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防じんマスクの注意点:防毒・防じんマスクの基礎知識6

防毒・防じんマスクの基礎知識

更新日:2021年2月12日(初回投稿)
著者:半田化学プラント安全研究所 代表 半田 安(はんだ やすし)

前回は、防じんマスクの種類や基本的な性能について説明しました。今回は、最終回です。防じんマスクの使用上の注意点や注意すべき労働災害を解説します。防じんマスクは、呼吸器系の保護具として最も多く使われます。

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1. 使用上の注意点

防じんマスクはさまざまな物が市販されており、誰もが購入することができます。粉じんは、作業現場に限らずあらゆるところで発生します。花粉や飛沫も粉じんの一種のため、マスクは一般化されています。特に2020年に発生した新型コロナウイルスの流行により、飛沫防止のためのマスクは世界中に広がっていきました。ここでは、作業現場で使用する防じんマスクにおける使用上の注意点を説明します。

防じんマスクはまず、法令で定められたマスクを使用することが重要です。そして、使用環境によって、定期的な酸素濃度の測定や、複数の機能を持ったマスクの併用、定期的なフィットテストが必要になります。また、マスクの使用法が誰にとっても分かりやすくしておくことも大切です。

・法令で定められたマスクの使用
労働安全衛生法に基づき、さまざまな作業に応じた防じんマスクの規格を定めているので、それに従ったマスクを選定します。危険な粉じんが発生するような作業で使用するマスクは、性能を保証するために国家検定を受けたマスクの使用が義務付けられています。ダイオキシンを含む焼却炉での廃棄物処理作業や、放射能を含んだ粉じんが存在する除染作業、鉛を含有する鋳物部品の切断、研磨などの作業などが該当します。国家検定に合格したマスクには、合格標章が付けられているので、防じんマスクを選定・使用する際は必ず確認しましょう(第5回参照)。

・定期的な酸素濃度の測定
防じんマスクは、酸欠事故を防ぐため、必ず酸素濃度が18%以上の環境で使用します。一方、酸素濃度が21%程度あれば絶対に安全ということではありません。密閉された作業環境や換気の悪い場所では、常に酸素が十分にある状態を保つとは限りません。そういった環境では、酸素の少ないガスを吸い込むことにより、あっという間に酸欠を起こして気分が悪くなったり意識を失うこともあります。酸素濃度が不明な場所では、必ず酸素ガス検知器を使って酸素濃度をチェックしてから、防じんマスクを使いましょう。防じんマスクを使用している環境では、常に定期的な酸素濃度の測定が必要です。

・複数の機能を持ったマスクの併用
通常の防じんマスクはろ過式であり、塵(ちり)をろ過して、吸い込まないようにする機能はあるものの、毒性ガスを除去する機能はありません。毒性ガスと粉じんが両方発生する場所では、必ず防毒性能と防じん性能を併せ持ったマスクを選定します。しかし、防毒と防じんの両方の性能があっても、酸素がない環境や毒性ガスの濃度が高い環境では、どんなに防毒や防じん性があっても使用できません。酸素が少なかったり、ガス濃度や粉じん濃度が高い環境であれば、常に空気をマスクの中に供給する給気式マスクを使用して、安全を確保しましょう(図1)。

図1:給気式マスク

図1:給気式マスク

・定期的なフィットテスト(装着状況確認)
フィットテストとは、顔に当たる「面体」と呼ばれるマスク部分が、隙間なく顔に密着しているかどうかを確認することです。顔面とマスクの間にわずかでも隙間があると、粉じんを面体の中に吸い込んでしまう危険があります。夏の暑いときには、汗を取るためのタオルを頭などに巻くこともあるかと思います。面体にタオルなどを当てた上から防じんマスクを装着すれば、やはり、面体と顔面の密着性を損ないます。密着性が悪ければ、呼吸をするたびに粉じんが面体の中に入り込んでしまいます。フィットテスト(装着状況確認)を定期的に行い、顔面との気密が良好なことを確認してから、作業に入りましょう。

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2. 注意すべき災害事例

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