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IoTとは:IoTの基礎知識1

IoTの基礎知識

更新日:2020年7月9日(初回投稿)
著者:株式会社CAMI&Co. 代表取締役社長 神谷 雅史

IoTとは「Internet of Things」の略称で、日本ではしばしば「モノのインターネット」と呼ばれています。本連載では、6回にわたり日本におけるIoTの現状やIoTを構成する技術、IoTを活用したビジネス戦略などを解説します。第1回では、そもそもIoTとは何か、ということについて解説します。

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1. IoTとは

モノのインターネットである、IoT。もっと大胆にかみ砕いて、「今までインターネットにつながらなかったモノが、つながるようになった」という意味で考えても良いでしょう。言葉の意味としては、実にシンプルです。具体例を挙げてみましょう。例えば、スマートスピーカやスマートロックと聞けば、ピンと来るのではないでしょうか。これらは、従来インターネットにつながらなかったスピーカや錠前というモノが、インターネットにつながることで活用の幅が一段と広がった、身近なIoTの例です(図1)。

図1:スマートスピーカ(内蔵されているマイクで音声を認識し、情報の検索や連携家電の操作を行う)

図1:スマートスピーカ(内蔵されているマイクで音声を認識し、情報の検索や連携家電の操作を行う)

近年の技術革新、およびハードウェア需要の高まりから、安価で高性能なセンサの量産が可能になりました。その結果、ドアや窓、公衆トイレのライト、観葉植物といったモノからもデータを収集できるようになり、IoTをビジネスに生かそうとする製造業やベンチャーにとって、その可能性は大きく広がりました。

2. モノ同士がネットワーク化されると

そんな「モノのインターネット」が注目を集めているのは、IoTがもたらすインパクトが、私たちの生活や産業のありよう、市場経済までも大きく変えるかもしれないと考えられるからです。今まで単体で動作していたモノがインターネットにつながれば、図2のような世界が到来する可能性があるということです。この図は、家電や生活インフラ、車、スマートフォン、時計や財布など身につけるモノ、町中の電柱、病院や工場などの施設が、全てインターネットにつながり、クラウドによってネットワーク化された世界です。こうした世界は「スマートシティ」と呼ばれます。IoTをエネルギーや生活インフラの管理に用いることで、光熱費の節約や渋滞の解消、行政サービスの効率化を促進し、ひいては経済発展にもつながる、という構想の1つです。

図2:スマートシティのイメージ(引用:神谷雅史、最新図解で早わかり IoTビジネスがまるごとわかる本、ソーテック社、2019年)

図2:スマートシティのイメージ(引用:神谷雅史、最新図解で早わかり IoTビジネスがまるごとわかる本、ソーテック社、2019年)

3. 新たな価値の創出やイノベーションへ

当然、そうした考えは、インターネットが登場するまでは想定されていませんでした。従来、モノというのはそれ単体で動作し、それ以外には影響しない「スタンドアローン」という特性を持っています。それに対してIoTは、モノ同士が影響を与え合う「ネットワーク」を持つという特性があります。家が情報を発信し、生活インフラに働きかけて住人の節約意識を高めたり、車が交通システムに働きかけて渋滞を解消したりといった、モノ同士の連携が生み出すさまざまな変化が予想されるでしょう。ひと言で、モノがインターネットにつながる、といってもピンと来ないかもしれません。しかし、そうしたモノ同士のネットワークによってもたらされる変化を想像すれば、今後IoTの分野で多くのビジネスのアイデアやイノベーションが期待できる、ということが理解できると思います。

4. 豆知識1:ユビキタス・IoTの歴史

ユビキタスは、2000年代前半に構想された概念で、日本では総務省が2004年5月に公表した「u-Japan政策」を契機に広まりました。筆者もまた、2000年頃からユビキタスに可能性を感じ、大学の研究室に入っています。もともとラテン語で「偏在する」という意味のユビキタスには、あらゆるモノにコンピュータが内蔵され、それがどのようなところからでも利用可能である(偏在する)、というイメージが込められています。また、この偏在性によって「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながることで、ユビキタスネットワーク社会が到来するともいわれてきました。これは、前述のスマートシティとよく似た考え方であると思うのではないでしょうか。それもそのはずです。そもそも、IoTという概念自体は1999年頃からあり、RFID(無線タグやICタグとも呼ばれる)によって情報のやりとりを行う技術を、モノのインターネット、という概念で捉えたことが始まりです。つまり、IoTはユビキタスに先んじて、構想されていたのです。当時はまだ、IoTの構成要素であるデバイス、通信、クラウドなどが普及しておらず、携帯電話を所有しているのが2人に1人程度の時代でした。その後、インターネットおよびネットワークの発展、さらにスマートフォンの登場によって環境が整い、現在のIoTの普及を支えることになりました。スマートフォンの登場は、それまで高価だったセンサや無線モジュールの単価を下げ、通信ではデータ通信がメインとなりました。また、パソコンで行っていたさまざまなことが、持ち歩けるモバイル端末によって場所を問わず行えるようになり、クラウドの活用も一般的になりました。近年では、IoTプロダクトの開発環境がそろい、産業への大規模な導入に限らず、身近な生活の中へも急速に広がっています。

いかがでしたか? 今回は、基礎知識の第1回目として、そもそもIoTとは何か、について解説しました。次回は、日本企業におけるIoT導入の現状を解説します。お楽しみに!

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