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訓練による残留リスクの低減:機械安全の基礎知識5

機械安全の基礎知識

更新日:2017年11月29日(初回投稿)
著者:職業能力開発総合大学校 教授 千葉 正伸

前回は、安全教育によるリスク低減方策を説明しました。今回は、訓練の観点から、リスク低減方策を解説します。

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1. 訓練のあり方

機械安全は、まずは設計段階で十分に検討され、万が一誤動作やトラブルを起こしても事故にならないようフェールセーフを構築します。しかし、機械の使用段階では、メンテナンスや修理後の再起動、清掃など、人に依存する作業が数多くあります。作業手順や動作行動を間違えると、重大な事故を招きます。事故を未然に防ぐには、安全に対する正しい理解や技能訓練によるリスク低減方策が欠かせません。具体的には、5S活動、OJT(ON-the-Job Training)による技能と機械安全の訓練、危険予知訓練などを実施します。

2. 5S活動の取り組み

5Sは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の頭文字Sを取ったスローガンです。職場環境を快適にし、作業効率を向上させるために、5S活動は不可欠です。安全の確保や災害の防止にも効果があり、5S活動を各作業に取り入れ、訓練を行います。簡単に、5Sのあるべき状態を解説します。

・整理:必要なものと不要なものを区分して、不要なものを処分する。

・整頓:必要なものを、すぐに取り出せるようにする。工具や材料などを、誰にでも分かるように明示し、使いやすいように安全な場所に置く。

・清掃:ごみやほこりのない、きれいな状態にする。

・清潔:掃除したきれいな状態を維持する。洗濯された服装で、周囲の人に不快感を与えないことを意味することもある。

・躾(しつけ):決められた服装や作業手順、清掃などのルールを、正しく守る習慣を身に付ける。

5S活動が根付いた職場では、不安全な状態や行動が見えやすくなり、危険源も特定しやすくなります。安全で効率的な職場環境を維持するためにも、継続的に5S活動に取り組んでください。

参考:5S活動の基礎知識

3. 技能と機械安全の訓練

安全かつ正確に作業を行うには、十分な訓練が必要です。訓練の基本は、やらせてみることです。

例えば、溶接は、技術や技能の訓練が特に必要な作業です。溶接の品質は、作業者の技能に依存します。作業が終わった溶接部分には、目視で問題がなさそうでも、内部欠陥が潜んでいるかもしれません。内部欠陥を確認するにはX線照射などが必要で、見た目では確認できません。欠陥のない溶接を行うためには、繰り返しやらせてみて、技能を向上させる訓練が必要です。機械安全に関しても、技能と同様に、OJTを通じ、訓練を行います。コツを培うには、繰り返しやってみることが重要です。

図1:溶接作業の様子

図1:溶接作業の様子

4. 危険予知(KYT)訓練

危険予知訓練は、現場に潜在する危険予知を行う訓練です。危険(Kiken)、予知(Yochi)、訓練(Training)の頭文字をとって、KYT訓練といいます。作業開始前10~15分程度の短時間でミーティングを行い、作業現場の危険を把握します。事故災害を未然に防止する訓練として、広く普及している訓練手法です。

うっかり、ぼんやり、勘違いは誰にでもあるものです。危険予知訓練は、危ないことを危ないと感じる感受性を高め、人的エラーを減らすために実施します。また、過去の類似災害ケースを元に、作業現場に潜む危険を事前に察知して、危険に対する情報を共有します。作業の要所で「脚立角度75°、ヨシ!」などと指差し呼称を行い、集中力を高めることも大切です。

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