特殊な図示法2:機械製図の基礎知識5
投稿日:
- 2020年01月10日
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カテゴリ:
- 基礎知識
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前回は、断面図や省略図など、特殊な図示法を紹介しました。今回は、特殊な図示法の2回目として、部分投影図、局部投影図、部分拡大図、相貫線を解説します。図面が複雑になることで読み手が誤解しないように、投影対象物を分かりやすく表現するためのテクニックを身に付けましょう。
1. 部分投影図
対象物の必要な部分だけを示せば十分なとき、その部分だけを部分投影図として表すことができます。省略した部分との境界は破断線を用いて示します。ただし、明確な場合に限り破断線は省略できます。この場合、隣接する投影図との間に中心線を描いて結ぶか、中心線がない場合は形状の一部と細い実線で結びます(図1)。
最近では3次元CADの普及により、省略する作業が逆に手間となることがあります。しかし、部分投影図における省略は、図面をコンパクトに描くための重要なテクニックなのです。
2. 局部投影図
穴や溝などの形状だけを示せば形状が理解できる場合、対象物の穴や溝だけを局部投影図として示すことができます。これは、詳細の不必要な繰り返しによる見づらさを避けることにもなります。
局部投影図では、部分投影図と同様に、隣接する投影図との間に中心線を描いて結ぶか、中心線がない場合は形状の一部と細い実線で結びます(図2)。
3. 部分拡大図
対象物の特定部分が小さいため、詳細な図示や、寸法記入がしづらい場合には、その部分を細い実線で囲み、アルファベットの大文字で表示することで、該当部分を別の場所に、適当な尺度で拡大して示すことができます。これを部分拡大図といいます。
その際、拡大図の照合文字(Aなど)の横に、尺度を明記する必要があります。元図の尺度が現尺(1:1)で描かれているとき、部分拡大図をその2倍の大きさで描く場合は、図3のように(2:1)と書きます。元図の尺度が縮尺(1:2など)で描かれているとき、部分拡大図をその2倍の大きさで描く場合は、(1:1)と書きます。
4. 相貫線
保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。