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多自由度系と振動モード:機械力学の基礎知識4

機械力学の基礎知識

更新日:2022年1月20日(初回投稿)
著者:広島大学 先進理工系科学研究科 機械力学研究室 教授 菊植 亮

前回までは、1つの物体が振動的に運動する場合を説明しました。今回は、複数の物体がお互いに影響し合いながら振動する状況について解説します。この状況では、モード、あるいは振動モードという概念が登場します。また、複数の固有振動数における共振と、反共振という現象についても紹介します。

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1. 多自由度系の例と運動方程式

図1のように、3つの質点(質量を持ち、大きさは無視できる物体)が、ばねとダンパで接続された系を考えましょう。このような系を3自由度系と呼び、多くの質点がある系をまとめて多自由度系と呼びます。

図1:多自由度系

図1:多自由度系

図1のそれぞれの質点について運動方程式を書くと、下記のようになります。

長い式が続き、難しそうに見えるかもしれません。しかし、行列とベクトルを使うことによって、この式を単純な式に落とし込むことができます。まず、式1は下式のように書き直すことができます。

ここでは、位置、速度、加速度、力とそれ以外を、それぞれグループ化して行列とベクトルに分けています。さらに、上式で登場する行列とベクトルを下記のような記号に置き換えます。

ここで太字は行列、またはベクトル(縦ベクトル、あるいはn行1列の行列)を表します。すると式2は、以下のようなベクトル形式の微分方程式に落ち着きます。

ここでMCKは、それぞれ慣性行列(または質量行列)、粘性行列、剛性行列と呼ばれます。また、pは変位ベクトル、fは外力ベクトルと呼ばれます。

ここで重要なのは、式1のように複雑な式が、行列とベクトルを使うことによって、式3のような単純な形に書き直すことができるということです。都合のよいことに、式3の形の数式の取り扱い方は、数学的に確立しています。ここでは、質点が3つの場合(3自由度系)を考えました。しかし、質点の数が増えても、行列とベクトルの次元が大きくなるだけで、式3の形は変わりません。図1のような系に限らず、さまざまな機械システムが、式3の形で表現することができます。

2. 自由振動と振動モード

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3. 強制振動と共振・反共振

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