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強制振動と周波数応答:機械力学の基礎知識3

機械力学の基礎知識

更新日:2021年12月24日(初回投稿)
著者:広島大学 先進理工系科学研究科 機械力学研究室 教授 菊植 亮

前回は、自由振動について説明しました。今回は、機械システムに周期的に外力を加えたときに起こる振動、すなわち強制振動について解説します。ものに周期的に力を加えれば、振動するのは当然と思うかもしれません。しかし、力を加えることで、実際にどのような速度や変位が生じるかを、事前に把握することは容易ではありません。それは、数式を使って考えることで把握できます。与える外力の大きさが同じであっても、その周波数(振動数)によって、発生する振動は大きく異なります。また、特定の周波数で振動が大きくなってしまう共振という現象についても解説します。

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1. 強制振動

強制振動とは、外から周期的な力を加えたときに発生する振動をいいます。図1の左のように、ばね質量ダンパ系に振動的な外力が加わっている状況を考えてみましょう。外力fは、図1の右のような正弦波(サイン波)状に時間変化するものとします。

図1:振動的な外力が加わるばね質量ダンパ系

図1:振動的な外力が加わるばね質量ダンパ系

これを式で表すと、

f=Fcos(ωt+α)・・・式1

となります。ここで、Fは振幅、ωは角振動数を表します。αは位相といって、時刻t=0の瞬間が正弦波のどの部分に対応しているかを表します。この外力が加わっている、図1左のシステム全体の運動方程式は下記のようになります。

mp••+cp+kp=Fcos(ωt+α)・・・式2

ここでは、ばねが自然長にあるときの質点の位置を原点として、物体の変位pを定義しています。

途中経過を飛ばして結論をいうと、上記の運動方程式2の解(厳密にいうと、強制振動解)は下記のようになります。

いきなり複雑な式が出て、驚いたかもしれません。パーツごとに、順を追って説明するので、ひとまずこれはこういうものだと思ってください。式中のarccosはアークコサインと読み、コサイン関数(cos)の逆関数です。cos-1と書くこともあります。このarccosの部分は、0~πの値(0~180°の角度の値)を取ります。

この式のままでは説明が難しいので、下記のように新たな記号を定義しましょう。

すると、式3は、

p=FA(ω)cos(ωt+α-ϕ(ω))・・・式5

と書き直すことができます。

図2に、外力fの波形(式1)と、変位pの波形(式5)を示します。

図2:強制振動における外力fと変位pの関係

図2:強制振動における外力fと変位pの関係

周期的な外力によって、周期的な振動(変位pの周期変化)が起きています。このような、周期的な外力によって生じる振動を強制振動と呼びます。図2の外力fの波形と、変位pの波形を比べてみると、

  • 変位pの角振動数は外力fの角振動数ωと等しい
  • 変位pの振幅は外力fの振幅のA(ω)倍
  • 変位pの位相は外力fの位相よりϕ(ω)遅れる

ということが見て取れます。変位の倍率は、変位÷力なので、単位はm/Nで、ばね定数の逆数の次元を持っています。(入力に対する出力の倍率をゲインと呼ぶこともあります)。また、変位pの波形は、外力fの波形よりも必ず遅れるということに注意してください。ざっくり説明すると、ものに加えられた力の影響は、まず加速度に現れて、その後、速度、変位の順に現れます。そのため、外力から変位への影響は遅れて発現するとイメージしてください。

2. 応答曲線と共振

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3. 周波数成分

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