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空気圧における流れ:空気圧の基礎知識4

空気圧の基礎知識

更新日:2021年9月17日(初回投稿)
著者:東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授 川嶋 健嗣

前回は、空気圧のエネルギーを紹介しました。今回は、空気圧における流れを取り上げます。空気圧システムを構成する際には、空気圧シリンダやそれを制御するためのバルブなどを、空気圧供給源に配管で接続する必要が生じます。配管での圧力損失や伝達の遅れは、制御性能やエネルギー効率に影響を与えるため、その影響を把握しておくことは、システム設計において極めて重要です。配管内の流れに着目しながら、その現象を記述する式を見ていきましょう。

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1. 配管内の流れ

配管は、各機器を連絡する流体の通路として配設された管のことで、液体や空気といった流体を、目的箇所まで適切に配送する働きがあります。空気圧システムでは、空気圧シリンダや制御用のバルブなどを配管で接続して、空気のエネルギーを伝達します。配管によって、伝達の遅れや圧力の損失が起こるため、配管内の空気の流れについて理解しておくことは極めて重要です。配管内の空気を、上流から下流への一方向の流れとして考えることは妥当です。そこで、配管の断面積Aの内部流れについて見ていきましょう。

・運動方程式
流れの運動はニュートンの第2法則により、質量×加速度=外力の総和で表されます。図1に示すように、管路の中心線に沿ってx軸を取り、ある時刻tにおいて微小距離Δxだけ離れた2つの断面での運動方程式を考えましょう。

図1:微小断面の流体に働く力

図1:微小断面の流体に働く力

この検査体積に働く外力は、圧力による力と粘性による摩擦応力τによって、以下のように表されます。

ここで、ρとuは、それぞれ気体の密度と流速です。

左辺の速度の変化duは、

で表されます。また、流体粒子がdt時間に移動した距離はdx=udtなので、上式は

と整理されます。第1回で、摩擦応力τはτ=μ(du/dy)の関係があること、また粘度μを密度ρで割ったものが動粘度νであることを説明しました。よって、運動方程式は、以下のように表すことができます。

この式の左辺は、流体の加速度が時間的に変化するために生じる右辺第1項と、流体粒子が時間の経過とともに位置を変えるために生じる右辺第2項との和で表されることを示しています。定常流れにおいて、右辺第1項はゼロとなります。上式の右辺第1項は非定常項、第2項は対流項、あるいは定常項と呼ばれます。右辺の第1項は圧力項、第2項は粘性項といいます。よって、非定常項+対流項(定常項)=圧力項+は粘性項で構成されていることになります。

なお、ここで紹介した運動方程式は、バルブなどの絞りを通過する流れを考える上でも基礎となります。

2. 層流と乱流

流体の流れには層流と乱流があります。層流は流体が規則正しく運動している流れのことで、乱流は流体が不規則に運動している乱れのことです。また、層流から乱流へ変わることを遷移(せんい)と呼びます(図2)。流体が流れている配管の圧力損失を求める際、流れの把握が重要となります。

図2:層流と乱流のイメージ

図2:層流と乱流のイメージ

物理学者のオズボーン・レイノルズ(1842~1912)は、直径7.9mm、15mm、27mmのガラス管で、水温を4~44℃に変えて多数の実験を行い、平均速度u、ガラス管の内径d、水の密度ρ、および粘度μの値がどのようであっても、無次元数ρud/μの値がある値になると、層流から乱流に移ることを発見しました。後にレイノルズの功績を記念して、この値はレイノルズ数Reと呼ばれることになりました。

円管内の流れの場合、レイノルズ数は2,000~4,000となり、これが一つの目安になります。しかし、この値は流れの状態や条件などによって異なるため、注意が必要です。なお、この無次元数は、上述した運動方程式の対流項と粘性項の比に相当します。

3. 配管内の圧力損失

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