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油圧の基礎知識

油圧の基礎知識

著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

油圧は、加圧した油を介して動力の伝達を行う技術です。小さな力を大きな力に変えることができ、ジャッキや自動車のブレーキ、パワーショベル、エレベータなど、さまざまな装置や機械で利用されています。本連載では、油圧を初めて学ぶ方にも分かりやすいように、油圧の原理や油圧機器について解説します。第1回では、パスカルの原理と油圧システムについて説明します。

第1回:油圧の原理と油圧システム

1. パスカルの原理

パスカルの原理とは、「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、ある一点に受けた単位面積当たりの圧力をそのままの強さで、流体の他の全ての部分に伝わる」という、流体力学の基本原理です。油圧を理解するために必要な知識です。図1に示す密閉容器でパスカルの原理を考えてみましょう。密閉容器には液体が満たされ、断面積 Aのピストンが取り付けられています。

図1:パスカルの原理

図1:パスカルの原理

ピストン上面に、力Fが垂直に作用すると、ピストン下面での圧力はP=F/Aで計算されます。ここで、圧力P、力F、面積AのSI単位は、それぞれPa、N、m2です。パスカルの原理により、圧力Pは液体の全ての点に等しい大きさで伝わり、密閉容器を内側から押します(図1)。油圧ジャッキは、パスカルの原理を利用しています。図2に、油圧ジャッキの原理を示します。

図2:油圧ジャッキの原理

図2:油圧ジャッキの原理

油圧ジャッキで力が増幅する原理を、図2を用いて説明します。手動でレバーに操作力fを与えると、力 F1がピストン1に加わり、ピストン下面に圧力Pが発生します。この圧力Pは、……

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2. 油圧システムの概要

油圧システムは、油圧ポンプ、油圧バルブ、油圧アクチュエータの3種類の油圧機器から構成されています(図3)。

図3:油圧システムの概要

図3:油圧システムの概要

まず、原動機(電気モータ、エンジン)から得られる機械的動力を、油圧ポンプで油圧動力に変換します。油圧ポンプ内の油には高い圧力が加えられ、用途に応じてさまざまな油圧バルブを通過します。このとき、電気信号または手動によって、圧力・流量・流れの方向を制御・調整します。作動油が油圧アクチュエータに送り込まれると、油圧動力は機械的動力に再変換されます。この機械的動力(負荷)が、必要な仕事を行います。

油圧システムは、油圧ポンプ、油圧バルブ、油圧アクチュエータなどの主要機器に加え、原動機、油タンク、管路、フィルタ、圧力計などの機器によって、構成されています。また、電気入力信号によって油圧バルブを制御する電気回路や、センサ、アンプ、……

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3. 油圧の長所と短所

油圧の特徴は、適用分野、使用用途、作動条件などにより、大きく異なります。ここでは、長所と短所をそれぞれ8つ解説します。

・油圧の長所

1:わずかな電気的操作信号を油圧機器に与えることで、位置(角度)、速度(角速度)、力(トルク)、加速度(角加速度)などを、精密・高速に制御できます。

2:負荷を駆動する力(トルク)や速度(角速度)を、独立・無段階かつ広範囲に調整できます。運動の方向も、直線・回転と自由に変えられます。

3:管路を増やしたりホースの長さを変えたりすることで、油圧のエネルギーを柔軟に配分することができます。そのため、1台の油圧ポンプで複数の油圧アクチュエータを操作できます。

4:過負荷が発生したとき、リリーフ弁から高圧油を自動的に逃がすことで、システムの安全性を確保できます。また、頑丈で耐久性があるので、外部からの衝撃にも耐えることができ、重作業などに適しています。

5:アクチュエータ単体でのパワーレート(単位時間当たりの動力:W/s)が電気駆動や空圧駆動に比べて高いため、アクチュエータの小型化・軽量化が可能です。また、可動部の慣性が小さいため、応答性を向上でき、衝撃を抑えられます。

6:作動油は、空気に比べ圧縮性がほとんどなく、極めて高い圧力まで昇圧できます。そのため、剛性の観点から、アクチュエータによる位置決め精度や応答性に優れています。

7:アキュムレータ(高圧流体を蓄えておく装置)を用いて、流体エネルギーを蓄積できます。瞬時に高圧・大容量の作動油を油圧アクチュエータに送り込み、重量物を高速に移動できます。

8:作動油は、潤滑性、防錆(せい)性に優れているため、機器やシステムの保守管理が容易です。

・油圧の短所

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第2回:作動油の種類と性質

前回は、パスカルの原理と油圧システムを紹介しました。今回は、作動油の種類と性質について解説します。油圧機器では、油を媒体として流体動力が伝達されるため、作動油の性質を理解することが大切です。

1. 作動油とは

作動油とは、油圧システムの中で、動力を伝達する媒体として使用される作動流体です。一般的に、以下のような特性が求められます。

  • 温度変化による粘度変化が少ない
  • 消泡性がある
  • 長時間使っても酸化しない
  • 防錆(せい)効果がある
  • 潤滑性・耐摩耗性がある
  • ゴム類を侵食しない
  • 燃えにくい

油圧システムによって、求められる作動油の特性は異なります。作動油の性質を理解し、油圧システムの種類に応じた適切な作動油を選択することが大切です。

2. 作動油の種類

作動油は、石油系作動油(鉱物系作動油)、合成系作動油、水溶性作動油(含水系作動油)に分類されます。また近年では、環境保護を目的とした生分解性作動油や、高含水作動液も開発されています(図1)。

図1:作動油の分類と種類

図1:作動油の分類と種類

・石油系作動油(鉱物系作動油)

石油系作動油は、精製した石油を基油(ベースオイル)として用いる作動油です。国内の油圧機器では最も多く利用されていて、一般作動油、耐摩耗性作動油、高粘度指数作動油などの種類があります。

一般作動油は、標準的な石油系作動油です。基油に、防錆(せい)剤、酸化防止剤、消泡剤を配合し、作動油としての特性を向上させています。防錆(せい)剤(Rust Inhibitor)のRと、酸化防止剤(Oxidation Inhibitor)のOを取って、R&O型作動油とも呼ばれています。

耐摩耗性作動油は、一般作動油に、極圧添加剤(高温高圧時に摩耗減少・焼付防止効果のある添加剤)や摩耗防止剤を配合した作動油です。高圧下において、互いの金属面の摩擦・摩耗の減少と焼付けを抑制します。高圧・高速な油圧システムでの使用に適しています。

高粘度指数作動油は、粘度指数(VI:Viscosity Index)が130以上の作動油です。粘度指数とは粘度の温度依存性を表す値であり、 数値が大きい作動油ほど温度による粘度変化が小さいことを示します。高粘度指数作動油は温度変化による作動油の粘度変化が少ないため、広範囲の運転温度で使用できます。油圧ポンプ起動時など低温での運転に適しています。

・合成系作動油

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3. 作動油の性質

作動油には、さまざまな物理的特性があります。表1に、石油系作動油と水の密度・動粘度・体積弾性係数・飽和蒸気圧・液中での音速を示します。

表1:作動油と水の比較
 石油系作動油
密度(kg/m3)860 ~ 920998
動粘度(mm2/s)55 ~ 2201.00
体積弾性係数(Pa)1.4×109 ~ 1.9×1092.06×109
飽和蒸気圧(Pa)0.492.34×103
音速(m/s)13001480

作動油の流体力学的性質として、密度、比重、粘度、動粘度、体積弾性係数、音速について解説します。

1:密度と比重

密度は、単位体積あたりの質量です。質量m、体積Vのとき、密度ρ=m/Vで表されます。密度ρのSI単位は、kg/m3です。

流体の密度は、圧力や温度によって変わります。一方、作動油は気体に比べて変化を受けにくいので、高圧下や過渡的な圧力変化の状況を除いて、密度が一定である非圧縮性流体と考えます(ρ=const.)。水の密度は、1atm、4℃において、ρw=1,000kg/m3です。また、比重は、水の密度ρwに対する流体や固体の密度ρの比をいい、比重s=ρ/ρwで定義されます。

2:粘度と動粘度

流体にせん断力を作用させると、内部摩擦によって流体は変形し、抵抗が生じます。流体の内部摩擦によって、流れに抵抗が生じる性質を粘性といいます。粘性を理解するために、面積Aの2つの平板が、距離hだけ離れて平行に対面し、平板の間は流体で満たされている状態を考えてみましょう(図2の左)。下の平板は固定されています。また、板面に接する流体要素は、板面に付着して滑りがないと仮定します。

図2:2つの平板間の流れ

図2:2つの平板間の流れ

上の平板に、力Ftを右方向へ加えると、速度Uで移動します。力Ftは、面積Aと速度Uに比例し、平板間の距離hに反比例します。式に表すと、Ft=μ×(AU/h)です。ここで、μは粘度(粘性係数)と呼ばれる比例定数です。粘度のSI単位はPa・sです。せん断応力τ(運動する板面が流体に及ぼす単位面積当たりの力)は、τ=Ft/A=μ×(U/h)で表されます。

板面間の流れが層流(流体が規則正しく運動している流れ)ならば、u=U×(y/h)のように、板面間の流速uは直線的に変化します(図2の右)。静止流体中で起こる速度勾配が一定の流れを、クエット流れと呼びます。

クエット流れの式で速度の変化割合U/hを、速度こう配du/dyで置き換えると、τ=μ×(du/dy)が得られます。この式をニュートンの粘性法則といい、……

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第3回:作動油の流れ

前回は、作動油の種類と性質を紹介しました。今回は、作動油の油圧機器内での流れを学ぶため、圧力・流量と、これらに関連する式を解説します。油圧機器内や油圧管路における作動油の流れを知ることで、油圧システムの動力伝達を理解し、流れによる圧力損失や漏れをできるだけ少なく抑えることができます。計算式内には、作動油の流れを決めるさまざまなパラメータが登場します。どのようなパラメータが流れに影響を与えるのか、確認しながら読み進めてください。

1. 圧力

圧力は、流体中の壁面や仮想面に単位面積当たりに働く力Fの法線方向成分です。圧力pが断面積Aにわたって均等であるならば、圧力p=F/Aで表されます。一般に、油圧で使用される圧力は、大気圧を基準としたゲージ圧力です。SI単位は、Paの106倍のMPaが用いられています。圧力のSI単位であるPaと、旧来より日本国内で利用されている工学単位kgf/cm2への変換は、9.8N/m2=1kgf/m2で求められます。よって、1kgf/cm2≒0.098MPaとなります。

2. 流量と流速

断面積Aを通るx軸方向の流速uは、管壁からの粘性摩擦や管路形状の曲がり管の影響を受けます。そのため実際の流速uは、断面上の位置により異なります(図1のオレンジ色)。

図1:流量と流速

図1:流量と流速

このとき、微小面積dAを通る流速uを、断面積Aで面積分すると、流量Qを計算できます。

流量Q

ただし、時間的に変動がない断面平均流速vを想定すると、作動油は圧縮性のない流体と見なすことができます。このとき、流量Qは各断面において一定であり、以下の式で表されます(図1のピンク色)。

Q=A1・v1= A2・v2=const.

この式は連続の式と呼ばれ、……

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3. 作動油のエネルギー

図3のような管路では、流体の持つエネルギーをどう表すでしょうか。作動油の圧縮性や粘性を考えない定常な流れと仮定すると、断面1と断面2における速度v、圧力p、高さzについて、次の式が成り立ちます。

断面1と断面2における速度v、圧力p、高さz

図3:ベルヌーイの定理

図3:ベルヌーイの定理

これを、ベルヌーイの定理といいます。ベルヌーイの定理は、エネルギーの損失がなければ、……

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4. 平行平板間と円管路内の流れ

油圧機器は各所に多くの隙間が存在し、作動油の漏れを発生させて動力損失を引き起こします。ここでは、狭い隙間の流れを学ぶために、平行平板間(図4の左)と円管路内(図4の右)の流れについて説明します。

図4:狭い隙間の流れ(左:平行平板間の流れ、右:円管路内の流れ)

図4:狭い隙間の流れ(左:平行平板間の流れ、右:円管路内の流れ)

平行平板間の流量Qは、以下の式で表されます。bは平板の幅、Δpは圧力差(p1-p2)、μは粘度、lは平板の長さ、hは平板間の隙間です。このような流れを2次元ポアズイユ流れといい、流量は隙間の3乗に比例します。

平行平板間の流量Q

一方、円管路内の流量Qは、……

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5. 絞りのある管路内の流れ

絞りとは、管路や流路の断面積を減少させる形状のことです。油圧システムや機器、流れに抵抗を与えるために絞りを利用します。絞りの長さが断面積に比べて比較的に短いものをオリフィスといい、長いものをチョークといいます(図5)。

図5:管路に設けられた絞り(左:オリフィス、右:チョーク)

図5:管路に設けられた絞り(左:オリフィス、右:チョーク)

オリフィスでは、比較的薄い板に設けられた孔から流体が噴出します。粘性を考慮しない流れを仮定すると、オリフィスを通過する流量Qは、ベルヌーイの定理より以下の式で表されます(オリフィスの式)。

オリフィスの式

Δpは、オリフィス前後の流体の圧力差でΔp=p1-p2です。αは流量係数と呼ばれ、レイノルズ数Re、オリフィスと管路の面積比、流路断面、オリフィスの形状などで異なるため、実験で求めます。オリフィスでは、流量係数はα=0.6~0.8が採用されています。ただし、直径が比較的に小さいオリフィスでは、……

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6. 圧力損失

直径がdで長さがlの真っすぐな円管路内の流れでは、層流、乱流にかかわらず、管路の圧力損失pLが生じます。圧力損失は次式で表され、動圧に比例することが分かります。

ダルシー・ワイスバッハの式

この式は、ダルシー・ワイスバッハの式といい、十分に発達した流れにおいて適用できます。λは管摩擦係数と呼ばれ、層流領域ではハーゲン・ポアズイユの式よりλ=64/Reが得られます。乱流領域では、滑らかな内壁に適用できる実験式として、……

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第4回:油圧ポンプの構造と作動原理

前回は、作動油の流れを紹介しました。今回は、作動油を吸い上げて油圧アクチュエータへと送り込む油圧ポンプを取り上げます。油圧ポンプは、メカニズムや作動油の吐出方法によって分類されます。ここでは、ほとんどの油圧ポンプで採用されている容積式ポンプおよび定容量形ポンプ・可変容量形ポンプの作動原理や特徴を解説します。

1. 容積式ポンプとは

容積式ポンプとは、ポンプ内部にピストンやシリンダなどの部品で仕切られた密閉空間(容積室)を有しているポンプのことです。容積式ポンプは、作動油を吸入・排出する機構によって、往復運動式と回転運動式に分けられます。往復運動式ではピストンが往復運動し、回転運動式はロータなどが回転運動することで作動油を流動させます。ここでは往復運動式のピストンポンプ(図1)を例に、作動原理を解説します。容積式ポンプの作動は、以下のとおり膨張行程、吸込行程、圧縮行程、吐出行程の4つの行程に便宜上分けられます。

図1:容積式ポンプの作動概念図

図1:容積式ポンプの作動概念図

・膨張行程

膨張行程では、駆動軸が回転し、ピストンが上死点より右方向に動きます。容積室は負圧になり、吸込圧力が生じます。

・吸込行程

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2. 定容量形ポンプと可変容量形ポンプ

油圧ポンプは、駆動軸1回転によって吐出す油量を変えられないもの(定容量形ポンプ)と変えられるもの(可変容量形ポンプ)に分類されます。それぞれのポンプの作動原理や特徴を解説します。

・定容量形ポンプ

定容量形ポンプは、ポンプ駆動軸が一定回転した際に、1回転当たりの理論的な吐出量(押しのけ容積)を変えることができないポンプです。駆動機構により、ギヤポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプなどの種類があります。

1:ギヤポンプ

ギヤポンプは、歯車によって作動油を吸込側から吐出側に押し出す形式のポンプです。歯車が外接するものを外接ギヤポンプ、内接するものを内接ギヤポンプといいます。今回は、ギヤポンプの中で最も一般的な外接ギヤポンプについて解説します。

外接ギヤポンプは、駆動歯車(駆動軸)、従動歯車、ボディ、前後のカバー、側板、ブッシュ、ガスケット、オイルシールなどから構成されています(図2)。フォークリフトをはじめ、建設機械・農業機械・産業機械などに用いられ、吸込性能が良く、部品点数が少ないため安価です。

図2:外接ギヤポンプ(上:内部構造図、左下:作動原理図、右下:定容量形ポンプのJIS図記号)

図2:外接ギヤポンプ(上:内部構造図、左下:作動原理図、右下:定容量形ポンプのJIS図記号)

図2の作動原理図を見てください。駆動軸によって駆動歯車が時計方向に回転すると、従動歯車は反時計方向に回転します。両歯車のかみ合いが終わって離れる瞬間、吸込側に負圧が生じ、真空作用によって作動油が吸入されます。作動油は吸込側から流入し、歯車とケーシングとの間を通って、吐出側から押し出されます。吐出側では、2個の歯車がかみ合い始める瞬間に容積室の体積が圧縮され、油を吐出します。

2:ベーンポンプ

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第5回:油圧アクチュエータの構造と作動原理

前回は、油圧ポンプの構造と作動原理を紹介しました。今回は、油圧アクチュエータである油圧シリンダ、油圧モータ、揺動形アクチュエータについて紹介し、どのようなパラメータがアクチュエータの動力に影響するのかを解説します。

1. 油圧アクチュエータとは

アクチュエータとは、与えられた動力を直線運動や回転運動の機械的な動力(力×速度、トルク×角速度)に変換する機器です。油圧アクチュエータは、作動油の持つ流体動力(圧力×流量)を利用するアクチュエータで、小型であっても大きな動力を得ることができます。そのため、油圧アクチュエータは工場や建設機械など、大きな動力が必要な機器によく用いられます。

油圧アクチュエータには、油圧シリンダ、油圧モータ、揺動形アクチュエータなどの種類があります。それぞれ、流体動力を直線運動、回転運動、揺動運動させ、機械的な動力に変換します。それぞれの特徴や作動原理を説明します。

2. 油圧シリンダ

油圧シリンダは、直線運動を行う油圧アクチュエータです。ピストンロッドが片側から出ている片ロッドシリンダと、両側から出ている両ロッドシリンダに分類できます。片ロッドシリンダには、単動形と複動形があります。単動形は、油の出入口がピストンの片側にあり、片側だけに圧力が作用してシリンダを動かします。ピストンの復帰は、ばねや自重落下によって行われます。複動形は、油の出入口がピストンの両側にあり、両側に圧力が作用することで往復運動を行います。今回は、複動形の片ロッドシリンダについて解説します。

・油圧シリンダの作動原理

片ロッドシリンダの複動形は、ピストン、シリンダチューブ(シリンダボディ)、ピストンロッドから構成されます(図1)。ピストンロッドが出ている側をロッド側、出ていない側をキャップ側と呼びます。

図1:油圧シリンダの作動概念図

図1:油圧シリンダの作動概念図

1:押し行程

押し行程とは、ピストンロッドがキャップ側から押し出される行程です(図1の左)。作動油がキャップ側のポートから容積室に流量Qで流入すると、ピストンに圧力pが作用し、ピストンロッドを押し出す力(押し側シリンダ力F)が働きます。ピストンは速度Uで右に移動し、作動油はロッド側のポートから大気圧下の油タンクへと流出します。このとき、押し側シリンダ力Fと、ピストンの速度Uは、それぞれ、F=Ac×p、U=Q/Acとなります。Acは有効シリンダ断面積と呼び、シリンダ力を発生するために圧力が作用するピストン断面積です。

2:引き行程

引き行程とは、ピストンロッドがシリンダチューブに戻る行程です(図1の右)。ロッド側のポートから作動油が流量Qで流入すると、ピストンに圧力pが作用して、ピストンロッドをキャップ側に戻す力(引き側シリンダ力F)が働きます。また、ピストンは速度Uで左に移動し、作動油はキャップ側のポートから大気圧下の油タンクへと流出します。引き側シリンダ力Fと、ピストンの速度Uは、それぞれ、F=Ar×p、U=Q/Arで表されます。Arは、ロッド側有効ピストン断面積です。

押し行程と引き行程のシリンダ力Fは、下流側が油タンクに開放され、摩擦力および漏れの影響を全て無視した理想的なシリンダ力です。実際のシリンダ力やピストン速度は、これらの影響により低下します。

・油圧シリンダの構造

片ロッドシリンダの複動形は、主にシリンダチューブ、前後カバー、ピストンロッド、ピストン、クッションプランジャから構成されます(図2)。

図2:油圧シリンダの内部構造図(上)と、複動式片ロッドシリンダのJIS図記号(下)

図2:油圧シリンダの内部構造図(上)と、複動式片ロッドシリンダのJIS図記号(下)

ピストンが移動する距離を、ストロークと呼びます。ピストンがストローク終端付近で、前カバー・後カバーに高速で衝突することを防ぐために、カバー内にはクッション機構が設けられています。クッションは、ストローク終端付近に移動したピストンの運動エネルギーを吸収して、衝撃を軽減します。クッションの種類には、戻り流路の流れを絞る流体クッションなどがあります。

図3に流体クッションの構造を示します。ピストンによって押し出された作動油は、流体抵抗を受けることなく、クッション穴を通ってポートから流出します。しかし、ストロークの終了付近では、クッションプランジャがクッション穴に突入し、ポートとの直接的な流れが断たれるため、……

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3. 油圧モータ

・油圧モータの動力伝達

油圧モータとは、回転運動を行う油圧アクチュエータです。基本的な油圧モータの構造は、油圧ポンプと類似しています。油圧モータは、回転運動式のギヤモータ、ベーンモータ、ねじモータ、往復運動式のピストンモータに分類できます。ここでは、油圧モータのモデルをベーン形で簡易化して説明します。(図4)。

図4:油圧モータの作
動概念図

図4:油圧モータの作動概念図

ロータとケーシングとの間に流量Qの作動油が流入すると、有効面積Aを持つ可動ベーンの両面に、差圧⊿p=pin-poutが働きます。ベーンの移動速度vおよび力Fは、漏れや摩擦を無視した理想的な状態において、v=Q/A、F=A×⊿pとなります。速度vと力Fは、回転運動に変換され、出力軸からの角速度ω=v/rとトルクT=r×Fが得られます。よって、油圧モータの入力側の流体動力Lin=⊿p×Qから、出力側の機械的な動力Lout=T×ωへの伝達は、次式で表されます。

ここで、油圧モータの単位角度(rad)当たりの押しのけ容積をDmとすれば、理論流量Qは、Q=Dm×ωとなります。よって、油圧モータの理論トルクTは、T=Dm×⊿pとなります。

・ベーンモータ

ベーンモータでは、ベーンがロータ内に放射状に配列されたベーン溝をしゅう動(滑りながら動くこと)し、その先端はカムリングに沿って移動します。そのとき、ベーンの両面に作用する差圧により、ロータが回転します。平衡形ベーンモータの主部品は、ベーン、カムリング、ロータ、出力軸、弁板から構成されています(図5)。

図5:平衡形ベーンモ
ータの内部構造図(左)と、油圧モータのJIS図記号(右)

図5:平衡形ベーンモータの内部構造図(左)と、油圧モータのJIS図記号(右)

カムリングは、内面に2つの大円弧部と2つの小円弧部を持ち、両円弧は曲線でつながっています。圧油は、入口から流入して、2カ所の高圧ポートに導かれます。ロータからばねの力で張り出しているベーンは、低圧側との差圧を受け、そのトルクがロータ(出力軸)を時計方向に回転させます。ベーンの移動により押し出された作動油は、2カ所の低圧ポートを通り、出口から流出します。

・ギヤモータ

ギヤモータは、流入する作動油によって2個以上の歯車がケーシング内でかみ合い、回転する油圧モータです。内接と外接の形式に分類されるなど、基本的な構造はギヤポンプと同じです(第4回参照)。ギヤモータは、ケーシング、歯車など、極めて単純な部品から構成されています。圧油が入口ポートから入り、出口ポートから出ることによって歯車にトルクが働き、出力軸が回転します。

・ピストンモータ

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4. 揺動形アクチュエータ

揺動形アクチュエータは、揺動運動を行う油圧アクチュエータです。油圧モータと比べると構造は単純で、大きな出力トルクを得ることができます。ベーン形とピストン形があり、ここではベーン形について解説します。

ベーン形の揺動形アクチュエータは2枚のベーンを持ち、ベーンケーシング内側には隔壁となるストッパが取り付けられています。また、…..

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第6回:油圧バルブの構造と作動原理

前回は、油圧アクチュエータの構造と作動原理を紹介しました。今回は、油圧バルブについて解説します。油圧バルブとは、油圧ポンプから送り出された作動油の方向、圧力、流量を制御する機器です。油圧バルブには、機械制御によって作動する機械操作弁と、電気制御によって作動する電気操作弁があります。ここでは機械操作弁を取り上げ、方向制御弁、圧力制御弁、流量制御弁を紹介します。

1. 油圧バルブとは

油圧バルブとは、油圧ポンプから送り出された作動油の方向、圧力、流量を制御する機器です。バルブ内部の弁体と呼ばれる部品で、絞り流路の断面積を変化させ、流体の流れを制御します。弁体の種類は形状により、ポペットとスプールに分けられます。

ポペットは、円すい形状、球状などの弁体です(図1)。弁座(弁体を受ける部分)のシート面から垂直方向に移動し、弁の開閉を切り替えます。閉位置の状態では基本的に、絞り部からの作動油の漏れは生じません。

図1:ポペットの構造と動作

図1:ポペットの構造と動作

スプールの形状は串形です(図2)。円筒状の穴に内接し、軸方向に移動することで流路の開閉や絞り動作を行います。半径方向に大きい部分をランドといい、ランドが絞り部をふさぐことで弁作用が働き、流れを制御します。ランドと穴の間には隙間が存在するため、……

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2. 方向制御弁

方向制御弁は、作動油の流れ方向を制御するバルブです。これにより、油圧アクチュエータの始動、停止、移動方向を決定します。方向制御弁には、チェック弁や方向切換弁などの種類があります。

・チェック弁

チェック弁は、弁体の球状ポペットを押し開き、作動油の流れを一方向にして、逆流を阻止するバルブです。チェック弁には、ばね付きと、ばね無しがあります。図3に、ばね付きチェック弁の作動原理、JIS図記号、内部構造を示します。ばね付きチェック弁は、ばねによって閉位置を保持し、弁座シート面へのポペットの押し付け力を強固にしています。

図3:ばね付きチェック弁の作動原理(上)、JIS図記号(左下)、内部構造(右下)

図3:ばね付きチェック弁の作動原理(上)、JIS図記号(左下)、内部構造(右下)

ばね定数をk、ばねの初期たわみをxo、入口の流路断面積をAeとすると、押し付け力Fは、F=Ae(pout-pin)+kxoで表すことができます。F>0の時、ポペットはばねによって弁座シート面に押し付けられています(図3の左上)。F=0になると、ポペットは弁座シート面から離れます(図3の右上)。そのときの流入側圧力pinは、pin=pout+kxo/Aeで表されます。油圧力がばね力を超え、押し付け力がばね力などに打ち勝つと、作動油は入口ポートから出口ポートへ流れます。弁が開き始めるときの圧力を、クラッキング圧力と呼びます。

・方向切換弁

方向切換弁は、ポートの接続状態を変えるバルブです。これにより、油圧アクチュエータの駆動、停止、運動方向を決定します。図4に、4ポート、3位置、オールポートブロック、スプリングセンタ仕様の電磁方向切換弁を示します。

図4:方向切換弁の内部構造とJIS図記号

図4:方向切換弁の内部構造とJIS図記号

4ポートとは、4つの接続ポート(図4ではP、T、A、B)を持ち、3位置とは、弁体(スプール)が3つの位置(中央、左、右)に移動することで、流体制御を行うことを意味します。操作力が働いていない中央位置では、……

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3. 圧力制御弁

圧力制御弁は、油圧回路の圧力を制御するバルブです。主な役割は、油圧回路内の圧力を設定値に保持すること、最高圧力を制限すること、回路内の圧力が設定値に達すると回路を切り換えることの3つです。ここでは、代表的な圧力制御弁であるリリーフ弁について解説します。リリーフ弁とは、回路内の圧力を設定値に保持するバルブで、弁体が動くことで、作動油の一部または全部をタンクに逃がします。形状により、直動形とバランスピストン形に分けられます。

・直動形リリーフ弁

直動形リリーフ弁は、ガイドによって支えられたポペットと、入口ポートとオリフィスで連結された油室、圧力調整ねじで構成されています(図5)。

図5:直動形リリーフ弁の内部構造とJIS図記号

図5:直動形リリーフ弁の内部構造とJIS図記号

通常は、ポペットはばねによって弁座シート面に押し付けられ、入口ポートとタンクに接続された出口ポートは導通せず、バルブは閉ざされています。回路内の圧力が設定圧力まで高まり、ばねの力に打ち勝つと、ポペットが弁座シート面から離れ、クラッキング圧力によってバルブが開きます。作動油はバルブ内を流れ出てタンクに至り、これにより回路圧力は設定圧力に保持されます。設定圧力の調節は、ハンドルを回して圧力調整ねじを動かし、ばねの初期たわみ量を増減させて行います。このように、直動形リリーフ弁は、回路圧力が設定値以上になることを防ぎ、油圧機器や管などの破壊を防ぐ、安全弁としての役割を持ちます。

・バランスピストン形リリーフ弁

バランスピストン形リリーフ弁は、圧力調整機能をつかさどるパイロット弁と、回路内の作動油をタンクに逃がす主弁によって構成されています。入口ポートは油圧回路に、出口ポートはタンクに接続されています(図6)。

図6:バランスピストン
形リリーフ弁の内部構造とJIS図記号

図6:バランスピストン形リリーフ弁の内部構造とJIS図記号

バランスピストン形リリーフ弁の動作を理解するために、まず、回路圧力が低い状態を考えてみましょう。ピストンは主ばねによる力で弁座シート面に押し付けられ、主弁は閉じています。入口ポートの圧力 pinは、細孔(チョーク絞り)を経て圧力室に伝わっています。しかし、流れがないため、……

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4. 流量制御弁

流量制御弁は、アクチュエータの上流部または下流部に設置し、流量を制御するバルブです。油圧シリンダの速度や、油圧モータの回転速度に変化を与えるために用います。流量制御弁には、絞り弁や流量調整弁などがあります。

・絞り弁

絞り弁は、作動油が通る流路の断面積を減少させ、流体抵抗を持たせることで流量を制限します。絞り流路の断面積を調整できない固定絞り弁と、断面積を調整できる可変絞り弁(図7)に分けられます。可変絞り弁の流量制御は、絞り開口面積を調節しているので、オリフィスの式を適用することができます。

図7:可変絞り弁の内部構造とJIS図記号

図7:可変絞り弁の内部構造とJIS図記号

絞り弁では、入口ポートから入った作動油は、スプールのテーパ部で流れが絞られることにより流量が制御され、出口ポートから流れ出ます。ハンドル(流量調整ねじ)を時計方向に回すと、ロッドが押され、スプールは下方に動き、流量が増加します。絞り弁内の高圧の作動油は、連絡孔を経てスプール上部に導かれると同時に、スプールの内部を通り、スプール下部にも導かれます。このように、スプール上下面には、ほぼ同じ圧力がかかり、スプールに働く油圧力は平衡します。

・流量調整弁

流量調整弁は、入口や出口ポートの圧力変化に関係なく、流量を所定の値に保持できる流量制御弁です(図8)。流量調整弁の特徴は、圧力補償機能を有していることです。

図8:流量調整弁の内部構造(上)、JIS図記号(左下)、スロットル弁(右下)

図8:流量調整弁の内部構造(上)、JIS図記号(左下)、スロットル弁(右下)

流量調整弁は、スプールとばねで構成される圧力補償部と、絞り部に分けられます。圧力pinの作動油は、圧力補償部のスプールの絞り1で絞られ、油室の圧力はpcとなります。そして、絞り2を通り、圧力poutで流れ出ます。

ここで、油室の圧力pc は、……

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第7回:電気操作弁の構造と作動原理

前回は、油圧バルブの中から、機械制御によって作動する機械操作弁の構造と作動原理を解説しました。今回は、電気制御によって作動する電気操作弁を取り上げます。

1. 電気操作弁とは

電気操作弁は、電気制御によって作動するバルブです。電気操作弁のうち、連続した入力信号に追従して、油圧システムの流体エネルギーを連続的に制御する弁を、連続制御弁と呼びます。連続制御弁には、比例制御弁とサーボ弁の2種類があります(図1)。

図1:比例制御弁(上)とサーボ弁(下)

図1:比例制御弁(上)とサーボ弁(下)

比例制御弁は、コントローラを経てアンプに指令信号が与えられると、信号に従って作動油の流れ方向と流量を比例制御弁が定め、シリンダを動かします。これに対してサーボ弁は、……

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2. 比例制御弁

比例制御弁は、入力信号に比例した圧力や流量を、出力として制御できるバルブです。通常の制御弁では調整ねじによって行う動作を電気信号に置き換えることで、圧力、流量、方向を、遠隔から連続的に制御できます。比例電磁式制御弁、あるいは比例弁とも呼ばれます。

図2に、比例制御弁の作動原理の一例として、電磁比例リリーフ弁の構造を示します。電磁比例リリーフ弁は、回路内の圧力を設定値に保持するために用います。直動形リリーフ弁の圧力調整ねじの代わりに、比例ソレノイドで圧力を調整します。

図2:電磁比例リリーフ弁の作動原理

図2:電磁比例リリーフ弁の作動原理

比例ソレノイド中のコイルに電流iが加わると、……

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3. サーボ弁

サーボ弁は、電気などの入力信号の関数として、流量や圧力を制御するバルブです。代表的なサーボ弁に、直動形サーボ弁と、2段形サーボ弁があります。

・直動形サーボ弁

直動形サーボ弁は、本体部、リニアモータ部、センサ部から構成されます(図3)。

図3:直動形サーボ弁の内部構造

図3:直動形サーボ弁の内部構造

本体部は、スプールおよびスリーブと5つのポート(図3ではP、T、A、B、Dr)によって構成されます。スプールは、流体力(油が通過する際に生じる力)の低減対策がなされ、ゼロラップ(スプールが中立点にあるときポートは閉じ、少しでも変位するとポートが開いて油が流れる状態)の加工が施されています。リニアモータ部にはボイスコイルモータ(ネオジウム・鉄・ホウ素の希土類永久磁石が作る磁界内を、可動コイルが往復運動するモータ)があり、本体部のスプールを直接駆動します。センサ部には、非接触・高応答な磁気式の位置検出器があります。位置検出器はスプールの動作を検出し、電気的なフィードバック信号を与えます。直動形サーボ弁の応答周波数は極めて高く、作動油の耐コンタミ性にも優れています。

・2段形サーボ弁

……

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第8回:アキュムレータとフィルタ

前回は、電気操作弁を紹介しました。これまで取り扱ってきた油圧ポンプ、油圧アクチュエータ、油圧バルブのほかにも、油圧システムにはさまざまな油圧機器が組み込まれ、流体動力の伝達機構を支えています。補助的な役割を担う油圧機器を、油圧補機といいます。今回は、油圧補機の中から、アキュムレータとフィルタを解説します。

1. アキュムレータとは

アキュムレータとは、作動油の流体エネルギーを蓄えるための圧力容器です。アキュムレータは蓄圧方式によって分類され、気体の圧縮性で加圧する気体式アキュムレータ、重りなど重量物の重力で加圧する重り式アキュムレータ、ピストンを介してばねの弾性で加圧するばね式アキュムレータなどがあります。気体式アキュムレータは、作動油と気体の隔離構造の違いにより、ブラダ形、ダイアフラム形、ピストン形の種類があります。図1に、気体式アキュムレータの構造とJIS図記号を示します。

図1:気体式アキュムレータの構造とJIS図記号

図1:気体式アキュムレータの構造とJIS図記号

2. ブラダ形アキュムレータ

ブラダ形アキュムレータは、気体式アキュムレータで最も一般的な形式です。ブラダとはゴム袋のことで、ブラダ形アキュムレータの本体内には、窒素ガスなどの不活性ガスを給気するブラダが組み込まれています。ポペット弁から作動油が流入すると、ブラダを圧縮してエネルギーを蓄積します。アキュムレータが作動していない状態では、本体内の作動油にも、ブラダ内の窒素ガスにも圧力は加えられていません(作動油の圧力ph=窒素ガスの圧力p=大気圧p0)。アキュムレータを作動させると、図2に示すように窒素ガスの圧力と体積、作動油の圧力が変化します。

図2:ブラダ形アキュムレータの作動状況

図2:ブラダ形アキュムレータの作動状況

ガス封入時(図2の左)、給気弁からブラダに封入される窒素ガスの圧力p=p1は、作動油の圧力phより高いので、ブラダは膨張します。

流体エネルギー蓄積時(図2の中)は、……

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3. アキュムレータの用途

アキュムレータの用途には、流体エネルギーの蓄積、衝撃の緩衝、管内圧力上昇の緩衝などがあります。

・流体エネルギーの蓄積

油圧アクチュエータが間欠的に作動しているとき、ポンプからの余剰流量をアキュムレータに蓄積し、必要に応じて放出します。これにより、ポンプ動力(電動機の容量)を下げ、イニシャルコストの低減、消費電力の節減による省エネルギー化を実現します。図3に、アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路を示します。

図3:アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路

図3:アキュムレータを用いた流体エネルギーの蓄積回路

油圧源から流入した高圧油は、電磁方向切換弁が閉じた状態の時、アキュムレータへ流入します。アキュムレータには流体エネルギーが蓄積され、圧力スイッチ(設定圧力になると信号を出力する機器)が最高作動圧力を検知すると、電磁方向切換弁が開きます。アキュムレータから放出された高圧油は、シリンダのキャップ側へ流れ、ピストンロッドが右側に移動します。

・衝撃の緩衝

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4. フィルタとは

フィルタは、作動油中に含まれる異物などの汚染物質を捕捉する機器です。異物や細かいちりである汚染物質は、ポンプ、バルブ、アクチュエータなどの伱間部を損傷し、作動不良や寿命低下を招きます。フィルタの主な構成部品であるフィルタエレメントの性能によって、捕捉できる汚染粒子の大きさは異なります。今回はフィルタのうち、ストレーナとインラインフィルタを取り上げます。

・ストレーナ

ストレーナとは、油タンク内のポンプ吸込側に取り付ける目の粗いフィルタのことです。ろ材、内筒、端板、口金などで構成され、ポンプの吸込管路を介して油タンクに内装されています。作動油は、ろ材を通ることで汚染物質が取り除かれ、吸込管路に接続された口金から流出します。ストレーナのフィルタエレメントには、ポンプの吸込抵抗との兼ね合いから、目の細かいろ材を使用できません。そのため、ステンレスワイヤを凸凹に成型したノッチワイヤや、ひだ折りにしたステンレス金網が用いられます(図5)。

図5:ストレーナの構造とJIS図記号

図5:ストレーナの構造とJIS図記号

・インラインフィルタ

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5. フィルタの性能

フィルタの性能を示す尺度に、ろ過比率と公称ろ過精度があります。ろ過比率は、ろ過比、またはベータ値とも呼ばれます。粒径xμm(c) における平均ろ過比率βx(c) は、JISB8356-8油圧用フィルタ性能評価方法により、次式で定義されています。

Au,xはフィルタ入口、Ad,xはフィルタ出口における、粒径xμm(c)以上の平均粒子数(単位体積当たりの粒子個数)で、単位は個/mLです。(c) は、ISOやJISに基づく粒子計測器での性能評価を示します。例えば、β12(c)=200とは12μmの大きさの粒子が
1-(1/200)=0.995=99.5%除去されたことを意味します。

公称ろ過精度は、各製造業者が独自に規定した、ろ過の程度を表す公称値です。ミクロンまたはメッシュで表します。ミクロンは、フィルタで捕捉できる粒子径をμmの単位で示します。金網の場合には、網目の目開き(隙間の距離)を表します。メッシュは、1インチの長さに含まれる網目(メッシュ)の数を表します。目開きとメッシュの関係は、以下の式で換算できます。

mは目開き、dは金網(ワイヤ)の直径、iはメッシュ数、Lは1インチ(25.4mm)です。例えば、……

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第9回:熱交換器、圧力計、油タンク、配管、電動機

前回は油圧補機から、アキュムレータとフィルタを紹介しました。今回は油圧補機の続編として、熱交換器、油タンク、圧力測定器、配管、電動機の5つを取り上げ、構造や特徴を解説します。熱交換器は作動油の温度管理、油タンクは作動油の貯蔵など、いずれも大切な役割を持つ油圧補機です。

1. 熱交換器

熱交換器は、作動油の温度を適切に管理する装置です。固体壁面を介して、高温流体と低温流体の間で熱交換を行い、作動油の温度の変化・維持を行います。油圧システムに用いられる熱交換器には、水冷・空冷で冷却するクーラと、電熱器などで加熱するヒータがあります。

水冷式クーラは、多数の伝熱管を介して液体間で熱交換します。油圧のような高圧流体に適した構造です(図1)。

図1:水冷式熱交換器の内部構造図とJIS図記号

図1:水冷式熱交換器の内部構造図とJIS図記号

円形の外殻の両端には、伝熱管を支持する管板が設置されています。作動油は、外殻の油流入口から入り、伝熱管の外側を流れます。流れと直角に設けられた数個のバッフル板や、無数の穴を抜けながら、油流出口へと流れ出ます。バッフル板は、じゃま板とも呼ばれ、流体の流れ方向や流速を変える役割を持ちます。一方、冷却水は、……

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2. 油タンク

油タンクは、作動油を蓄える容器です。油タンクには、大気圧下で貯蔵する大気開放タンクや、大気圧より高い状態で貯蔵する加圧タンクがあります。大気圧開放タンクは鋼板溶接により製作され、ストレーナ(液体から固形成分を除くための網状の器具)、バッフル板、油面計、給油口、作動油抜き口と、複数の管路から構成されています(図2)。

図2:油タンクの構造とJIS記号

図2:油タンクの構造とJIS記号

油タンクには3つの働きがあります。作動油の適切な温度保持、作動油内の空気の分離、タンク底部への異物の沈殿・分離です。このためには、十分な容積が必要です。効果を高めるため、……

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3. 圧力測定器

圧力測定器は、圧力および差圧を測定表示する機器です。主にゲージ圧力を測定する圧力計、圧力を電気信号に変換する圧力変換器、圧力が任意のしきい値に達した時点で電気信号を開閉する圧力スイッチなどがあります。

・ブルドン管圧力計

ブルドン管圧力計は、ブルドン管という平らな管の変形量を機械的に拡大して、ゲージ圧を求める圧力計です。100MPaレンジまでの圧力計測が可能です。ブルドン管は、偏平な円形断面を持つ管で、C形の円弧状に曲げられて配置されています(図3)。

図3:ブルドン管圧力計の内部構造図とJIS図記号

図3:ブルドン管圧力計の内部構造図とJIS図記号

圧力導入口を介してブルドン管内に圧力が加わると、管の長手方向に微小な伸びが発生します。そうすると、ブルドン管は、全体的に外側方向に膨らみ、閉鎖されている管先は上方に移動します。この変位量は、リンク機構によって回転運動に変換され、歯車が回転角度を増幅し、指針を所定の圧力目盛りまで動かします。圧力脈動や衝撃圧が生じる場合、圧力計内部にグリセリン水溶液を注入して完全密封したブルドン管圧力計を使用します。グリセリン水溶液の粘性抵抗によって、ブルドン管や指針の動きが抑制され、破損を防ぎます。

・圧力変換器

圧力変換器は、圧力を電気信号に変換する測定器です。ひずみ式圧力測定器、静電容量式圧力変換器などがあります。

ひずみ式圧力変換器(図4)は、圧力導入口からの流体の圧力が、外周の固定されているダイアフラム(厚さ0.3~2.0mmの円形薄板)に加わると、中央と周辺で、それぞれ引張りと圧縮のひずみが生じます。このひずみは、ダイアフラムの裏面に貼られたひずみゲージ(抵抗体)で検出された後、電気抵抗に変換され、ブリッジ回路を経て出力信号として取り出されます。

図4:ひずみ式圧力変換器の内部構造図とJIS図記号

図4:ひずみ式圧力変換器の内部構造図とJIS図記号

静電容量式圧力変換器は、ダイアフラムの変位量によって、移動電極と基準電極の間に蓄積される静電容量が変化する原理を用いています。

・圧力スイッチ

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4. 配管

配管とは鋼管やホース、管継手などの管路の総称で、作動油が油圧機器を流れるために必要です。油圧システムの配管は、各油圧機器を結び、流体エネルギーを伝達する役割を担います。配管の内径、厚さ、材質は、使用する流量や圧力などに応じて選定します。油圧システムの配管は、以下のように分類されます。

  • 圧力供給管路:作動油を圧力源から油圧制御機器まで供給する
  • 動力伝達管路:作動油をアクチュエータまで送る
  • 戻り管路:作動油を油タンクに戻す
  • ドレン管路:油圧機器各部の漏れを油タンクに戻す
  • パイロット管路:油圧機器のパイロット動作を与える
  • 吸込み管路:油タンクからポンプまでを結ぶ

石油系作動油の管内断面平均流速vは、ポンプ吸込み管路で1.2m/s未満、圧力供給管路や動力伝達管路で5.0m/s未満、戻り管路で4.0m/s未満が推奨値です。圧力損失を少なくする観点から、できる限り低い流速が望まれます(参考:第3回)。

・鋼管

油圧システムでよく用いられる金属配管は、鋼管です。高圧用管路として、圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)と、高圧配管用炭素鋼鋼管(STS)が使用されます。管路の呼称には、呼び径と呼び厚さがあります。呼び径には、A呼称(ミリメートル系)とB呼称(インチ系)があり、呼び径の数字後部にA、Bを付けて表します。呼び厚さは、スケジュール番号(Sch)によって示します。

管路と油圧機器の接合には、溶接やねじを用います。ねじの種類には、インチのねじ山形状を持つ管用平行ねじや、管用テーパねじがあります。それぞれのねじの呼称は、JISB0202管用平行ねじ、JISB0203管用テーパねじで定められています。

・ホース

ホースは、配管された油圧機器が移動する場合や、固定配管が困難な場合など、自由な屈曲性が必要なときに用います。ホースは、ゴム製や樹脂製の内面層と外面層、両者の間の補強層から成ります(図6)。内面層は耐油性・耐熱性を備え、外面層は耐油性・耐候性・耐摩耗性を備えています。また、補強層は鋼線製や繊維製で、耐圧性および耐衝撃性を有しています。

図6:ホースの構造

図6:ホースの構造

・継手

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5. 電動機

電動機は、油圧ポンプを駆動するための機器です。全閉外扇型の 3相かご形誘導電動機は、3相の交流電源により駆動します。構造が単純で安価なので、産業用のモータとして広く利用されています。全閉外扇は、外部から水滴・ちりなどが電動機本体に入りにくく、駆動軸の後端部に取り付けられたファンによって外表面を冷却する構造を持っています。3相かご形誘導電動機の電源電圧には、ACの200V、220V、400V、440Vが用意され、動力は0.4~75kWが規格化されています。

電動機の動力を決定するには、使用する予定の最高動力から求める方法と、……

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第10回:油圧の動向とハイブリッド技術

前回は油圧補機の続編として、熱交換器、油タンク、圧力測定器、配管、電動機を紹介しました。今回は昨今の油圧の動向であるハイブリッド技術について解説します。従来の油圧ポンプの課題は、エネルギーの浪費や、騒音・振動などでした。ハイブリッド技術を用いることで、これらの課題を解決することができます。油圧ハイブリッド技術を2つ取り上げ、油圧システムの省エネ化について見ていきます。

1. 油圧システムの動力伝達とハイブリッド技術

油圧システムにおいて、油圧ポンプ軸に接続された原動機はエネルギー源によって駆動され、ポンプは機械的動力を油圧動力に変換します。動力源から作業機までの動力の伝達経路には、原動機の損失のほかに、油圧システム内での摺動摩擦の抵抗や作動油の漏れによる損失が常に存在します(図1)。これらの損失を減らすことが省エネ設計のキーポイントです。油圧システムにおける現状の課題として、油圧アクチュエータが減速するとき無駄に消費されたエネルギーを、どのような手段で回生するかという問題があります。その問題を解消する手段として、油圧のハイブリッド技術が期待されています。

図1:油圧システムの動力伝達経路

図1:油圧システムの動力伝達経路

ハイブリッドとは、2つ以上の異なる要素を混成し、それぞれの特徴を生かした新たなシステムを構築することです。今回は、油圧ハイブリッド技術の事例として、回転数制御ポンプと建設機械のハイブリッド化を紹介します。回転数制御ポンプは、……

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2. 回転数制御ポンプ

産業機械に多用される定置形の油圧源の多くは、ポンプ形式によって定容量形と可変容量形に分類できます(図2)。また、一般にポンプ内の油の流れは片方向のみに限定されていました。

図2:代表的な油圧源

図2:代表的な油圧源(引用:大橋彰、機械設計 Vol.52 No.6ビギナーのための油圧システム入門 第4章 基本的な油圧回路、日刊工業新聞社、2008年、P.37)

定容量形ポンプの作動油の吐出流量は一定であり、油圧システムの制御はバルブだけで行います。絞り弁によってアクチュエータの速度を制御し、同時に、負荷力に見合ったポンプ圧力をリリーフ弁で設定して、余剰流量をタンクに戻す方式です。可変容量形ポンプは、油圧アクチュエータの停止時に負荷圧力が増加すると、ポンプ吐出し流量をゼロにして省エネ運転します(参考:第4回)。そのため、制御はポンプとバルブで行われます。可変容量形ポンプでは、負荷圧力を感知してポンプ圧力や流量を変化させるロードセンシングシステムもあります。これらの方式の課題は、三相誘導電動機を常に一定の回転速度で運転することによるエネルギーの浪費・騒音・振動などです。

昨今、注目される油圧ハイブリッド技術として、油圧メーカー各社が開発を進める油圧ポンプの回転数制御があります(図3)。このシステムは、油圧ポンプに直結された電動機を適切な回転速度に可変制御し、必要なときに必要な動力を油圧アクチュエータに与える機構です。動力が必要ないときは、電動機は完全に止まり、アイドリングストップ機能が働きます。例えば、位置・圧力・流量の指令信号を入力すると、コントローラでアクチュエータ側の位置・圧力センサの検出信号の偏差に基づき演算を行い、電動機の回転速度センサのフィードバック信号を受けながらポンプを駆動します。

図3:回転数制御ポンプを用いた油圧システム

図3:回転数制御ポンプを用いた油圧システム(引用:ポンプ回転数制御油圧システム「カワサキエコサーボ」、川崎重工技報、No.168、川崎重工業株式会社、2009年、P.42)

回転数制御油圧ポンプを駆動する電動機は、ACサーボモータとインバータ駆動モータがあります。ACサーボモータのメリットは、……

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3. 建設機械のハイブリッド化

建設機械から排出される温室効果ガスは、国内の総排出量の約1%といわれています。油圧ショベルのCO2排出量は、その内訳の半分近くを占めます。従来、油圧機器の性能向上や油圧回路の改変などにより、エネルギー削減のさまざまな取り組みが行われてきました。建機メーカー各社はさらなる環境負荷の低減を目指しています。例えば油圧ショベルでは、電気駆動とのハイブリッド化による新製品が発表されています。

油圧ショベルで用いられているハイブリッド方式は、3つの往復運動(ブーム・アーム・バケット)と2つの左右走行は従来の油圧アクチュエータを用い、旋回運動のみを電気モータに置き換えています(図4)。

油圧ショベルでのハイブリッド方式の例

図4:油圧ショベルでのハイブリッド方式の例(引用:井上宏昭、建設の施工企画No.707 ハイブリッド油圧ショベル、日本建設機械化協会、2009年、P.30-34)

このシステムは、車体旋回でブレーキ減速するときの運動エネルギーを、電動モータが電気エネルギーとして回収し、インバータを介してキャパシタ(蓄電器)に蓄積します。電気エネルギーは、車体旋回運動の起動時に回生されます。また、エンジンと油圧ポンプ間に設けられた発電機モータによって、負荷に応じてエンジンが加速するときのアシストとして再利用されます。実機でのユーザーテストの報告によれば、……

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