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金属における拡散と金属の機械的性質:金属材料の基礎知識4

金属材料の基礎知識

更新日:2020年12月17日(初回投稿)
著者:岩谷産業株式会社中央研究所 技術顧問(大阪大学名誉教授) 中嶋 英雄

前回は、金属における拡散現象論や拡散機構について説明しました。今回は、拡散によって原子が移動する距離、および相互拡散を解説します。また、金属の機械的性質についても取り上げます。

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1. 拡散によって原子が移動する距離

前回、無限に長い棒(x=±∞)の1カ所(x=0)に時刻t=0で全量M(単位面積当たり)の溶質を置いたときの濃度分布C(x、t)は、以下の正規分布の形となることを示しました。

ここでDは拡散係数です。x=0に置いた原子は、時間tの間にどのくらいの距離を拡散して移動するのか評価してみましょう。時間tを経過したときの、原子のx≥0のx軸全領域における拡散量は、以下の式で表すことができます。

一方、x’から∞の領域での拡散量は、以下の式で表すことができます。

また、xの移動距離が、この0<x<∞の全領域の拡散量の1/1,000になる場合、以下のようになります。

この式を解くと、x’~4√Dtになります。すなわち、x=0にあった初期濃度Mの原子は、時間tの間に4√Dtだけ拡散移動したことになります。このことを覚えておくと、非常に役立ちます。例えば、Fe中のHの拡散係数Dは、50℃で10-8m2/sです。そのため、Hは1時間のうちに4√Dt~24mm動いてしまいます。一方、Fe中のFeの自己拡散係数は800℃で約10-16m2/sなので、Feが24mm移動するには、108時間(1億時間)もの時間を要します。

2. 相互拡散

濃度勾配下で起こる2種以上の原子の拡散を、相互拡散と呼びます。2元系のA-B合金中でのA、およびBの固有拡散係数を、それぞれDAi、DBiと書くと、相互拡散係数D~はA、およびBの原子分率xA、xBを用いて、以下のように与えられます。

DAi、およびDBiは、それぞれ自己拡散係数DA、DBと以下の関係があります。

ここで、γAは、固溶体中のAの活量係数です。上の2つの式を、式1に代入すると、以下の式が得られます。これをダーケンの式といいます。

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3. 金属の機械的性質

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