型電子顕微鏡写真(平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会、燃料電池・水素分野要旨集、2016、P.4)

図3:Pt触媒の透過型電子顕微鏡写真(平成27年度NEDO新エネルギー成果報告会、燃料電池・水素分野要旨集、2016、P.4)

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 固体高分子膜

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4. 膜ー電極接合体(MEA)

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5. セパレータ

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