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自由振動:機械力学の基礎知識2

機械力学の基礎知識

更新日:2021年11月12日(初回投稿)
著者:広島大学 先進理工系科学研究科 機械力学研究室 教授 菊植 亮

前回は、物体の運動を表す運動方程式を紹介しました。今回は、物体に生じる周期的な運動、すなわち振動について説明します。振動には、強制振動と、自由振動があります。本稿では、自由振動について解説します。

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1. 自由振動

外から周期的な力を加えたときに発生する振動を、強制振動というのに対して、自由振動とは、ばねを少し引っ張ってから手を離したときのように、外力が加わっていないのに発生する周期的な運動のことをいいます。機械には、振動が生じることがあります。振動の性質を明らかにすることは、機械の設計やメンテナンスのために非常に重要です。そもそも、機械には、なぜ振動が生じるのでしょうか? その理由は、前回紹介した運動方程式にあります。

最も簡単な例として、図1のようにばねで保持されている物体、すなわち、ばね質量系を考えましょう。ここでは、物体の位置pは、ばねの平衡点(ばねが自然長となる位置)を基準としています。そのため、この物体に加わる力は、単純にkpになります。

図1:ばね質量系の振動

図1:ばね質量系の振動

この物体の運動方程式は下式のようになります。

物体の運動方程式

この式を見ただけで、「なんだか振動が起こりそうだ」と想像できるでしょうか? 読者の多くにとっては、難しいかもしれません。この微分方程式の解を求めると、以下のようになります。

ここで、Aとαは何らかの定数です。上式の、位置pと時刻tの関係をグラフで表すと、図2のようになります。このことから、位置pが時刻tの経過に伴って周期的に変動することが分かります。ここで、「式2のpが式1の解である」というのは、「式2で定義される時間関数pが式1を満たす」ということを意味します。つまり、式2で定義された振動的な時間関数pが式1を満たす、ということが、式1で振動が生じる原因となります。

図2:ばね質量系の振動

図2:ばね質量系の振動

ここで、図1のばね質量系には、外から何の振動も加わっていないということに注意してください。ばね(剛性)と質量(慣性)の組み合わせだけで、式2のような振動が発生してしまいます。前述したように、このような振動が、自由振動です。

なお、式2の中に出てくる√(k/m)の値を、固有角振動数といいます。その値は、質量とばね定数だけで決定されます。単位はrad/sで、1秒間に何ラジアン分動くかを表します。この√(k/m)の値が6.28rad/s(=2π)であれば、1秒間に1周期、つまり、1Hz(ヘルツ)で振動することを意味します。

振動の速さを表すのには、Hz(1秒間に何周期か)の方が、rad/s(1秒間に何ラジアンか)よりも分かりやすいかもしれません。しかし、運動方程式から出てくる値の単位はrad/sです。Hzに直すためには2πで割らなければなりません。単位として、rad/sとHzの両方を使わなければいけないというのは、工学における永遠の未解決問題かもしれません。

なお、通常は、角振動数、あるいは角周波数はrad/sを単位とする数値を表し、振動数、あるいは周波数はHzを単位とする数値を表します。

2. 減衰のある自由振動

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3. 運動エネルギーと弾性エネルギー

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