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モータの選び方:モータの基礎知識8

モータの基礎知識

更新日:2019年1月21日(初回投稿)
著者:東京都市大学 工学部 教授 工学博士 百目鬼 英雄

前回は、誘導モータの特性と制御方法を解説しました。最終回となる今回は、モータの選び方を解説します。モータには、DCモータから交流モータまで多くの種類があり、同じような特性を持っています。このため、用途によって特定のモータを選ぶことはせず、モータの特性や与える負荷を考慮しながら、用途に見合うものを選定します。

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1. モータの選び方

まず、モータのトルクが、速度によりどのような特性を持つかを知っておくことが重要です。トルクを増加させると、一般にモータの回転速度は下がります。その下がり方は、誘導モータのようにあまり変わらないもの、永久磁石DCモータのようにトルクの増加により直線的に大きく減少するもの、同期モータのようにトルクが変わっても一定の回転速度で回転するものがあります。また、DCモータは、ブラシの寿命があり、整流により火花が発生するため、使用環境も考慮する必要があります。

・負荷の条件

モータで駆動する負荷は、速度によっていろいろな性質を示します。代表的な負荷特性として、低トルク負荷、2乗トルク負荷、低出力負荷、低減トルク負荷が挙げられます。それぞれの用途例、速度-トルク特性を図1にまとめました。

図1:負荷の種類

図1:負荷の種類

用途に合った速度-トルク特性を持つモータを選定しましょう。例えば、電車の負荷にように大きな始動トルクを要求し、速度の上昇とともに定出力を要求するような用途には、直巻のDCモータが適しています。最近では、誘導モータを制御することで同様の特性が実現できるため、誘導モータが使われています。ファン用モータなどは、あまり大きな始動トルクは要求せず、速度の上昇とともに大きな負荷トルクを要求します。この負荷に適したモータに単相誘導モータがあり、家庭用の換気扇などに広く使われていました。最近ではブラシレスDCモータが使用されています。

・モータ駆動装置

モータを単に動力源として使うだけでなく、一定速度で回転させるなどの制御するためには、駆動装置(ドライバまたはサーボアンプ)が必要です。例えば誘導モータを速度制御するために、インバータを用います。駆動装置の選定では、まずモータを駆動するために十分な出力容量があるかを考えます。また、トルク・速度・位置などの制御の対象と、制御の精度により、使用する回転センサが決まります。選定したセンサが駆動装置で使用できるか確認しましょう。モータと駆動装置を組み合わせたサーボモータが、製品化されています。目的の機能を実現できるものを選択しましょう。

2. カタログの見方

モータの製品カタログには、選定に必要なモータの特性が記載されています。その中でも重要な項目を解説します。

表1:モータの特性
モータの特性説明
定格出力・定格電機子電圧・
定格トルク・定格電機子電流
・定格回転数
定格と付いている特性は、モータの基本的性能を表す
瞬時最大トルクモータ温度が室温状態のとき瞬間的に発生するトルク。短時間定格トルク以上の負荷を掛けるとき、この値以下でなければならない
瞬時最大電機子電流瞬時最大トルク発生時に流れる電流
連続ストールトルクモータを拘束して連続運転したとき、温度上昇が規定範囲における最大トルク
ストール電機子電流連続ストールトルクを発生するときの電流
トルク定数電機子電流1A当たりの発生トルク
機械的時定数モータにステップ電圧を印加したとき、定格回転数の約63%になるまでの時間。単位は秒
誘起電圧定数モータを発電機として運転したとき、回転数当たりに発生する電圧
電機子抵抗電機子コイルの抵抗値。抵抗によりジュール熱が発生し損失となるため、小さい方がよい
熱抵抗モータで発生した熱を放散するときに関係する特性。大きいほど、同じ発熱量でも温度上昇が大きく、冷えにくさの程度を表す
回転子慣性モーメント加減速トルクを計算する場合、重要
電機子インダクタンスこの値が大きいと、電圧を印加しても電流がすぐに流れず、モータの応答が遅れる
電機子コイル温度上昇限度使用する絶縁物の種類により、温度上昇が制限される

3. 制御用モータの容量計算

カタログの中から、用途に合ったモータを選ぶには、まずモータにかかる負荷を知ることが重要です。負荷の要求トルクはいくらか、希望の回転数はいくらか、負荷の慣性モーメントはいくらか、加速減速時の時定数はいくらかなどを知る必要があります。選定のステップは、大きく6つあります。

続きは、保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

4. 短時間運転の過負荷トルクと運転定格

保管用PDFに掲載中。ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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