投影図の描き方:機械製図の基礎知識2
投稿日:
- 2019年10月23日
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カテゴリ:
- 基礎知識
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前回は、製品開発における図面の役割と、設計・製図に必要な基本要素を紹介しました。今回は、投影図の描き方を解説します。立体形状を図面として表すための、平面の投影図の概念をつかみ、正しい図面を描くために必要な、JISで定められた図面様式を理解しましょう。
1. 用紙サイズ、線の種類と用途、尺度
3DCADを使った設計が主流になりつつある現在、図面の描き方も、さまざまに試行錯誤されています。例えば、図面を使用せず、3Dモデル上に直接寸法を記入する図面レスの方法や、図面には主要寸法だけを記入し、一般寸法は3Dモデルを参照させるなどの方法です。しかし、加工や検査の現場では、紙の図面がないと作業性が悪いため、紙図面はどうしても必要とされます。
紙図面のサイズについて、JIS製図では、A列の5種類を標準サイズとして規定しています。A0を最大として、それを半分にしたものがA1です。また、A1を半分にしたものがA2、その半分がA3という具合に小さくなります(図1)。
A3以上の大きな紙図面は、持ち運び時や保管時には折りたたむ必要があります。この折り方にもルールがあります。折り方の種類には次の3つがあり、どれもA4サイズ仕上がりに折りたたむ方法です。
・基本折り:一般的に折りたたむ方法
・ファイル折り:とじ代を設けて折りたたむ方法
・図面袋折り:主にとじ穴のあるA4の袋の大きさに入るように折りたたむ方法
表1に、一般的に用いられる基本折りの折り方を示します。なお、表1で示した表題欄については、次の項目で説明します。
図面に描く線にも、種類と太さ、そして適用のルールがあります。線種と太さは次の8種類です。なお、旧JISにあった中線(ちゅうせん)は、現在のJISには存在しません。
・太い実線(じっせん)
・細い実線
・極太の実線
・太い破線(はせん)
・細い破線
・太い一点鎖線(いってんさせん)
・細い一点鎖線
・細い二点鎖線(にてんさせん)
表2に、線の適用ルールを示します。
図面に描く図形は、原寸大が良いとされます。しかし、設計する部品の性質上、図面サイズに対して投影対象物が小さすぎたり、逆に大きすぎたりすることがあります。その場合、尺度を変更して図面を描くことができます。尺度について、JISでは推奨尺度が規定されています。ここに手ごろな尺度がなければ、自分で最適な尺度を決めて使用しても差し支えありません(表3)。
2. 表題欄
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3. 第一角法と第三角法と矢示法
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