メニュー

熱交換器、圧力計、油タンク、配管、電動機:油圧の基礎知識9

油圧の基礎知識

更新日:2018年8月21日(初回投稿)
著者:防衛大学校 システム工学群 機械システム工学科 教授 西海 孝夫

前回は油圧補機から、アキュムレータとフィルタを紹介しました。今回は油圧補機の続編として、熱交換器、油タンク、圧力測定器、配管、電動機の5つを取り上げ、構造や特徴を解説します。熱交換器は作動油の温度管理、油タンクは作動油の貯蔵など、いずれも大切な役割を持つ油圧補機です。

今すぐ、技術資料をダウンロードする!(ログイン)

1. 熱交換器

熱交換器は、作動油の温度を適切に管理する装置です。固体壁面を介して、高温流体と低温流体の間で熱交換を行い、作動油の温度の変化・維持を行います。油圧システムに用いられる熱交換器には、水冷・空冷で冷却するクーラと、電熱器などで加熱するヒータがあります。

水冷式クーラは、多数の伝熱管を介して液体間で熱交換します。油圧のような高圧流体に適した構造です(図1)。

図1:水冷式熱交換器の内部構造図とJIS図記号

図1:水冷式熱交換器の内部構造図とJIS図記号

円形の外殻の両端には、伝熱管を支持する管板が設置されています。作動油は、外殻の油流入口から入り、伝熱管の外側を流れます。流れと直角に設けられた数個のバッフル板や、無数の穴を抜けながら、油流出口へと流れ出ます。バッフル板は、じゃま板とも呼ばれ、流体の流れ方向や流速を変える役割を持ちます。一方、冷却水は、水流入口から入り、左側下部の水室カバーを介して伝熱管の内部を流れます。右側の水室カバーを経由して、再び伝熱管を通り、左側上部の水室カバーを経て水流出口から流れ出ます。

寒冷地などで油圧ポンプを使用する場合、油温が低くなると、作動油の粘度が高くなります。それを防ぐため、油タンク内にヒータを設置して、作動油を適温まで上昇させます。一般的には、シーズ型ヒータが用いられます。シーズ型ヒータは金属製のシーズパイプの中にコイル線状の抵抗発熱体を入れ、絶縁体を充填させたものです。管用ねじにより、油タンク壁面とシール接合が可能です。

2. 油タンク

油タンクは、作動油を蓄える容器です。油タンクには、大気圧下で貯蔵する大気開放タンクや、大気圧より高い状態で貯蔵する加圧タンクがあります。大気圧開放タンクは鋼板溶接により製作され、ストレーナ(液体から固形成分を除くための網状の器具)、バッフル板、油面計、給油口、作動油抜き口と、複数の管路から構成されています(図2)。

図2:油タンクの構造とJIS記号

図2:油タンクの構造とJIS記号

油タンクには3つの働きがあります。作動油の適切な温度保持、作動油内の空気の分離、タンク底部への異物の沈殿・分離です。このためには、十分な容積が必要です。効果を高めるため、バッフル板をタンク中央部に設置することで、作動油の経路(戻り管路やドレン管路からストレーナを通り、ポンプ吸込み管まで)を長くしています。油タンクの上板に、油圧ポンプ、ポンプ駆動用電動機、リリーフ弁などの制御弁が一体化して設置されると、パワーユニットと呼ばれる油圧装置になります。

3. 圧力測定器

圧力測定器は、圧力および差圧を測定表示する機器です。主にゲージ圧力を測定する圧力計、圧力を電気信号に変換する圧力変換器、圧力が任意のしきい値に達した時点で電気信号を開閉する圧力スイッチなどがあります。

・ブルドン管圧力計

ブルドン管圧力計は、ブルドン管という平らな管の変形量を機械的に拡大して、ゲージ圧を求める圧力計です。100MPaレンジまでの圧力計測が可能です。ブルドン管は、偏平な円形断面を持つ管で、C形の円弧状に曲げられて配置されています(図3)。

図3:ブルドン管圧力計の内部構造図とJIS図記号

図3:ブルドン管圧力計の内部構造図とJIS図記号

圧力導入口を介してブルドン管内に圧力が加わると、管の長手方向に微小な伸びが発生します。そうすると、ブルドン管は、全体的に外側方向に膨らみ、閉鎖されている管先は上方に移動します。この変位量は、リンク機構によって回転運動に変換され、歯車が回転角度を増幅し、指針を所定の圧力目盛りまで動かします。圧力脈動や衝撃圧が生じる場合、圧力計内部にグリセリン水溶液を注入して完全密封したブルドン管圧力計を使用します。グリセリン水溶液の粘性抵抗によって、ブルドン管や指針の動きが抑制され、破損を防ぎます。

・圧力変換器

圧力変換器は、圧力を電気信号に変換する測定器です。ひずみ式圧力測定器、静電容量式圧力変換器などがあります。

ひずみ式圧力変換器(図4)は、圧力導入口からの流体の圧力が、外周の固定されているダイアフラム(厚さ0.3~2.0mmの円形薄板)に加わると、中央と周辺で、それぞれ引張りと圧縮のひずみが生じます。このひずみは、ダイアフラムの裏面に貼られたひずみゲージ(抵抗体)で検出された後、電気抵抗に変換され、ブリッジ回路を経て出力信号として取り出されます。

図4:ひずみ式圧力変換器の内部構造図とJIS図記号

図4:ひずみ式圧力変換器の内部構造図とJIS図記号

静電容量式圧力変換器は、ダイアフラムの変位量によって、移動電極と基準電極の間に蓄積される静電容量が変化する原理を用いています。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 配管

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

5. 電動機

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

  • セミナー10月
  • 寄稿募集
  • 基礎知識一覧

ピックアップ記事

tags

  • 特集バナー0903_01
  • 特集バナー0903_02
  • 特集バナー0903_03
  • 特集バナー0903_04