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発電機とは:発電機の基礎知識1

発電機の基礎知識

更新日:2019年4月18日(初回投稿)
著者:秋田県立大学 名誉教授 穴澤 義久

発電機は、機械的エネルギーを電気エネルギーに作り変えるための装置です。自転車の前輪に取り付けられたライトは、タイヤの回転運動を電気に変換する身近な発電機です。発電機には、その規模にかかわらず、磁石とコイルが用いられ、そのいずれかを動かすことで発生する電気(起電力)を利用するものです。本連載では7回にわたり、発電機の基礎知識を解説します。第1回は、発電機の種類とその原理について紹介します。

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1. 発電機の種類とその原理

発電機には、直流発電機、誘導発電機、同期発電機などの種類があります。直流発電機は、機械的な動力を直流電力に変換する電気機械です。しかし、半導体整流装置の発達により、その重要性は失われ、現在ではほとんど製造されていません。

誘導発電機は、電源に接続された誘導電動機を原動機によって駆動し、同期速度以上に回転数を上げることで、電力を得るための装置です。電力系統に接続する際、同期化の操作が必要ないため、小容量の水力発電機や風力用発電機として使用されています。

同期発電機は、火力発電所、水力発電所、および原子力発電所などで広く用いられています。本連載では、主に同期発電機について解説します。

次に、発電機が機械的動力を電力に変換する原理を解説します。磁束密度B(T)の一様な磁界の中で、磁束と直角方向に、長さl(m)の導体が速度v(m/s)で運動しているとき、導体には、e=vBlで示される起電力e(V)が誘導されます(図1)。導体の両端に外部抵抗R(Ω)を接続すると、i=e/(r+R)の電流が流れます。ここで、r(Ω)は導体の抵抗、R(Ω)は負荷抵抗です。

図1:発電機の原理

図1:発電機の原理

回路の電圧方程式e=ri+Riの両辺に電流i(A)をかけると、ei=ri2+Ri2が得られます。ここで、eiは発生電力、ri2は抵抗r(Ω)による電力損失、Ri2は負荷に供給される電力を示します。

また、導体にi(A)の電流が流れると、フレミングの左手の法則に従い、運動方向とは反対方向の力fe=iBlが発生します。よって、この電磁力fe(N)に等しい機械力を外部から加え、導体の速度v(m/s)を一定に維持する必要があります。このとき、外部から供給される動力は、p=fev=(iBl)v=(vBl)i=eiとなり、供給される動力は変換される電力に等しいことが分かります。このうち、ri2は、いわゆる銅損として損失になり、p=ri2が負荷に供給される電気的出力となります。

2. 交流起電力の発生

図2は、交流発電機の模式図です。磁極N、Sの作る磁界の中で、コイルを一定の角速度ωmで回転すると、コイル片aとa′は磁束を切るため、フレミングの右手の法則に従ってそれぞれ矢印の方向に起電力を誘導します。コイルが回転して、コイル片aがS極側に、a′がN極側に来ると、各コイル片に発生する起電力の方向が逆になります。また、コイルの両端にスリップリングS1とS2をつなぎ、ブラシB1、B2を接触させて端子A、Bに接続すると、端子A-B間には交流起電力e(V)が発生します(図2の右)。

図2:交流起電力の発生

図2:交流起電力の発生

ただし、このような構造では、磁束密度が低いので大きな起電力が得られません。そこで、コイルを円筒形鉄心のスロットに収め、この電機子を磁極の間で回転させることで、大きな起電力が得られます。また、起電力の波形を正弦波に近づけるために、磁極面の形を適切に選び、磁束密度分布を正弦波状にします。界磁極は、ごく小形のものには永久磁石を使用することもあるものの、一般的には界磁巻線を施し、励磁(れいじ)を調整できるようにします。

図2のように界磁極を固定し、電機子を回転させる同期機を、回転電機子形といいます。これに対し、電機子を固定し、界磁極を回転子させるのが回転界磁形です(図3)。回転界磁形では、2個のスリップリングとブラシを通じ、界磁電流を供給します。

図3:回転界磁形同期発電機

図3:回転界磁形同期発電機

同期機では、電機子巻線の電圧は高く、電流も大きいのが一般的です。三相巻線が用いられることが多く、巻線の絶縁や通電の関係上、回転電機子形よりも回転界磁形の方が容易に製作できます。そのため、大容量の同期機のほとんどは、回転界磁形です。

3. 極数と回転数と周波数の関係

図4は、回転磁界形の4極同期発電機です。界磁巻線は、交互にN極とS極ができるように接続されています。電機子巻線は、2組のコイル(a1、a1’)と(a2、a2’)をコイル端で直列に接続します。各コイルの両コイル辺は、磁極ピッチを隔てて巻かれているものとします。

図4:4極同期発電機と周波数

図4:4極同期発電機と周波数

コイルの誘導起電力は、NとSの一対の極の磁束を切ることによって1サイクルするため、回転子が1回転すると2サイクルします(図4の左)。よって、4極機における周波数f(Hz)は、毎秒の回転数nS s-1の2倍になります。なお、P極機における誘導起電力の周波数f(Hz)は、次のように表すことができます。 

ここで、nSは毎秒で表した回転数であり、同期速度といいます。

日本の標準的な商用周波数は50Hzおよび60Hzなので、この周波数の同期発電機が製造されています。同期発電機の回転速度は、主にこれを駆動する原動機の回転速度によって決まります。高速度を有利とするタービン発電機の多くは2極が用いられます。また、水車発電機では、水量や落差に適した水車の速度に応じ6極、8極のほか、32極、48極のように非常に極数の多いものも使用されます。表1に、同期機に用いられる極数と回転速度を示します。

表1:極数と回転数

表1:極数と回転数

4. 三相同期発電機の原理

電力の発生、輸送および利用に関しては、三相方式が優れています。そのため、一般的な同期発電機は三相発電機です。三相発電機では、巻数の等しい3つの電機子巻線(a、a’)、(b、b’)、(c、c’)を、空間的に120°の電気角を隔てて配置することで、時間的に120°の位相差を持つ三相起電力ea、eb、ecが得られます(図5)。

図5:三相同期発電機

図5:三相同期発電機

いかがでしたか? 今回は、発電機の種類とその原理を紹介しました。次回は、発電機の誘導起電力を取り上げます。お楽しみに!

 

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