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HACCPとは何か?:HACCP実践の基礎知識1

HACCPとは何か?:HACCP実践の基礎知識1
更新日:2016年6月2日(初回投稿)
著者:株式会社フーズデザイン 代表取締役 加藤 光夫

HACCP関連の製品をチェック!(イプロス医薬食品技術)

食品業界の技術者であれば、HACCP(ハサップ)という言葉を聞いたことがあるでしょう。家庭の台所では多くの場合、主婦一人が料理の全てを担当します。食品工場の場合、大量の食品製品を段階的に製造します。その過程には、異物が混入したり細菌が繁殖したりと、さまざまな危険が潜んでいます。この危険を起こす要因を分析し、製品の安全を確保するための管理法がHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点)です。

欧米では、HACCPに基づく衛生管理の制度化が進んでいます。日本でも、厚生労働省がHACCPの情報提供や導入支援などを行っています。そこで、本連載はHACCPの考え方と実践ポイントを4回にわたり、解説します。第1回目は、HACCPを行う上で必要な、安全管理の手法です。

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1. HACCPで使う2種類の安全対策とは?

HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、日本語では危害分析重要管理点と呼ばれます。工場での食品製造工程は簡単に7つの工程、原材料の箱を開ける→下処理→調理→冷却→パック→外箱に入れる→倉庫から出荷に分けられます。

HACCPでは、はじめにこの7つの工程のそれぞれで、食品にどのような危害が起こり得るのか考えます。HA(Hazard Analysis:危害分析)です。例えば、下処理工程では外箱の汚れの付着、調理工程では食中毒菌の繁殖。このように、各工程で想定される危害は異なります。各工程で危害が異なるということは、その安全対策も異なります。HACCPの安全対策では、CCPと一般的衛生管理という2種類の方法を使います。

図1:HACCPの安全管理

図1:HACCPの安全管理

CCPはCritical Control Point(重要管理点)の略であり、特に重要な工程を継続的に監視し管理する方法です。例えば、調理工程で食中毒菌を殺菌するために、中心温度が75℃以上になっているか連続的に監視することが挙げられます。CCPとは、取るべき手段の数は少なくても、食品から危害を除去する重要なポイントなのです。

一般的衛生管理は、CCPではない工程で使われます。例えば、下処理工程で箱の開け方を工夫したり、箱とゴミを接しないようにすることが挙げられます。冷却工程では、60分以内に10℃以下まで冷却するなど、手段は多岐にわたります。

CCPと一般的衛生管理という2種類の方法を用いることで、各工程での安全管理が、具体的に、かつ温度や時間などの数値で、科学的にできるようになります。漠然と「安全に製造しよう!」と考えるより、各工程に特化した安全管理を行うことで、全工程が7つとすると7重に安全な工程を作ることができます。

現場の技術者の中には、仕事が7倍増えると思った人もいるでしょう。そうではありません。確実にHACCPを実施するために記録は増えます。しかし、基本的な仕事量は同じです。

HACCP関連の製品をチェック!(イプロス医薬食品技術)

衛生に関する製品をチェック!(イプロス医薬食品技術)

2. 食品製造の流れで安全管理を考える

実際の食品製造は各工程を経たものです。その中でHACCPを実践するには、3つの安全確保のポイントがあります。1:自社工場以外も考えること、2:一般衛生管理で工場内をきれいにしたうえで、3:HACCPでとどめを刺すということです。それぞれ、詳しく説明します。

図2:食品製造と安全管理方法の流れ

図2:食品製造と安全管理方法の流れ

自分の工場以外も考える
自社工場での製造以前に、原材料の安全が確保されていることが重要です。原材料に欠陥があった場合、それを見落として製品を作ってしまえば、それは自社の責任になります。対策としては、安全な原材料を購入することと、自社での検査が挙げられます。

原材料の購入については、サプライヤーが安全を確保して、生産しているかどうかを確認します。判断する基準は、一般的衛生管理とHACCPの実施です。自社での検査は、使用する前に原材料の安全性を検査して確認します。

工場内の環境をきれいにする一般的衛生管理
安全に製造するためには、工場内をきれいにすることが不可欠です。工場内の衛生を管理することを、一般的衛生管理(PRP)といいます。PRPは、Prerequisite Programsの略で、直訳すると前提条件プログラムです。具体的な手段は、整理、整頓、清掃、清潔、しつけの5S活動、さらに洗浄と殺菌を加えた7S活動があります。

きれいにすれば、異物混入の可能性を減らすことができます。物理的異物だけでなく、細菌、毛髪、ゴミ、カビ、虫のような多く寄せられるクレームが少なくなります。一般衛生管理は、製造環境からハザード(危害と危害要因)を減少させるのです。キーワードは、「環境から減少させる」です。

しかし、一般衛生管理のみでは、完全に異物混入を防ぐことはできません。微細なもの、危険なもの、硬いものや食中毒菌が混入する危険性は残ります。

とどめを刺すのがHACCP
もし、硬いものや食中毒菌が製品に入っていた場合、それを除去するのがHACCPです。製品に起こる危害を分析(HA:危害分析)し、管理(CCP:重要管理点)し、除去するのです。

例えば、加熱調理を行う食品では、加熱で殺菌することができます。一般的には、中心温75℃以上まで加熱します。他にも、金属が混入する可能性があれば、金属探知機で検知して除去します。硬いプラスチックや食肉での骨の混入など、金属以外の物理的異物はX線検査機で発見することができます。


一般的衛生管理は、手洗い、機器道具の洗浄、整理整頓、教育訓練など、講じる手段は多岐にわたります。これに対してHACCPは、手段の数は多くありません。主な手段は金属探知機やX線検査、加熱調理で、一般的には1つの製品製造で、1~3カ所程度です。数は少ないですが、製品から危害を除去できるので、食品の安全を守るためにも重要です。実際には、これらの一般衛生管理とHACCPを組み合わせて運用します。

次回は、一般衛生管理、その中でも科学的な管理方法(OPRP)について詳しく解説します。お楽しみに!

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