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発電機の誘導起電力:発電機の基礎知識2

発電機の基礎知識

更新日:2019年5月16日(初回投稿)
著者:秋田県立大学 名誉教授 穴澤 義久

前回は、発電機の種類と原理を紹介しました。今回は、発電機の誘導起電力について解説します。発電機の誘導起電力は、コイルの巻き方によって異なります。ここでは、集中巻、分布巻、短節巻を取り上げ、それぞれの巻き方と、誘導起電力の求め方を説明します。

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1. 集中巻の場合

毎極毎相のコイル辺を1つのスロットに収めた場合、コイル辺を形成する各導体の誘導起電力間に位相差は生じません。このようなコイルの巻き方を、集中巻といいます(図1)。

図1:集中巻の模式図

図1:集中巻の模式図

図2は、界磁極が角速度ωmで左方向に移動している場合の、ギャップ磁束密度の分布を示したものです。

図2:磁束鎖交数

図2:磁束鎖交数

磁極ピッチだけ隔てたコイル辺aとa’で示される1ターンの電機子コイルの鎖交数ϕaは、ギャップ磁束密度分布の最大値をBmとすると、以下の式で表すことができます。

ここで、pは極対数(p=P/2)、lは鉄心積み厚、rは回転子半径、tp=πr/pは磁極ピッチを表します。

a相巻線の誘導起電力eaは一相の直列巻数をw1とすると、次のように表すことができます。

ここで、ω=pωmなので、ea=ωw1Φsinωtとなります。ただし、ωは角周波数(ω=2πf)、w1は電機子巻線の巻数、Φmは磁束を意味し、誘導起電力は磁束より90°位相が遅れます。誘導起電力を実効値で表すと、以下の式で表されます。

同期発電機では、誘導起電力の波形は完全な正弦波であることが望ましく、それには、ギャップの磁束密度分布を正弦波形にする必要があります。しかし、界磁極の形状だけで正弦波分布にすることは困難です。そこで、実際の発電機では、分布巻、および短節巻が用いられます。これは、電機子巻線を電機子周辺上に、均一に、効率よく施すだけでなく、起電力波形を正弦波に修正する目的も兼ねています。

2. 分布巻の場合

毎極毎相のスロット数が2個以上の場合、同じ相でも異なるスロットに巻かれているコイルの誘導起電力は、同じ位相になりません。このようなコイルの巻き方を、分布巻といいます(図3)。

図3:分布巻の模式図

図3:分布巻の模式図

図3では、毎極毎相のコイルが3個のスロットに分布されています。この場合、a相の3つのコイル(a1、a1’)、(a2、a2’)、(a3、a3’)に誘導される起電力の基本波成分ea1、ea2、ea3は、電気角で表したスロットの間隔αだけ、お互いに位相差を生じます(図4の左)。よって、これらのコイルを直列に接続したa相の合成起電力の基本波成分eaは、集中巻のときの起電力より少し小さくなります。

図4:分布巻の誘導起電力

図4:分布巻の誘導起電力

なお、図4の左図における合成起電力eaは、同右図が示すea1、ea2、ea3をベクトル的に合成したeaを縦軸へ投影したものです。よって、各コイルの起電力の大きさをeとすると、同じ電機子巻線を分布巻とした場合と集中巻とした場合の起電力の比は、kd=ea/qeで表すことができます。このkdを、分布係数といい、qは毎極毎相のスロット数といいます。

分布係数kdは、図5から、相数をmとすると、スロット間隔の電気角がα=π/mqとなることから、以下の式が得られます。

図5:分布係数の求め方

図5:分布係数の求め方

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

3. 短節巻の場合

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